「本当に誠実な人」の見分け方とは?言葉と行動ですぐにわかる

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企業の採用担当者が理想の新入社員について考えるとき、あるいは理想の結婚相手のイメージを思い描くとき。よくその条件として一番に挙げられるのが誠実さです。ビジネスや恋愛で求められる、誠実な人の特徴や見分け方について解説します。

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誠実さとは?

誠実さとは自分や他人に対して嘘やいつわりがなく、正直であることを大切にし、すべての物事に対して真摯に向き合う態度です。
誠実な人は真面目で実直であり、責任感が強い性格です。何事に対しても一貫した信念や価値観を持っており、困難な状況であっても自分を貫き通す芯の強さがあります。
自分自身の利得はいつも後回し。どのような立場の人に対してもニュートラルな姿勢で向き合い、相手によって態度を変えることはしません。

誠実と正直の違い

「誠実」と「正直」は似た意味を持つ言葉ですが、それぞれのニュアンスや使われる場面など、いくつかの違いがあります。
「正直」は自分の考えや気持ち、事実を隠さず、ありのままに伝えることを指します。率直で隠しごとのない状態です。
一方、「誠実」は他者に対して公平、公正であり、誠意をもって真心から行動すること。そして人との約束や自分の言葉に責任を持ち、それを果たそうとする真摯な態度です。相手を思いやる態度や配慮、お互いの信頼関係など“他者との関係”が強調されることが多く、人間関係やビジネスシーンで人の性質をあらわす際に使われます。

ビジネスにおける誠実な人

ビジネスにおいての誠実な人とは、会社としての信念や信頼をなによりも大切にし、誠意をもって業務に取り組む人のことです。どんなに困難な状況にあっても、一度決めた仕事は必ずやり遂げる“責任感の強い人”として社内外から重宝されます。
目に見える評価や自身の出世など、目の前にある自分の利益よりも他者との長期的な信頼関係に重きを置き、チームワークを大切にしながらコツコツと仕事を進めるタイプです。

恋愛における誠実な人

好みのタイプとしての誠実な人はさらに美化されます。恋人や配偶者に対して嘘がなく、普段から小さな約束も忘れず、付き合いが長くなった後も相手への尊敬と思いやりの気持ちを失わない――。ある意味ですべての人の“理想のイメージ”が投影されています。
さらに、誠実な人は目の前に魅力的な人があらわれても目移りすることなく、一度決めた相手のことだけを一途に思ってくれるというイメージもあります。
少し都合が良すぎる感は否めませんが、「付き合うなら誠実な人がいい」というタイプは、その言葉の裏に「刺激的な関係よりも安定した関係を築きたい」という気持ちが隠れているのかもしれません。

誠実な人の特徴

ここからは誠実な人が持つ4つの特徴についてみていきましょう。

1.他人を尊重し、意見を受け入れる

どのような状況でも思いやりを持ち、相手の立場に立って考える習慣が身についています。他者を尊重する姿勢を忘れず、時には自分よりも他人の都合を優先することもあるでしょう。
それでいて、人の意見を素直に受け入れる柔軟な器を持っています。異なる意見であっても相手の話をじっくりと聞こうとする誠実な態度は、立場が上の人にも下の人にも好感を持たれます。

2.責任感が強い

自らの言葉や行動に対して責任感を持っています。それは大きな契約上の取り決めでも小さな子供との約束でも変わりません。なにか問題が生じた場合もその場から逃げ出すことなくすぐに自らのミスを認め、気持ちを切り替えて問題解決に向けて行動します。
責任感は「やり遂げる力」にもつながっています。仕事でも進学でも、自分のひとつの選択が周りの人に影響を及ぼすと考え、一度始めたことを途中でやめずに最後までやり遂げようとするストイックな面があります。

3.隠しごとをしない

オープンマインドでありのままの事実を伝えることを信条にしています。隠しごとが苦手で人に嘘をついたり、思ってもいない言葉やお世辞を言ったりはしません。
また、「自分を大きくみせよう」という虚栄心が薄く、職場で後輩から求められれば率直なアドバイスをくれるので、後輩からは気さくな先輩として頼られるなど、リーダーとしての気質も持ち合わせています。

4.人との関係を大切にする

不正やえこひいきを嫌い、どのような人に対しても誠実な態度を心がけるので、職場の人間関係のみならず家族や地域の人々からも信頼される存在です。
熟年夫婦や古くからの知り合いなど、長い付き合いに安心してしまい、その関係に甘んじて無礼になる人がいますが、誠実な人に限ってそのような心配はないでしょう。

誠実な人の見分け方

その人が誠実か、誠実でないかを見分けたい時にやるべきことはひとつ。「言葉」と「行動」を見合わせる、ただそれだけです。
その場の雰囲気を良くするため、あるいは自分を大きくみせるために調子の良いことを言うのは難しくありません。大切なのはその後です。その人物が自らの発した言葉に責任をもって、実際に行動にうつしたか――。
ビジネスであれば、契約前に伝えられた数字などと現状を並べれば一目瞭然。目標値に届かないような場合はすぐに担当者がフォローに入るべきですが、それもないのなら、初めから長い関係を築く気はなく“やりっぱなしで問題ない”と考えているのでしょう。
恋愛においては、付き合う前の段階でそれぞれが自分を「より良くみせたい」と考えるのは当然のことです。多少の誇張に罪はありませんが、出会ってすぐの「○○しよう(してあげるよ)」などの約束が実際に守られたのか。どこかのタイミングで改めて振り返ってみると、相手が信用に値する人物かどうかがよくわかります。
言葉の通じない国へ一緒に旅行するなど、あえて困難な状況に身を置くことで人の本質が浮かび上がることもあります。アウェーな場所でも言葉と行動が一致しているか、同行者や現地で出会う人々への気づかいや敬意を失わないかを観察してみましょう。
ただ、あなたが誰かを観察するとき、その誰かもまたこちらを観察していることをお忘れなく……。

不誠実だと思われる特徴

誠実さが自制心やストイックさを必要とする一方で、不誠実になるのは簡単です。ただ、自分の利益や快楽だけを追い求めていればいいのですから。
事実をゆがめて伝えたり、約束をやぶったり、自らの過ちを認めず責任を人に押し付けたり……。これだけ聞くと「とんでもない奴だ」と思うかもしれませんが、子供に置き換えたら特に不自然ではありません。
子供は自らの欲求に任せて周囲の都合を顧みずに衝動的にふるまうもの。しかし、子供は成長する中で、他者への礼節や自らの行動に責任を持つことを学びます。自分のことしか考えない不誠実な人はある意味、年齢だけ重ねてしまった大人になりきれない未熟な人なのかもしれません。

誠実な人になる方法

それでは、誠実な人になるためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?3つのことを意識してみましょう。

1.自分と他人に正直でいる

「正直が常に最善の策である」とはアメリカ建国の父、ジョージ・ワシントンの言葉ですが、実際に正直でいようとすると、これがなかなか難しいものです。
日常生活においては、あえて正直さを脇に置くことで物事を円滑にまわしている側面もありますし「どこまで正直でいるべきか」という問いに、自信を持ってこたえられる人はそんなに多くないのではないでしょうか。
「嘘をつく」というと他人をあざむいたり、裏切ったりして自分の利益を追求する行為のように思えます。しかしながら、長期的な目で見れば他人の信用を損なうだけでなく、自分自身に対する信頼も失っています。なぜなら、その嘘をもっとも近くで聞いているのは他でもない自分。無意識に「私は嘘をつく人間である」というセルフイメージが刷り込まれ、“ここぞ”というところで心の底から自分を信用することができなくなってしまうのです。

2.言行一致を心がける

自らの発した言葉と実際の行動に矛盾がないか、もしかして真逆のことをしていないか?こまめに振り返ってみてください。
目の前の相手を喜ばせたり、その場の雰囲気を良くしようとしたりして、実際にはできそうにないことをつい口にしてしまう場面があります。口にした本人は「嘘をつこう」などとは思っていないかもしれません。ですが、周囲の人は意外と他人のちょっとした発言を覚えているもの。言葉にする前に、自分の立ち位置や実現の可能性について考えてみましょう。
言葉と行動が一致している人は周囲から信頼され、人や情報が集まってきます。他人に誠実に接することを心がけていれば、仕事やプライベートで困った時も周囲の人が自然と手を差し伸べてくれるはずです。

3.「三方よし」の思いやり

いつも相手に対する敬意を忘れない、その場のTPOやマナーに沿った振る舞いをする、待ち合わせに遅れない、締め切りをきちんと守るなど、日々の習慣や他人に対する姿勢、態度からも誠実さは伝わります。
普段から自分の行いが周囲に与える影響について意識することも大切です。買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」の考え方はビジネスや商売だけでなく、人との関わりにおいても必要な考え方です。
人はひとりで生きていくことはできませんから、自分中心に物事を考えるのではなく、自分と相手、そして第三者の存在にも思いをめぐらせてみましょう。

「謙虚さ」と「伝える努力」を大切に

誠実な人が必ず持ち合わせているのが謙虚さです。心理カウンセラーでメンタルコーチの長谷静香さんは著書で「相手を信じて謙虚になろう」と伝えています。



「信頼・尊敬というのは、『謙虚さ』という土台の上に成り立つのではないでしょうか。共感・謙虚・信頼・尊敬は勇気づけのかかわりとして本当に大切なのです。

つい私たちは、相手の話を聴きながら『うんうん、分かるよ、分かるよ』と言ってしまうことがあります。しかし、相手のことはそうそう簡単には分かりません。大切なのは相手のことを分かろうとしながらも、分かったつもりにならないこと。

軽々しく『分かるよ』などと相槌を打つのではなく、相手のことを計りしれない存在と認め、人間の奥深さに畏敬の念を持ち、かかわること。これこそが『謙虚さ』なのではないでしょうか」

その上で、人間関係においては相手に察してもらうのを待つのではなく、自分から気持ちを言葉にして伝えるという“ひと手間”が大切だといいます。

「夫婦や親子であっても、言いたくないこと、話したくないことがあって当然です。誰も入ってこられない領域、自分だけの安全基地は必要なのです。例えば、『この時間は一人で本を読む時間にしたい』『○時から○時まではお茶を飲んでゆっくりしたいから、そっとしておいてくれる?』などと伝えて、別の部屋や車の中、カフェなどで過ごす。

(中略)このように、一緒に語り合う時間と一人の時間をつくるなど、状況に応じて使い分ける。そのときは、あえて『二人で話す時間をつくろう』『今は一人で〇〇をしたいの』と言葉に出して伝えること。

『わざわざそんなことを言わなくてはいけないの? 水くさいなあ』と感じるかもしれませんが、このひと言が相手に対する配慮、細やかな心づかいになるのです」

出典:長谷静香『周りを優先し過ぎるお疲れママのためのご自愛レッスン』
(モラロジー道徳教育財団刊)

まとめ

誠実な人は自分と他人に正直で、相手の立場に立って物事を考えることができる人です。言葉と行動が一致しているため、仕事でもプライベートの人間関係でも周囲から信頼され、豊かな人生を送ることができることでしょう。

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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