自分の殻を破る方法とは?破れない人はどんな人?

ECブログ

「自分の殻を破る」という言い回しを聞くことがありますが、「自分の殻」とはいったい何を示しているのでしょうか。今回は自分の殻を破れない人の特徴や、そこから抜け出す方法についてご紹介します。

* この記事の要点 *
・かつては自分を守っていた「殻」が成長の妨げになっているというジレンマ。
・完璧主義や過去の経験から他人の視線が気になり、最初の一歩を踏み出せない人が多い。
・いつもの自分がしないことを試す、環境をガラッと変えるなど「変化」に慣れることが大切。
目次▽▲▽

自分の殻を破るの「殻」ってなに?

殻とは生き物や植物が自分を守るための外皮のこと。そして自分の殻は人が他者から自分自身を守るために無意識につくりあげた「思い込みのよろい」のようなものです。人間は「ここにいれば大丈夫」と居心地のいい環境(コンフォートゾーン)や決まったパターンを見つけると、そこにとどまり同じことを繰り返そうとします。みずから望んだ場合もあれば「大人だから」「母親らしく」など社会的な役割や外的圧力が影響しているケースもあるでしょう。
一方、殻をつくることは自分自身の限界を決め「自分はこういう人間だ」という固定観念や思い込みにもつながります。確かに殻の中は安全ですが、その中にいる限り大きく成長することはできません。成長や変化を望むときには、自分を守っている殻が妨げとなってしまうことがあるのです。

なぜ自分の殻を破りたいと思う?

殻が自分を守っていた環境や行動のパターンだとしたら、「自分の殻を破る」とはこれまでとらわれていた枠からはみ出すこと。既存の価値観にどっぷり浸かった「いつもの自分」にとって、そのぬるま湯から飛び出すには思い切りや勇気が必要ですし、失敗や傷つくリスクもあるでしょう。それでもなぜ人は自分の殻を破りたいと思うのでしょうか?

現状に物足りなさを感じているから

人は変化を求める生き物です。日々の生活が淡々として成長の実感が得られないと、だんだんと物足りなくなってきます。最初は必死に取り組んでいた仕事も長く続ければ慣れるもの。すると、今まで通りの作業が突然つまらなく感じられて、「このまま続けていていいのだろうか」「違う環境で自分の力を試したい」と考え始めるようになります。

周囲と比較して焦りを感じるから

友達や同僚などの身近な人が新しいことに果敢にチャレンジする姿を間近にすると、なんだか自分だけが取り残されたような気持ちになります。そこで生まれた「自分も何かを変えなければ」とか「ライバルに後(おく)れを取っているかもしれない」という焦りや劣等感は強い動機につながります。

本当の自分を出したいという欲求

その場の空気をついつい読んでしまう、配偶者や同僚に気をつかって本当に思っていることが言えないなど、周りに合わせてばかりいると気疲れします。本人はうまくバランスを取っているつもりでも、本音も言えないような環境では、知らず知らずのうちにストレスを抱えているはずです。何かのきっかけで「もっと本当の自分でいたい」「自分の気持ちを表現したい」とこれまで抑えていた感情を解放したくなるのです。

新しいことに挑戦したいと感じたとき

進学や転職、資格試験の勉強など新しいことに挑戦しようとするとき、これまで慣れ親しんだ安全な環境からいったん飛び出す必要があります。もともとは人見知りで消極的な性格であったとしても、年齢が上がって人前で話す機会が増えるなど、経験値や世代によって求められることは変わっていきます。苦手なことを敬遠するのではなく、ときには果敢にチャレンジする積極性が求められます。

内面の成長を実感したいから

毎日ただルーティンを続けているような状況では内面の成長が感じられず、同じところをグルグルと回り続けているように感じられるでしょう。実際は少しずつ成長しているにも関わらず、停滞感が拭えない状態を経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
スポーツや勉強などで自分の限界を超えるまで努力をすると、目標が達成されてもされなくても「自分はこれだけやった」という体験が残り、自信につながります。人は自分自身の成長を感じたときに満足感や「自分ならできる」という自己効力感を得るのです。

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自分の殻を破りたいのに破れない人とは?

ここからは自分の殻を破れない人の特徴について、臨床心理士の玉井仁さんの著書『私、合ってますよね?』の内容から一部抜粋してお伝えします。

完璧主義で失敗を極度に恐れている人

完璧主義な人は「100点でなければやる意味がない」と考えがちですが、最初から完璧にできる人などどこにもいません。ある分野でプロレベルに到達するためには1万時間の練習が必要であるという「1万時間の法則」という考え方もあるように、始める前から失敗を恐れるのではなく継続することが何よりも大切です。物事を正しい/間違っているの二元論で分けようとする人にも同じ傾向があります。玉井さんは著書で正解という言葉について、このように解説しています。

「自分はこうだ」というアイデンティティを獲得するということは、「正解を見出す」ことではありません。運動が得意な人がいれば勉強が得意な人もいて、人によって正解は異なります。好きなものや得意なものも違うのです。「自分なりに何をしていこうか?」とか「このような人たちと付き合いたい」だとか、それぞれのやり方で社会との付き合い方を見出していくのです。

出典:私、合ってますよね?しちゃう、できない、やめられないの正体

自分に自信が持てない人

「どうせ自分には無理」「やっても失敗するに決まっている」といった自虐的な思考パターンにとらわれている人は、殻を破るどころか、弱い自分を守ろうと殻をさらに強固にしようと頑張っている状態です。自信が持てないせいで新しいことに挑戦する自分の姿や成功のイメージが描けず、最初の一歩さえ踏み出せないのです。

過去の経験にとらわれている人

自分の殻を破ろうとするとき、これまで築き上げてきた経験や価値観が根底から否定されることも少なくありません。人によっては「以前はこの方法でうまくやってきたのに」という思いにとらわれ、過去の成功体験が枷(かせ)となることもあるでしょう。一方、かつて新しいことに挑戦しようとして失敗した経験がブレーキとなることもあります。

周囲の目を気にしすぎる人

前述の本には、自分を模索中の20代の大学生が登場します。スマホで検索ばかりしている彼はカフェのマスターに「みんなと違いすぎるって、なんか不安になりませんか?」と問いかけます。
他人にどう見られているかを意識しすぎていると、物事の基準を自分ではなく他人に置くようになります。周りと違うことをする自分について「グループから浮いてしまうかも」とか「誰かから馬鹿にされるのでないか」という不安も生まれるでしょう。自分の殻を破るためには今現在所属している集団とは異なる価値観やルールに触れ、今とは違う行動や考え方をする必要があります。

変化よりも安定を求めすぎている人

「今のままで十分幸せだから」「身の丈に合ったことをしよう」という言葉は与えられた現状に満足して多くを求めず謙虚な態度のようですが、もしかしてそれは快適な環境や見知った人間関係を手放す勇気がないだけかもしれません。
実は私たちが「ずっと変わらない味」と感じている身近な定番商品ほど、メーカー側が毎年小さなマイナーチェンジを重ねているものです。定番とは「変わらない」から人気なのでなく、絶えず時代に合わせて変化しているからこそ長くロングセラーであり続けているとも言えます。

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自分の殻を破る方法とは?

それでは、自分の殻を破る方法についても考えてみましょう。

小さなチャレンジから始める

いきなり大きな挑戦をするのはハードルが高いもの。たとえばもっと「いつもと違うテイストの服を着る」とか「行ったことのない場所に出かける」など普段の自分ならやらないような行動から始めるのはいかがでしょうか。いつも人から誘ってもらうタイプの人であれば「自分から誘ってみる」だけでも大きな変化です。
最初は違和感があるかもしれませんが、やっているうちに徐々に“変化慣れ”した自分に気づくでしょう。これを何度も繰り返すことで硬い殻に徐々にヒビが入っていきます。

自分の価値観を言語化する

自分はどんなことを考えているのか、いったい何を一番大切にしているのか。突然問われたところで、すぐに答えられる人はそれほど多くありません。何も考えてないわけではなくても、思考をすぐに言語化するにはちょっとしたコツや慣れが必要だからです。
ふとしたときに思い浮かんだ思考をそのままにせず、きちんと言葉に置き換える習慣を続けていると、モヤモヤした霧が晴れるように頭の中がすっきりします。読書や映画で感じたことや、アートや音楽に触れることで生まれた感覚を具体的な言葉に落とし込み、その感想を誰かに伝えてみましょう。直接話す相手が見つからない場合はSNSへの投稿やレビューサイトの口コミでも構いません。あとから言語化をする前提で物を見る習慣が身に付くと、徐々に自分の中の語彙が増えて、自信を持って自己主張できるようになります。

信頼できる人と本音で話す

ひと月に1回くらいは、友人や家族などの親しい相手と本音で話す機会を持ちましょう。自分の内面をさらけ出すのは勇気がいりますが、それは相手にとっても同じこと。弱い部分や苦手なことを明かされると相手と親しくなったように感じられますし、会話の中で自分では気づけなかった本音が浮き彫りになることもあるでしょう。人と話すとときに大切なのは相手と同じことではありません。人間は「それぞれが違う」からこそ一緒にいる意味があるのです。

学童期までは、どちらかというと「人と同じ」という側面が強調される傾向にありましたが、青年期以降になると個人の違いに対する自覚が高まります。違いを感じるがゆえに他者に対して配慮をする姿勢を保持することは大切ですが、それは「自分はこう考える、こう感じる」といった主張をしながらもできることです。
「同じだから仲間だ」という意識から、少しずつ「違うからこそお互いに助け合い、学び合える」という意識へと進めるのです。お互いの違いを率直に認め合えたことで対話が生まれ、関係が深まっていくこともあります。

前掲書

成功よりも経験を優先する思考に切り替える

目に見える成功ばかりにこだわると、そこに至るまでのプロセスではなく「失敗しないこと」に重きを置くようになります。そんなことを考えていたらいつまで経っても動けません。座った状態から立ち上がり動き出すまでは大きなエネルギーが必要ですが、一度始めてしまえばあとは積み重ねていくだけ。結果よりも「やってみることに意味がある」と経験を優先する思考に切り替えることで、自分の殻を破るための最初の一歩が踏み出しやすくなります。

環境を変えてみる

周囲を取りまく人間関係や身に付いた生活習慣が、知らず知らずのうちに自分の殻を厚くしている場合があります。前出の玉井さんは、就職などで自分自身が所属する集団や場所(会社)を選ぶのは「自分の社会的な立ち位置を示すことでもある」と伝えています。

就職してからも「本当にここで働き続けていいのかな」と迷い、転職や大学に戻るなど、進路や選択を修正することを考える人もいます。(~中略~)まだ「ここだ」と決め切れないからこそ、別の選択肢を考えてみたい、その会社に賭けきれないという場合もあるでしょう。ただ、ずっと自分を“引いて見ている”わけにもいきません。より良い選択を探そうと検索し続ける気持ちが理解できますが、いつか「あなたはどうしたいの?」と問われることになります。

前掲書

「自分の殻を破る」と聞くと自分自身が変化する必要があるように思えますが、もっとも効果的で手っ取り早い解決策は環境を変えることです。「何か始めないと」と気持ちが急いているときよりも、新しい場所に身を置き無我夢中で何かに取り組んでいるときの方が、自然と次のステージに進めるものです。

まとめ

自分を守ってくれる一方で、成長の妨げにもなる思い込みや「自分の殻」について考えてきました。誰にとっても変化は怖いものですが、物事がすごいスピードで変化する現代社会においては老いも若きも「変わらないこと」の方がリスクです。過去の自分や既存の価値観に固執するのではなく、そのときどきの自分と向き合いながら臨機応変に行動した先に、自分らしくより良い人生が待っているのではないでしょうか。

ニューモラル出版

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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