義両親との同居は大変だけど…皆が納得する「我が家のルール」でストレス解消!

ECブログ

昨今は核家族化が進んでいますが、地域によっては結婚を機に配偶者の実家で暮らすという人もいます。

これまで実家や一人暮らしで自由に過ごしていたのが、突然他人と一緒に住むことになるわけですから、環境の変化に大きなストレスを感じる人も多いでしょう。同居のストレスとその解消法、お互いに気持ちのいい関係づくりのコツについて解説します。

目次△▼△

 

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なぜ同居は大変なのか?

「育ってきた環境が違うから 好き嫌いはイナメナイ 夏がだめだったり セロリが好きだったりするのね」

(作詞・作曲 山崎将義、1996年、山崎まさよし『セロリ』より引用)

かつてシンガーソングライターの山崎まさよしは『セロリ』という曲で、人にはそれぞれに譲れない価値観があること、そして人と人が一緒に生きることの難しさを歌いました。SMAPによるカバー曲も知られていますよね。

この曲のテーマは男女の恋愛ですが、実はすべての人間関係について同じようなことがいえるのではないでしょうか。

違う環境で育った者同士がひとつ屋根の下で暮らすだけでも大変なのに、配偶者の親(義両親)と同居するとなれば「すれちがい」どころか、お互いにストレスがたまったり、衝突が生まれたりするのは当たり前。冒頭の歌詞に続く「妥協してみたり 多くを求めたり なっちゃうね」の通りです。

同居をする理由は経済的な事情に加え、両親の健康上の理由や子供世帯が親世帯に育児のサポートを要請したから……などさまざまですが、せっかく同じ家に住むのなら、そこにいる全員が仲良く、気持ちよく暮らしたいものです。

問題の背景に文化の衝突あり

同居で発生する問題の多くは背景に“文化の衝突”があります。料理の味付けや家事のやり方などの小さなことだけでなく、プライバシーの問題や心地いいと感じる距離感、衛生観念や金銭感覚などの価値観の違いが原因となることもあるでしょう。

どれもこれも「どちらが悪い」とはいえないのが難しいところです。

結婚した後に女性側が夫の家族に加わる場合と、男性側が妻の家族に加わる場合がありますが、現代の日本においては前者のほうが圧倒的に多い状況です。ですから、今回は女性が夫の家族に加わった際に起こりうることをベースにして考えてみたいと思います。

同居でストレスがたまる要因

同居生活でストレスがたまる理由の最たるものはプライバシーの問題と人間関係です。ひとつずつみていきましょう。

1.プライバシーが保てない

最近は完全分離の二世帯住宅もありますが、別の家に住んでいるのとは気持ちの距離感が違います。お互いにそこまで干渉しない関係性だったとしても、独身時代のように自由気ままに過ごすというわけにはいきません。

間取りなどのスペースの問題だけではなく、郵便物や来訪者、買い物の内容など、すべてが筒抜けの状態では個人としてのプライバシーを保つのは困難です。

人の目を気にせずにリラックスしたり、自由に過ごしたりする時間が持てないのは想像以上につらいもの。家にいるのに“気を使っている状態”が続くとストレスがたまり、心身に悪影響を及ぼすこともあります。

2. 生活習慣の違い

食後の食器の片づけひとつとっても、どのタイミングで取りかかるかはそれぞれの家によって作法が違います。

食べ終わったらすぐに洗って拭いて食器棚に片づける家もあれば、しばらく休憩をとってから片づける家、就寝前に片づける家、翌朝までそのまま……という家もあるかもしれません。

問題はどれが正しいかではなく、その場にいるメンバー全員が納得の上、問題なくまわっているかどうかですが、同居生活ではたいてい負担が偏り、誰かが我慢を強いられています。

洗濯や掃除をする頻度や就寝、食事のタイミングなどは毎日のこと。最初は小さな違和感でも、放っておくと大きなストレスになります。

3.夫が間に入ってくれない

結婚して夫の家族に加わった女性(お嫁さん)と義両親との関係に問題が生じている場合、夫の無関心が原因であることは少なくありません。

夫は「自分の妻」と「自分の親」の関係に介入できる唯一の存在ですから、双方の言い分を聞きながら解決をはかる努力をする必要がありますが、本人がその役割に積極的になれないケースは珍しくありません。

両親に対してはこれまで育ててもらった恩や親孝行したいという思い、そして妻に対しては、自分の親と同居を“してもらっている”という遠慮もあり、どちらに対しても強く出られない場合があります。

夫としては「自分たちでどうにかしてほしい」が本音かもしれませんが、これでは状況が悪くなるばかりです。

4.負担の偏りと不公平感

一緒に暮らす人数が増えると同時に食費や電気代などの経済的な負担も増えます。

昨今は電気代の高騰が続いていますから、ずっと在宅している人がいる場合は電気代にも影響があるでしょう。同居を始める前に「その費用を誰が持つか」を事前に決めておかないとトラブルの原因になります。

一方、子供世帯の夫婦が孫の世話を祖父母に押し付け、疲弊した祖父母がうつに似た状態になる「孫ブルー」という言葉も生まれています。

子供世帯側がお世話をお願いする時間を限定したり、金銭的な対価を検討したりするのも必要ですが、親世帯サイドも無理をしすぎて体調を崩す前に「これ以上はできない」と伝えることが大切です。

同居のストレスを解消するためには?

同居生活におけるストレスの原因の多くは、距離感や人間関係の問題など感情的なこと――。

一見、過干渉のように見える行動も、その裏には「良かれと思って」「やってあげよう」という思いやりがあるかもしれません。なにも嫌がらせをしようと思っているわけではないのです。しかし、それが問題をさらに複雑にしています。

同居生活にはつかず離れずの「適度な距離感」と共同生活における「ルール」が欠かせません。ここではストレスの解消に役立つアイデアを4つ紹介します。

1.ゆるやかなルールを決める

同居する上で最も大切なのは、家事の分担やスペースの線引き、生活費などを規定した「我が家のルール」をつくることです。

その家に長く伝わる家訓とは異なり、そこにいるメンバー全員が納得する内容で、誰の損にもならない決めごとが条件です。「言った言わない」を避けるためにも、全員が共通認識として持っておきましょう。

あまりにもルールを厳格にしてしまうと、後々に無理が出る可能性があります。基本的な方針を決めた後は「Aができない場合はBのやりかたでもいい」など、ある程度の範囲で許容や変更が認められる“ゆるやかなルール”を設定しましょう。

子供がいる場合は成長にともない状況が変わる可能性もありますし、親世帯はこれから老いていきます。必要があればその都度、みんなで集まり話し合ってください。

2.自分の居場所をつくる

住居が二世帯住宅の仕様ではない場合、まずは寝室や脱衣所に鍵を付けるなどハード面に変更を加え、それぞれのプライバシーを守れる状態に整えましょう。

後から家族に加わった人にとっても「自分(子世帯)だけのスペース」の確保はストレスの軽減につながります。

もともとあった家具をそのまま使うことがありますが、それではなかなか「他人の家」という感覚が抜けません。新しい家具に買い替えたり、壁紙を変えたりすると心機一転「自分の居場所」という感じがするものです。

好きなインテリアを揃えたり、お気に入りのコレクションを並べたりするなど、心からリラックスできる自分らしい空間をつくりましょう。

3.共通の話題を見つける

長く共に生活していても、普段の会話がスケジュールの共有などの事務的なことばかりでは、表面的な関係しか築けません。

感情を入れず「できるだけドライな関係でいたい」という人もいるかもしれませんが、もう一歩、相手のことを知りたい際には趣味の話が役に立ちます。

例えば、お互いに共通の趣味があると、義理の親や子といった続柄を超えた関係性を築くことができます。

読書や映画、スポーツや旅行などの趣味、アイドルグループの“推し活”など情熱を注げるコンテンツが重なっていると、普段の情報交換からライブ参戦まで一緒に取り組めることの幅が広がり、お互いの絆も深まります。

4.家から離れる時間をつくる

夫の両親と同居することを快く受け入れることができる人は、普段から周囲の様子をよく観察し気づかいのできる性格でしょう。

その性格が高じて、もしかして家の中では家族から、妻、お嫁さん、お母さん(ママ)の役割を期待され、それにこたえようと心が休まらないのではないでしょうか?

そのような時はひとりで自由に出かける時間をつくって、妻でもお嫁さんでもお母さんでもない「肩書のない自分自身」を取り戻してください。定期的に気持ちを切り替える習慣を持つと、心が軽くなり周囲に対しても優しくなれます

気持ちのいい関係づくりのコツ

ネガティブなことばかり考えていても状況は変わりません。双方が気持ちのいい関係づくりについて、具体的な例をみながら考えてみましょう。

相手を立ててあげる

相手の家に“入った”側ばかりが我慢を強いられる時代ではありませんが、同居生活においては「相手を立てる」と物事がスムーズに運ぶことがあります。

「相手を立てる」と思うと腹が立つのであれば、心の中で「立ててあげる」と言い換えても構いません。心に余裕がある側が一歩を譲ってあげるのです。

こちらが頑(かたく)なになると、相手も同じように頑なな態度になりますが、こちらがなごやかな態度でいれば相手も自然と心を許してくれるもの。無理して下手(したて)に出る必要はありませんが、人生の先輩として尊敬する心は忘れずにいたいものです。

「昔から嫁と姑の関係はむずかしいといわれています。しかし、お嫁さんが結婚生活に入る前に、次のような考え方で結婚したら、そういう結果になるでしょうか。

まず、お姑さんは何でも知っている先生、自分は何も知らない生徒と考えるのです。お姑さんは、その家に三十年、あるいは四十年も住んでいる、いわばお城の城主様です。

お嫁さんは、ある日突然その城に入ってくる侵入者ともいえます。では、どうしたら無血でお城をその侵入者であるお嫁さんに明け渡すことができるかです。

(中略)ここで大切なことは、お姑さんは何でも知っている先生ですから、尊敬の対象です。尊敬されて、腹を立てる人はいないでしょう。お姑さんを心から尊敬して尋ねれば、喜んで何でも快く教えてくれるでしょう。些細なことでも、最初は聞いた方がよいと思います」

出典:岩田啓成『なぜ道徳は必要なのか』

家庭は「練習場」

同居生活にネガティブなイメージを抱く人もいますが、多世代が交流することで生まれるメリットは少なくありません。

家庭内で多少の価値観の差異があったとしても、一歩、家の外に出れば、そこには「多様性」という言葉だけでは説明しきれない、なおいっそう広い世界が広がっています。そのような視点で考えれば、家庭は社会に出る前の「練習場」ともいえます。

家庭でのあり方は社会でのあり方につながっています。それぞれの世代が他者に対する尊敬と感謝の心を忘れずにいることが大切です。

「世間では、二世代、三世代がいっしょに生活することによって起こる問題も指摘されていますが、そうした枝葉のことに右往左往するのではなく、家庭では徹底してお互いを許し合うことを基本に考えることが重要です。

すなわち、『わが家は許し合いをしていくことによって多くの人たちの手本になりましょう』というくらいの自負心も必要ではないでしょうか。」

出典:穂苅満雄『心づかいQ&A 感謝の心が人生を変える』

同居を解消する際の注意点

とはいえ、考え方を変えるだけですべての問題が解消できるわけではありません。

心を擦り減らしてまで一緒に暮らす必要はありませんから、その場合は立つ鳥跡を濁さずの精神で「気持ちよく離れること」を心がけましょう。

相手を悪者にしない

同居を解消したからといって、今後の関係が切れるわけではありません。親世帯を悪く言ったり、敵対関係になったりすることは避けましょう。

今後の義実家との関係性を優先するならば、話し合いの際に親世帯に同居を解消する「本当の理由」を伝える必要もないかもしれません。

子供の学区や進学、職場への行きやすさなど当たり障りのない理由を提示したほうが、親世帯も納得しやすく余計な衝突を生まずに済みます。

一方、配偶者とは新生活や義実家との関係について、意見のすり合わせが欠かせません。これからは義実家からの連絡は夫に取り次いでもらうなど、任せられるところは夫に任せ、ほどよい距離感を保った良いお付き合いを心がけましょう。

感謝の気持ちを伝える

どういう経緯で同居解消に至ったとしても、これまで一緒に暮らしたことに対するお礼の気持ちをきちんと言葉で伝えることが大切です。

家事や育児のサポートを受けていた場合はなおさらのこと。心を込めて礼を伝えれば、親世帯もこちらの気持ちを尊重し、新たな船出を応援してくれるでしょう。

お礼は他人に対してするものと考え、家族や身内に対して「ありがとう」や「ごめんなさい」の言葉を省こうとする人もいますが、日常の挨拶は人間関係を円滑に営むための潤滑油であることを忘れずにいたいものです。

引っ越しはすばやく計画的に

スムーズに同居を解消するためには計画的な引っ越し準備が大切です。新しい住居をみつけたら、引っ越し業者の手配などの事務的な手続きは早めに済ませておきましょう。

ダラダラとやっていると思わぬタイミングで横やりが入るなど、同居を解消するのに時間がかかる可能性があります。

また、引っ越し直前に大物家具やインテリアなどの所有をめぐり、「どちらの家のものか」などと問題にならないよう、親世帯ときちんと話し合っておきましょう。

まとめ

同居生活でストレスがたまるのは努力や我慢が足りないわけではありません。別の価値観を持った他人と一緒に暮らすのですから一筋縄ではいきません。

今回は夫の両親と暮らすケースを考えましたが、自分の両親と同居すればストレスがなくなるわけでもなく、実の親だからこそ適切な距離感を取るのが難しい場合もあります。

新たな生活を始める際にはメンバー全員で家の中のルールを見直すと、負担の偏りや不公平感を減らせます。お互いにお互いの気持ちを尊重しながら、つかず離れずの良い関係を築けますように。

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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