視野が狭いとは?要因や視野を広げる方法を解説

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「あの人は視野が狭い」とネガティブな意味で他人を評することがありますが「視野が狭い」とは具体的にはどのような状態のことでしょうか。視野が狭くなりやすい人の特徴とその要因、視野を広げる方法について解説します。

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視野が狭いってどういうこと?

視野が狭いとは、物事や状況を多角的に捉えられず、自分の考えや経験に固執してしまう状態を指します。目先のことしか考えられないため、物事の全体像を把握するのが難しく、他者の意見を受け入れ、柔軟に対応できないのも特徴です。
自分の要求ばかりを主張して、他人の事情を配慮しようとしない(できない)ため、円滑なコミュニケーションや人間関係を築くことが難しく、トラブルの原因となることもあるでしょう。

視野が狭い人の特徴

まずは視野が狭い人の特徴について考えてみましょう。

自分の意見に固執しがち

視野が狭い人は自分の意見や価値観に固執して、他者の意見を聞かず「自分が正しい」と思い込みがちです。そのため意見の食い違いを、話し合いによって解決するのが難しいところがあります。
これは「自分は合っている」という意識にとらわれている状態です。人が無意識に身に付けてしまった考え方のクセや行動について、心理学の視点から解説した『私、合ってますよね?しちゃう、できない、やめられないの正体』(玉井仁著)の第1章「正しさから抜け出せない」から一部を引用してご紹介します。

「自分が『正しい』と思われること、『合っている』と思えることを人に伝えたところで、いつも相手から適切な評価がもらえるわけではありません。自分の取り組みは認められるはず、と思っているにもかかわらず、思ったほどに認められない状況は、がっかりしたり、いら立ったりするものです」

「正しさそのものも、時代と状況によって変化します。『自分が正しい』と考えているときには、自らを俯瞰して見る力が弱まりがちです。『正しい』と考えて物事を進めているとき、人の意見に耳を傾ける力が弱まるのは自然なことなのです」

出典:『私、合ってますよね?しちゃう、できない、やめられないの正体』

著者で臨床心理士の玉井仁さんは、「人は基本的に同時に複数の意識を向けることはできません」と伝えています。そういう意味でも、この本のタイトルである「私、合ってますよね?」という言葉に表れた「自分は正しい」という考えにとらわれた状態で、自分や人の気持ちに意識が向かないのは当然のことです。

他者の視点を考慮しない

自分中心の視点で物事を見て、他者の立場や意見を理解するのが苦手な傾向があります。何か問題が発生したとき、多くの場合はそこに至るまでにさまざまなことが複雑に絡み合っているものです。
そのような事情を想像することなく、物事を「勝ち/負け」や「正しい/間違っている」のような対立構造で考えることも、また視野の狭さの表れです。

新しいことに挑戦しない

視野が狭い人は環境の変化や新しい人間関係など、これまで経験したことのない“未知のもの”に対する恐れが強いため、新しいことへの挑戦を避けがちです。
現状を変えることへの不安が大きく、これまでの経験や常識に基づいて物事を判断しようとするため、その判断基準が定まらないと「うまくいくはずがない」と考えて尻込みしてしまうのです。このような姿勢では自分自身の可能性を広げるチャンスを逃してしまいます。

偏った情報源に頼りがち

ひとつの物事について考えるためには、さまざまな視点からの意見を取り入れ、それらを精査することが必要です。その作業を怠って一方的な言い分や情報だけに頼っていては偏った判断しかできません。
先述の玉井さんの言葉の通り“正しさそのもの”も時代と状況によって変化しますから、時流に合った新しい情報を取り入れるためにも、自分自身も適度なアップデートが必要になります。
インターネット上ではSNSなどのタイムラインに自分の興味がある分野の投稿だけがズラッと並ぶよう自動的にアルゴリズムを分析し、その人の趣向や価値観に合わせた情報のみが作為的に表示されます。それを知らず「目に入る情報だけが正しい」と思い込んでしまうのは危険です。

感情的な反応を示しやすい

批判や異なる意見を受けたとき、感情的になりやすいのも視野の狭い人の特徴です。自分の意見を否定されただけにも関わらず、まるで人格を攻撃されたように感じて自分を守ろうとしてしまうのです。
授業などで幼い頃からディベートの訓練をしている国の人々と比べて、日本人はよく「議論が苦手」と指摘されます。協調性を重視し「空気を読む」国民性が影響しているとも言われますが、本来、意見の賛否と人間性は異なるものです。

話し合いの中に好き嫌いなどの感情論を持ち込んでしまうと、それぞれの立場を保ちながら議論や対話を深めることは難しくなるでしょう。

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視野が狭くなってしまう要因

それでは視野が狭くなってしまう要因についても考えてみましょう。

経験の不足

もっとも大きな原因は経験不足でしょう。経験が少ないということは考え方のサンプルやモデルケースが少ないということでもあります。経験不足だと問題に直面した際に自分の少ない経験だけを参考に「AならばB」と少ない対処法しか思いつくことができません。実際はCやDなど解決策は無限にあったとしても、その存在に気づくことができないのです。

固定観念の影響

自分の中にある固定観念や思い込みが視野を狭める原因となることも少なくありません。前例に従うばかりで現状を顧みず「これさえやっていれば大丈夫」という姿勢や、「こうでなければならない」という集団からの同調圧力も、柔軟な発想の妨げとなる可能性があります。
幼少期から刷り込まれた固定観念や先入観も、その後の人生に大きく影響します。普段の生活で意識する機会はそれほど多くないかもしれませんが、私たちの思考や行動の選択肢を無意識のうちに狭めてしまうことがあります。

ストレスや疲労

ストレスや疲労がたまると心理的に余裕がなくなり、物事を一方的にしか見られなくなります。ストレスフルな環境に長く置かれると、心と身体が無意識に“危機”に直面したと考え、余計な情報を遮断することで目の前の脅威に集中しようとするのです。
この状態が長く続くと、判断力が弱まって冷静さを失い、極端な思考にとらわれやすくなりがちです。
「単純な因果関係」や「敵と味方」などの誰でも直感的に理解できるような関係性や説明が魅力的に映り、偏った情報に飛びついてしまいます。しかし、現実の世界は複雑で入り組んでいて、時代劇のようなシンプルな勧善懲悪のストーリーでは説明することはできません。

環境や人間関係の影響

周囲の環境や近しい人間関係が影響していることもあるでしょう。同じ価値観を持つ人に囲まれているのは安心感があり心地いいものですが、ときにはそこから飛び出す勇気も必要です。
アメリカの起業家ジム・ローンは「自分の周りの5人を平均すると自分になる」と伝えています。人は長く時間を共にする人間の影響を受けるという意味ですが、これが本当であれば、視野を広げるためには自らが行動することが必要なのは明らかですよね?

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視野を広げる方法

視野を広げるためにできることはあるのでしょうか。日常に取り入れたい習慣や考え方について紹介します。

多様な人々と交流する

異なるバックグラウンドや価値観を持つ人々と交流することで、多様な考え方と経験に触れられます。自分ひとりでは気づかなかった視点を学ぶことは、新しいアイデアや行動が生まれるきっかけにもなります。
自分と同じような出自や考え方の人と過ごしていると、あまり意識することはありませんが、一歩でもその世界の外に出ると「自分たちの当たり前は、すべての人にとっての当たり前ではない」ということに改めて気づかされます。

新しいことに挑戦する

今まで経験したことのない分野に興味を持ったり、新しい活動に参加してみるのもいい刺激になります。ある程度の年齢になると、自分の「得意なこと」「苦手なこと」がある程度は分かってくるため、いい意味でも悪い意味でも予定調和が増えてきます。
仕事においては、ある程度の計画性とそれに伴う成果が見えているのは悪いことではありませんが、ときには思い切って、どんな結果になるのかがまったく読めないような「新しいこと」に挑戦する気持ちも大切です。

自分の考えを見直す習慣をつける

日々の生活や仕事の中で、自分の考えや判断が偏っていないかを振り返る習慣を持つことも大切です。普段から「別の視点ではどうだろう?」と自分に問いかけることで、より広い視野で物事を考えることができるようになります。
また「相手の立場に立ったらどう見えるだろう?」と考える姿勢も大切です。昇進などで職場での立場が変わると、なぜか職位が下の相手に対して突然横暴になる人がいます。親子関係においても子供に対して支配的な態度をとる親がいます。かつては自分が部下であり子供であったことを忘れず、相手の立場に立って考える思いやりを忘れずにいたいものです。

定期的に旅行をする

国内でも海外でも、定期的に旅行をして日常生活から離れた場所を訪れるのも視野を広げるきっかけになります。よく知らない土地を訪れ、普段の生活では出会えない人々や文化と触れると、小さなきっかけから自分の所属する国や集団の価値観だけが唯一無二ではないことに気づかされます。
例えば、外食文化が盛んなタイでは朝食も外食することが多く、ドイツでは朝はフルーツやパン、ハムなどの調理の必要がないもので済ませる家庭が多いそうです。朝食ひとつとってもこれほどの違いがあるのですから、それぞれの国や文化で価値観がまったく異なるのは当たり前のことです。

本や映画で新しい世界を知る

読書や映画鑑賞も視野を広げる効果的な方法です。特に自分が普段触れることのないジャンルやテーマのコンテンツに触れることで、異なる文化への知見や新たな価値観を得ることができます。
ファンタジーやSF作品などは物語に入り込む集中力や想像力を刺激しますし、ノンフィクションやドキュメンタリーなどは「今この社会で起きていること」を考えるきっかけになるでしょう。読書でも映画でもお気に入りの作品がひとつ見つかると、作家の他の作品や同年代の作家への興味が湧くなど、ひとつの作品を拠点に世界が広がっていきます。

まとめ

古代ギリシャの哲学者ソクラテスは「無知の知」という言葉を残しました。自らの無知を自覚して「自分は知らないということを知っている」ことこそが大切と述べたのです。
家族や同僚など決まった人とだけ会い、職場と家を往復するようなシンプルな日常生活を営む上では視野が狭くてもそれほど困ることはないかもしれません。ただ、そんな毎日の中で目の前のことだけがすべてではないと“知る”だけでも、世界の見え方が少し変わってくるはずです。

ニューモラル出版

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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