2024年11月22日
「最近、モチベーションが上がらなくて……」
「どうしてモチベーションが続かないんだろう?」
そう感じることはありませんか?モチベーションは、仕事や生活の充実度を決める大切な力です。
この記事では、モチベーションの意味や、モチベーションが下がってしまう原因、高めるための方法について詳しく解説します。
モチベーションとは「行動するための力」であり、目標達成や行動を促すのに必要な心のエネルギーや意欲のことを指します。
モチベーションが低いと、目標があっても前に進むことができず、途中で諦めてしまうこともあるでしょう。仕事や学業、日常生活において、モチベーションは行動の原動力となり、意欲を持って取り組むための重要な要素です。
モチベーションには、主に「内発的動機」と「外発的動機」の2種類があります。それぞれの特徴を理解することで、モチベーションを高めるヒントが見つかるかもしれません。
内発的動機とは、自分の内面らから湧き上がる「やりたい」「楽しみたい」という気持ちによって生じる動機です。
例えば、自己啓発や資格、スキルを得るために頑張るといったケースがこれにあたります。内発的な動機は自分の気持ちが源になっているため、モチベーションが長く続き、行動したことによる達成感も得やすいという特徴があります。
外発的動機とは、周囲からの評価、期待などによって生まれる動機です。
例えば、昇進のために頑張る、ボーナスがもらえるから仕事に打ち込むといったケースが外発的動機に当たります。目標が具体的なため、短期的にはエネルギーが高まりますが、報酬が得られなくなるとモチベーションが下がりやすいという一面もあります。
モチベーションは、仕事や日常生活に大きな影響を与えます。ここでは、モチベーションが上がると仕事にどのような好影響があるのかを見てみましょう。
モチベーションが上がると、仕事の効率や生産性も上がります。やる気があるときは集中力も上がり、ミスも少ないと感じることはありませんか?結果として、同じ時間でより多くの仕事がこなせるようになります。
モチベーションの高さと新しいアイデアの生まれやすさも大きく関係します。
例えば、仕事で問題が起きたときに、モチベーションの低い人はイヤイヤ取り組むので、場当たり的な対処で済ませたり、対応が緩慢になったりしがち。一方、モチベーションの高い人は「この問題を解決する最善の方法は?」と、前向きに取り組むので、より創造的な解決策へとたどり着けます。これは、特にクリエイティブな仕事においては大切な要素でしょう。
積極的に仕事に取り組み、自分の仕事だけではなく、チームの目標達成にも力を尽くしてくれる貢献度の高いが1人いるだけで、チーム全体がイキイキと活気づくのを感じることはありませんか。モチベーションがあると、自分だけでなく所属するチームや会社全体に対して貢献する意欲が高まります。
モチベーションが高い人は、困難があっても心が折れることなく、目標達成に向けて強い意欲を持って、一歩一歩努力を積み重ねることができます。目の前の壁に試行錯誤しながらも立ち向かい乗り越えていき、振り返ってみるとしっかり結果が出ています。
仕事が楽しくない、職場にいること自体がイヤだといった理由、つまり仕事に対するモチベーションの低さから離職を考える人が増えてしまいます。
一方、高いモチベーションは、仕事への満足感につながり、その満足感がベースとなって組織やチームに長く貢献しようという意欲も高まり、離職率を下げる要因となります。
モチベーションは心のエネルギーですから、心理的な側面からのアプローチとコントロール方法を知っておくと役に立ちます。ここではモチベーションについて代表的な心理学の理論をご紹介しましょう。
アメリカの心理学者のマズローは、人間が抱く欲求を5つの段階に分けました。
下から順に「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」があります。欲求が満たされることで、より高いレベルの欲求に向かうモチベーションが生じるとされ、そのモチベーションは最終的に5段階目の自己実現に向かいます。
アメリカの心理・経営学者のマクレガーは、人間の働き方に関する動機づけをXとYという対立的な理論で説明しています。
X理論では、人間は基本的に仕事を嫌いで、行動には強制が必要とされます。対照的にY理論では、人間は本来働くことが好きで、主体的に努力する性質を持つとされ、モチベーションを上げるには、Y理論に注目して、自己成長の機会を提供することが効果的だと考えられます。
アメリカの臨床心理学者のハーズバーグは、人の仕事に対する欲求を「衛生要因」と「動機づけ要因」の2つに整理した二要因理論を提唱しました。
「衛生要因」とは給与や人間関係に関するもの、「動機づけ要因」とは成長実感や達成感などに関するものです。このうち、衛生要因は整備されていないと不満がでますが、整えたからといって満足につながるわけでもありません。一方、動機づけ要因は「達成すること」「承認されること」「責任」「昇進・向上」といった、仕事の満足度に関わる要素です。「ないからといってすぐに不満が出るものではない」ものの「あればあるほどモチベーションが上がる」要素です。
2つの要因はどちらか一方だけを満たせばいいということではなく、衛生要因における問題を解決した上で、動機づけ要因を満たす必要があります。
アメリカの心理学者のマクレランドは欲求理論を提唱しました。
これは、人の行動は「達成欲求」「権力欲求」「親和欲求」「回避欲求」の4つのうち、いずれかがモチベーションになっているとする理論です。欲求が強い人は目標達成のために努力し、権利欲求が強い人は他者への影響力を持つために努力し、親和欲求が強い人は他者とのいい関係を築くために努力し、回避欲求が強い人は失敗しないために努力するというように。
自分の欲求のタイプを理解することで、モチベーションをより効果的に高めることができます。
期待理論は、なんらかの行動によって魅力的な報酬が得られるという「期待」を高める環境を整えることが、モチベーションも上がりやすくなるという理論です。
大きな報酬が得られそうだという「期待」が高いほど、努力の量が増え、その結果、期待した報酬が得られることでさらにモチベーションは高まり、より大きな努力へつながります。
目標設定理論は、具体的で頑張れば達成できそうな目標を設定することが、モチベーションの向上につながるという理論です。
目標が明確であればあるほど、そこに向かうモチベーションが高まり、努力する量も達成したときの満足感も大きくなります。
ここからは、モチベーションが高い人に共通する4つの特徴をご紹介します。
「自分をもっと成長させたい」という意識も高く、常に新しいスキルを学び、挑戦的に仕事へ取り組んでいます。
ソニー創業者の井深大は「仕事の報酬は仕事」と言いましたが、意欲を高くいい仕事を続けていると、周りから自然に面白い仕事が舞い込んでくるもの。結果、モチベーションを高く持ち続けることができるという側面もあります。
前向きな考え方を持っているのも、モチベーションが高い人の特徴です。
自分にとって意義ある目標を設定し努力しているので、失敗もポジティブに捉え、「次はうまくやろう」と前を向く姿勢がモチベーションを持続させます。
自分事として問題を解決しようとする意識が高く、自分がやるべきことに誠実に向き合います。任された仕事に対して責任を持ち、途中で諦めることなく最後までやり遂げようとする力があります。
モチベーションの高い人は、目標が具体的かつ明確なため、時間管理やタスク管理にも長けています。途中の進捗を確認しながら、必要があれば調整する能力もあるのが特徴です。
モチベーションが高い人には共通する考え方や姿勢、行動があるように、モチベーションが低い人にもいくつかの特徴があります。
今、モチベーション高く仕事に取り組めている人も、何かのきっかけで急にやる気が出なくなることはあり得ます。高い人はずっと高く、低い人はずっと低いままというわけではないようです。
ここでは、モチベーションが低い人に見られる行動や考え方を見ていきましょう。
モチベーションが低い人は、具体的な目標がないことが多いです。自分は何のために、何をめざして頑張っているのかあいまいなため、行動への意欲が湧きにくくなります。
自己評価の低さは、モチベーションの低さにつながります。自分に自信が持てないため、何をやるにも「どうせ自分なんて」とネガティブに考えてしまい、新しい挑戦を避けがちです。そうした姿勢が、モチベーションをさらに低下させてしまい悪循環に陥ります。
自分から主体的に問題を解決する意欲に乏しいため、「誰かが決めてくれたら動く」という指示待ちの姿勢になることが多いです。他人に頼りがちで、自分のペースで物事を進めることができないため、達成感も得にくく、モチベーションが低くなる原因に。
他人からの指摘やフィードバック、アドバイスを素直に受け入れられません。自分を変えていくことに消極的なため、従来の考え方、やり方にとどまりたい思いが先に立ち、周囲からのフィードバックに学ぼうという姿勢が不足しています。当然、自己改善のためのフィードバックを受け入れないと、成長にはつながらず、モチベーションも低くなります。
モチベーションが低い人は、物事をネガティブに捉えがちです。過度に失敗を恐れたり、最悪の結果を想像したりして、行動にブレーキをかけてしまうため、モチベーションが低下しやすいようです。
それまでモチベーションが高くイキイキと働けていた人が、ある日を境にそうでなくなったとしたら、そこには何らかの原因があるはずです。原因が分かれば、解決策も見つけやすくなるもの。原因をしっかり見定めないまま、やみくもに解決を急ごうとしても、いい結果にはつながりません。実際は、いくつかの原因が複合している場合も多く、何がモチベーションの低下に影響しているのか、考えるところから始めてみましょう。
受け止めきれないほどのストレスが継続的にふりかかると、心と体が消耗し、モチベーションが低くなります。ストレスがゼロになることは理想ですが、現実的には難しく、どうやって軽くするかが課題です。
努力しても成果が見えなかったり、達成感が得られなかったりすると、モチベーション低下の原因となります。目標が不明確なためどこがゴールか分からなかったり、期待した見返りが得られなかったりする場合も、達成感に影響がでます。
努力をしているのに、周囲からの評価もなく、認められている実感もなければ「頑張っても意味がない」と感じ、モチベーションが低下の原因となります。周囲の人からのフィードバックも大切です。
同じことを繰り返す単調な作業は、飽きやすく、疲れやすくもなり、やる気が続かなくなる傾向があります。手順やペースがずっと同じで、変化にとぼしい作業がこれにあたります。
職場が暑すぎたり、寒すぎたり、騒音がひどい、休憩がとりづらいなど物理的な環境が劣悪な場合、またパワハラが蔓延している、陰口がよく耳に入るといった精神的な環境が整っていない場合もモチベーションが低下する原因になります。心地よい環境で働けるよう、改善策を見つけることが必要です。
原因が分かったところで、モチベーションを上げるために日々の生活や仕事に取り入れやすい方法を紹介します。
「何のために頑張る」という明確な目標があると、それがモチベーションの源になります。 例えば「週末までにプロジェクトのタスクを完了させる」「英語を毎日30分勉強する」といった具体的な目標を立てましょう。
具体的な目標を立てることで、やる気が引き出されます。コツは、小さな目標から始めること。クリアしやすい目標を設定し、達成感を味わうことでモチベーションが上がりやすくなります。
ミスや失敗は誰でも避けたいところですが、大切なのは受け止め方。「今日は失敗したけど、次はうまくいく」とポジティブに考える習慣をつけると、モチベーションが下がりにくくなります。また、心の切り替えが上手になることで、感情に振り回されることも少なくなり、意欲が湧きやすくなります。
心と体の疲れが溜まると、やる気を出そうにも出にくくなります。毎日十分な睡眠をとること、気分転換となるリフレッシュの時間を定期的に取るなど、充実した休息を日々の生活の中で意識しましょう。
小さな目標を設定することとあわせて、「今日は予定通りに進めたね!」など、積極的に自分を褒めるようにしましょう。成果が出るたびに、自分を評価し、褒めることで自己肯定感が高まり、モチベーションも上がります。
新しい趣味に挑戦したり、仕事で必要なスキルを身につけたりすることで、成長実感が得られ、自信がつき、日々のモチベーションが上がります。
モチベーションを一時的に上げるだけでなく、高いレベルで持続できるような取り組みも必要です。モチベーションを高く・長く維持するためのコツを紹介します。
目標を立てたら、定期的に見直しましょう。設定した目標と実際の進捗にズレはないか、取り組んでみた結果、修正したほうがよい点はないかを見直します。着実に目標へ近づいていることが確認できてモチベーションが継続しやすくなるでしょう。
進捗を記録することで、達成感を感じやすくなります。同僚やチームメイトと協力し合うことで、うまくサポートを受けながら、モチベーションを保ちましょう。
目標を達成したときは「自分へのご褒美」を用意しておくと、次の目標へ向かうモチベーションが維持できます。ご褒美といってもお金やモノに限らず、たとえば、「目標達成したら、好きなスイーツバイキングに行く」のように、自分の気持ちが上がる体験を設定しましょう。楽しみを持って取り組めます。
気持ちとは目に見えないものではありますが、今の自分のモチベーションがどのくらい高いかを知るためには、測定方法を活用するのもよいでしょう。
ここでは、自分のモチベーションを測定するポピュラーな方法を2つ紹介します。
モチベーションサーベイは、質問に答えることで自分のモチベーションレベルを測る方法です。質問票を用いて、仕事への満足度や意欲、ストレス要因などを評価することで、自分やチーム全体のモチベーションの現状を客観的に把握できます。
モチベーショングラフは、日々のモチベーションの高低をグラフにする方法です。1日ごとにモチベーションをグラフに記載していき、波がある場合はその理由を見つけることができます。原因の特定や対策に役立ちます。
モチベーションは、状況や環境の変化、体調や感情の波に左右されやすく、放っておくと自然に低下してしまうものです。高いモチベーションを維持するためには、適切なモチベーションマネジメントが欠かせません。ここでは具体的な方法をご紹介します。
自分の目標を明確に設定し、それをチームメンバーなど周囲の人に共有することで、協力やアドバイスを得やすくなります。その目標は、計測できて、達成可能であり、具体的なものであることが重要です。
目標に向かう途中で、定期的なフィードバックを受けることをおすすめします。上司や同僚からのフィードバックを得ることで、自分の進捗状況を確認し、改善点が見つけやすくなります。また、努力を評価されることで、モチベーションが促進されます。
目標を達成した際には、しっかりと評価し、自分にご褒美を与えましょう。チームで取り組む場合も同様です。成果を認めることで、次の目標にも意欲を持って取り組むことができます。
この場合、必ずしも数値目標に限らなくてもいいので何をもって達成とするか、どのようなご褒美が得られるのかを明確にしておきましょう。
モチベーションを維持するためには、スキルアップのチャンスを活かすことも重要です。定期的に研修やトレーニングを受けるなど、自己成長を感じられる環境を整えましょう。
周囲との信頼できる関係づくりによっても、やる気を持続しやすくなります。安心して意見を出し合うことができ、失敗もフォローし合えるような関係が築けると、自分だけでなくチーム全体のモチベーションが高まります。
モチベーションは、目標を持ち続け、イキイキと生きるだめの原動力です。そのエネルギーを生み出し続けるためには、自分に合った目標を設定し、小さな実践で小さな成功を積み重ねながら、成長していくことが大切です。モチベーションを維持しながら目標に向かって進むことで、自分自身の変化や成長を実感できることでしょう。
\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
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