大和撫子の意味や使い方とは?現代に受け継がれる日本人女性の美意識

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大和撫子(やまとなでしこ)と聞いて、どのような女性をイメージしますか?古風で奥ゆかしい日本人女性像を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、近年は女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」の活躍もあり、エネルギッシュで快活なイメージを持つ方も増えたようです。
言葉の由来とともに、大和撫子と呼ばれる女性に必要な要素を紹介します。

目次▽▲▽

大和撫子の意味と由来とは

「大和撫子」とは古くから日本で女性に求められてきた美徳を表す言葉です。平安時代に生まれたこの言葉は、優美で知的、かつ芯の強さを兼ね備えた女性を指します。清楚で日本的な美人を指す言葉でもあり、その後の時代を通じて女性の「内面的な品格」と「外見的な優美さ」が結びついた意味合いでも使用されるようになりました。
言葉の由来となった植物の「なでしこ」はナデシコ科の多年草の総称で、世界に300種類が分布するといわれ、日本では「カワラナデシコ」のほか、「ヒメハマナデシコ」や「シナノナデシコ」などの固有種も存在します。4月から11月にかけて繊細な花を咲かせますが、河原や草原などに自生し、可憐な姿ながらもたくましい側面を持っています。
また、古くは『万葉集』、そして『枕草子』では「草の花は撫子、唐(から)のはさらなり、大和のもいとめでたし(草の花といえばなでしこだ。中国のものは言うまでもなく、日本のなでしこも大変すばらしい)」と詠われ、1000年以上も前から日本人に深く愛されていたことがうかがえます。

現代社会における大和撫子になるために必要な要素とは

続いては、現代社会における大和撫子に必要な要素について考えてみましょう。時代の変化で価値観が多様化し、女性が家庭から社会やビジネスの世界へと役割を広げた結果、日本の女性たちは「伝統的な価値観」に加え、「自立心」や「社会性」も求められるようになりました。
しとやかで古典的な日本人の美徳とともに、他者への思いやりと精神力、そして社会の一員として貢献しようとする柔軟で現代的な感覚を持ち合わせた女性たちも、また新しい時代の大和撫子といえるのではないでしょうか。
ハワイ出身のアメリカ人、ルース・ジャーマン・白石さんは、日本留学後にリクルートに入社し、欧米系女性として初の宅地建物取引主任者となりました。著書『世界に輝くヤマトナデシコの底力』の冒頭で、日本で出合った女性たちについて触れています。
「可憐で繊細、優しくてしとやかだけど、心の内には強さを秘めている――『大和撫子』という美称の通り、私が出会ってきた日本の女性たちにはネバーギブアップの精神がありました。その内に秘めた力を遮ることなく、存分に発揮できる社会を築いていきたい」
ルースさんは、これまでに出合った日本人女性たちへの敬意を込めて、大和撫子を「サムライ・レディ」とも呼び、「自分を飾らず、競わず、互いを尊重し合えるような人間関係を築く能力に長けている」と評価します。また、日本人女性は「相手の話を聞き、相手から学ぶ姿勢を持ち。最後までしっかりと仕事を成し遂げる」として、尊敬のまなざしを向けています。
女性の長所ともいわれるこれらの要素は、家庭だけではなく、コミュニケーション能力や責任感を必要とするビジネスの世界でも大きな強みとなるでしょう。

大和撫子はどのような場面で使うのか

大和撫子という言葉は、公的な場での振る舞いが優雅で品があるなど、日本の女性を賞賛する際に用いられます。困難な状況でも凜として落ち着きを保ち、周囲を励ます女性に対して、「あの人はまさに大和撫子のような存在だね」などと言うことがあります。一方で品のない立ち居振る舞いや粗暴な言動を「それでは大和撫子とはいえないよ」とたしなめる際にも使われます。

大和撫子の類語

「大和撫子」と似た言葉としては、良き妻であり賢い母であるという意味の「良妻賢母」や美しい容貌と才覚を兼ね備えた女性を指す「才色兼備」などの四字熟語があります。
明治後期、「良妻賢母」は当時の女性のあるべき姿とされましたが、女性が外で働くことが一般的になった現代においては、家事や育児など家庭内での役割に限定することなく幅広い意味で使用されるようになりました。夫や家族のために自分を犠牲にして献身的に尽くすのではなく、自分自身を大切にしながら、家族が楽しく明るく過ごせるための雰囲気づくりに努力しているのが現代の良妻賢母像といえるでしょう。

「才色兼備」についても、昨今では容姿の問題だけでなく目には見えない「内面の美しさ」を重要視する傾向が強まるなど、時代に合わせて言葉にも新しい意味が加わり変化していくようです。

ほかにも「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は女性を花に例え、「立っても、座っても、歩いても美しい女性」という意味ですが、こちらも女性の姿かたちだけでなく、内面的な資質や立ち居振る舞いの美しさも含めて表現していると考えてよいでしょう。

まとめ

「大和撫子のような」と聞くと、内面と外見が清楚で美しく、それでいて日本的で控えめな女性像をイメージしますが、表面的な魅力以上に「内面的な品格」が求められます。職場や家庭、地域社会など、さまざまな場面で女性の活躍が期待される現代においては、伝統的な日本人の美徳と現代的な感覚を持ち合わせた女性こそ、大和撫子と呼ぶことができそうです。時代における言葉や人の役割、価値観などは変化するものですが、その背景にある「心」の側面はいつの時代も大切に考えたいですね。

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