優しい子に育つ親の特徴とは?育て方次第で変わってくる?

ECブログ

「ありがとうって言えたね」
「お友達におもちゃを貸してあげられたね」
わが子が幼いときは、そんな些細な優しいやり取りが嬉しくてあんなに褒めていたのに、いつの間にかわが子のダメなところがたくさん見えるようになってしまった自分。優しい子に育ってほしくて、つい「ちゃんと謝りなさい」「どうしてそんなことばかりするの」と余裕のない声を出してしまう自分を振り返り、一人反省会をしたことがあるという方も多いのでは?
優しく思いやりのある子に育ってほしいというのは、多くの親に共通する願いです。しかし、そもそも優しい子とは一体どのような子を指すのでしょうか。わが子の優しさを育むために、親としてどのようにかかわるのがよいのでしょうか。

* この記事の要点 *
・子供の優しさは生まれ持った気質だけでなく、親の関わりで育てることができる。
・思いやりのある声かけや「ありがとう」を伝えることで子供の優しい心は育つ。
・叱らなければいけない場面でも、心の中では子供を大切に思う気持ちを忘れないこと。
目次△▼△

そもそも優しい子とはどんな子?

「優しい子」というと、おとなしくて親の言うことをよく聞く子、あるいは自己主張は控えめで周りの空気を読める子をイメージするかもしれません。しかし、本当の意味で優しい子は、自分の気持ちを抑えて周りに同調しているだけではありません。

相手の気持ちを考えられる子

優しい子とは、自分のことだけでなく相手の気持ちにも目を向けられる子のことです。
公園で遊んでいるときに友達が転んでしまったら、自分の遊びをやめて「大丈夫?」と駆け寄ったり、教室で困っている子に自然と声をかけたりすることができます。また、相手の傷つくことを言わずに我慢できるのも優しい心の持ち主です。
大人に比べてまだまだ自分の正義や快・不快だけで判断してしまうことの多い子供は、ときに気持ちのまま相手が傷つくような言葉を言ってしまったり、自分のやりたいことを優先してしまったりすることがあります。
優しい子は、自分だけの世界を一歩出て、自分はよくても相手はどうだろうという想像力を働かせることができるのです。

困っている人を助けようとする子

優しい子は、誰かが泣いていたり困っていたりすると見て見ぬ振りができず、助けずにはいられません。ただ「かわいそう」と心の中で思うだけでなく、そう思った瞬間には行動に移っているタイプです。困っている人を前にしたとき、自分が持っている小さな力でも何とかしてあげたいという温かい気持ちが、自然と手や体を動かしているのでしょう。

自分と違う相手も受け入れられる子

一人ひとり性格や考え方、好きなものが違うのは大人も子供も変わりません。優しい子は、自分と違う相手に対して壁を作らず接することができます。
友達とのやり取りの中でよくあることですが、「私はこれが好きだから、それ以外はかわいくない」と、自分とは違う価値観を否定してしまうことがあります。自分の好き・嫌いが物事の判断基準で、違いを受け止められないのです。
優しい子は自分の好きも大切にしながら、相手のことも受け止めてみよう、違いがある中でもどうにか折り合いをつけようと努力します。

感情を穏やかに表現できる子

腹が立つことや理不尽に感じることは子供にだってあります。そんなとき優しい子は、怒りや不満で我を見失って感情的になることはなく、その気持ちをどうにか落ち着いて伝えようと努力します。イライラを相手にそのままぶつけると相手を傷つけてしまうこと、そして自分自身も嫌な気持ちになることを知っているのです。子供ですから完璧に感情をコントロールできないこともありますが、自分の心と上手に向き合おうとしています。

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優しい子は生まれつき?それとも育て方で変わる?

大人顔負けの優しさをみせる子もいれば、やんちゃで優しさとは無縁のように感じる性格の子もいます。
確かに子供は一人ひとり違う個性を持って生まれてきます。他人の感情に対して敏感で、幼い頃から人の痛みに寄り添うのが得意な子もいれば、元気いっぱいで衝動性が高く、周りの状況に気づくのが少しゆっくりなタイプの子もいます。
生まれ持った気質によって穏やかさや感受性に差はあります。しかし、最近の脳科学や心理学の研究では、優しさや思いやりは生まれつきだけで決まるものではないと考えられています。
最近の研究では、脳は大人になってからも経験や習慣によって変化することが分かってきました(神経可塑性)。さらに、大人になっても感謝や共感、小さな親切を重ねることで、共感や思いやりにかかわる脳の働きが育つことが分かっています。つまり、優しい心は何歳からでも育てることができるのです。
しかし、周りの大人が攻撃的な言葉ばかり使っていたり、自分さえよければいいという態度で過ごしていたりしたら子供は人を思いやる方法を学べません。そこで、子供の優しい気持ちを育てるためには、子供にとって一番身近な大人、つまり親のあり方がとても重要になります。子供は家庭で毎日触れる言葉や態度に学び、親がどのように他者と関わっているかをよく見て真似します。
優しさはいつからでも伸ばすことはできる、ただし勝手に育つものではないと覚えておきましょう。

優しい子の親の特徴とは?優しい子に育てるためにはどうするべき?

では、子供の優しさを引き出して育てていくためには、親はどのようなことを心がければよいのでしょうか。ここでは優しいといわれる子の親が、普段子供とどのように接しているのかをみていきます。

親自身が思いやりある行動を見せている

子供は親が自分にかける言葉だけでなく、親が日々どのように行動しているかをよく見ています。家族やスーパーの店員さん、近所の人へどう接しているでしょうか。
毎日の生活に精いっぱいで、周りの人に優しくしている余裕なんてないかもしれませんが、優しい子の親も毎日大きな犠牲を払って思いやりを形にしているわけではありません。日常のささやかな振る舞いの中にこそ、思いやりの本質は隠れています。
人間力を高める小さな実践を紹介している『もっと人間力を高めたくなったら読む本』に、次のようなヒントが載っています。

相手の幸せを願って向けた笑顔は、「直接的に相手の役に立つことをする」というわけではなくても、相手の心に温かい思いを届けてくれることでしょう。これもまた、相手に喜びをもたらす「贈り物」といえます。そのとき、自分自身の心の中にも穏やかで温かい気持ちが広がっていくことに気づくのではないでしょうか。

(「ニューモラル」仕事と生き方研究会編『もっと人間力を高めたくなったら読む本』モラロジー道徳教育財団刊)

口で「人に優しくしなさい」と100回教えるよりも、親が率先して温かい笑顔や小さな思いやりを周囲に届けていること。その姿が子供にとって一番の教育となります。

子供の気持ちをしっかり受け止めている

「気持ちをしっかり受け止める」とは、わがままを何でも許すことではありません。まずは子供のやることや言うことを親が「それは間違い、これが正解」とジャッジせず、そのまま聴くことです。
例えば、子供が学校から不機嫌そうに帰ってきたら、親としてはつい「そんな態度をとらないの」「あなたが何か悪いことをしたんじゃないの?」と言いたくなるかもしれません。
優しい子の親はそこをグッとこらえて、「何か嫌なことがあったんだね」「それは嫌だったね」と、まずは子供の「嫌だった」「悔しい」「悲しい」という感情そのものを否定せずに聴くことが上手です。親の基準で子供の気持ちを評価せず、ただ耳を傾ける姿勢が子供の気持ちを受け止めるということです。
親に気持ちを分かってもらえているという安心感は、子供にとって心のゆとりになります。自分のことで頭も心もいっぱいのとき人に優しくするのは難しいもの。心の中にゆとりがあるからこそ、周りの人にも優しくできるのです。

相手の気持ちを考える声かけをしている

友達とやった・やらないでの言い争いやきょうだいげんかなど人間関係のトラブルは日常茶飯事です。
そんなとき優しい子の親は、頭ごなしに「そんなこと言わないの!」「謝りなさい!」と指示をするのではなく、少し落ち着いてから相手の気持ちを一緒に考える声かけをしています。子供の共感力を伸ばすことが上手なのです。
「あなたはどんな気持ちだった?じゃあ〇〇ちゃんはどんな気持ちだったかな?」
「あなたにも言い分があるよね。もし自分が同じことを言われたら、どう思う?」
こうした問いかけを繰り返すことで、子供は自分の行動で相手がどんな気持ちになっているかを想像する力を身につけていきます。

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優しい行動を具体的にほめている

優しい子の親は、子供がとった優しい行動を見逃さず、具体的にしっかりと褒めています。
その際、ただ「えらいね」「いい子だね」とざっくり褒めるのではなく、「自分も遊びたいのに我慢して弟におもちゃを譲ってくれたから、弟がすごく嬉しそうだったね」「靴を揃えてくれたから、玄関がきれいになって家族みんなが気持ちいいね、ありがとう」というように、子供の行動が誰にどのような良い影響を与えたのかを言葉にして伝えます。具体的に伝えることで、良い行動が本人にもはっきりとわかりやすく伝わるのです。
自分のしたことで誰かが喜んでくれたという実感は、「また次もやりたい」という意欲に変わり、やがて優しさが習慣として定着していきます。

叱る時も人格否定をしない

子育てをしていると、どうしても厳しく叱らなければならない場面はあります。命に危険があるときや品のない行動をしたとき、親は毅然とした態度で向き合わなければいけません。しかし、優しい子の親はただ感情的に怒るのではなく、そこに子供を思いやる気持ちを忘れません。

他人の失敗や欠点を正そうとするときの私たちの心には、往々にして自分は正しくて相手は間違っているという考えが潜んでいる点にも注意が必要です。正義感で相手を打とうとするのではなく、相手の幸せを祈る思いやりの心を持って謙虚に伝えてこそ、相手の心も開かれていくのです。

(前掲書)

「だからあなたはダメなのよ」「悪い子だね」といった言葉は、子供の人格そのものを否定してしまいます。叱るときは「〇〇をしたのはいけないことだよ」と、あくまでやってしまった行動に焦点を当てて伝えるようにしましょう。

家庭内で感謝を伝え合っている

家庭は子供が最初に出会う小さな社会です。その社会の中で「ありがとう」が日常的に飛び交っていることが子供の優しさを育てる重要な鍵になります。
近年の心理学や発達に関する研究でも、家庭の中で感謝の言葉を多くかけられている子供ほど、友達におもちゃを譲ったり、困っている人を助けたりする優しい行動を自発的にとりやすいことが分かっています。「ありがとう」と言われることで、「自分は誰かの役に立っているんだ」という有用感や安心感が生まれ、それが他者への思いやりのある行動へとつながっているのでしょう。
夫婦の間でも家事や仕事、子供の世話などやってくれて当然と思わずに、わざわざ「ありがとう」と声に出して伝えること、子供が何かを手伝ってくれたときには、少しくらい失敗してもまずは感謝を伝えること。そうした感謝のキャッチボールが子供の優しい心を育てます。

多様な人との関わりを大切にしている

優しさや思いやりの形は、相手の立場や状況によっても変わります。大人もそうですが、自分と似た年齢や考え方の近い友達とだけ過ごしていると、どうしても視野が狭くなりがちです。
優しい子の親は、祖父母などの世代の違う高齢者、近所の人や地域の人など多様な人との関わりを持つ機会を大切にしています。高齢者にはゆっくり歩幅を合わせたり、赤ちゃんには静かに優しく触れたりするなど、さまざまな立場の人と接することで、世の中にはいろいろな人がいることを学び、相手に合わせた気配りを学んでいくのです。

まとめ

優しい子供を育てるためには、まず一番身近な大人が心にゆとりを持ち、思いやりを行動で示していくことが大切です。とはいえ、子育てに完璧な正解はありません。イライラしてきつい言葉を言ってしまった日は、素直に「ごめんね」と伝えれば、それもまた子供にとって「悪いと思ったら素直に謝る」というすばらしい学びになります。
「子育ては自分育て」ともいわれます。愛する子のために苦労することで子供が成長し、さらに親自身が一回りも二回りも成長できるチャンスだと受け止められるといいですね。

\ 監修者 /

富田裕之

公益財団法人モラロジー道徳教育財団コンテンツ開発局長として「心豊かな生き方・働き方」をテーマとしたコンテンツ制作に従事。「正しいのはわかっているけれど、現実では難しい」そんな日常の葛藤に寄り添い、毎日を少しずつアップデートする、温かくも本質的なヒントを届けている。中小企業診断士。キャリアコンサルタント。

富田裕之のプロフィールはこちら>>>

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\ 執筆者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ

ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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