2024年06月21日
学校や会社など、どんな場所にも底抜けに明るい人っていますよね。なんだかいつも楽しそうで、トラブルがあっても前向きに対処する強さを持っている。そのようなポジティブな雰囲気に惹かれて人が集まり、一緒にいるとこちらまで元気がもらえる――。円滑な人間関係や自分らしく充実した人生を送るためにも、明るい性格の人たちに学ぶことは多そうです。
先天的な気質はすでに決定づけられたものですが、一方で生活環境などによって左右されるのが後天的な性格です。前者とは異なり、環境や経験、その地域の文化の影響を受けながら時間をかけて養われます。
つまりは、ある程度の年齢になっても、その人自身が強く望めば、ある程度は希望の性格に近づけるということ。頭の中で「こうなりたい」という具体的なイメージを描き、そのイメージに沿った行動をすることで、徐々に理想の自分に近づくことができるでしょう。明るい人になりたいのならば、まずは明るい人のことを知る必要があります。
明るい人にはどのような特徴があるのでしょうか?
明るい人はできるだけ物事をポジティブにとらえようとします。同じ事象に対して、良い面を見ようとする人と悪い面ばかりが気になる人がいますが、明るい人はまず、物事の良い面に目を向けようとします。
不慮のトラブルに遭遇した場合も落ち込んで考えすぎたり、動揺して立ちすくんでしまったりすることなく、問題解決のためにすぐに動き出す心の強さとフットワークの軽さを持っています。
陽気でエネルギッシュな性格に加え、社交的で人と関わるのが好きな人が多いでしょう。コミュニケーションが得意で、自分でもそれを自覚しており、慣れない場所や新しい出会いにも臆さずに飛び込んでいきます。
不特定多数の人と関わることがあまり苦にならないため、人脈が生きる営業職やたくさんの人と接する接客業などに向いています。一方で人の心をつかむ術を心得ているので、上下関係の意識の強い集団の中でも、立場のある目上の人から可愛がられるタイプです。
基本的に「自分のことが好き」で自己肯定感やセルフイメージが高いことも特徴です。
周囲からの評価とは別で、自分の信じた道を突き進む強さと楽観的な思考を持っています。必ずしも毎回、想像どおりにいくわけではありませんが、自分自身への絶対的な信頼が明るい性格を支えています。
そのような性格は見た目にも表れます。流行りのファッションをすることもありますが、自分がやりたい恰好があれば、それが周囲と多少異なる方向性であっても自信を持って挑戦します。どのような見た目であっても堂々と着こなせば不思議と説得力が生まれ、すてきに見えるものです。とはいえ、TPOをわきまえることもお忘れなく。
体調が悪いとそれだけで気分が落ち込みます。その点でも健康であることと明るい性格は無関係とはいえません。丈夫な体を持っていることは自信にもつながります。体力に自信があり、簡単に体調を崩す心配がなければ、「少しハードかな?」と思う仕事や休日のアクティビティにも不安なく取り組めるからです。
どんなに自己管理を徹底していても体調を崩しやすい人はいるもので、持って生まれた要素も強いですが、体調や体力の有無がその人の性格に大きく影響を及ぼすことは間違いありません。
いつも人に囲まれている印象がありますが、ひとりで過ごすことが苦手なわけではないようです。ひとりでいる時間を「自分自身と向き合う時間」と考え、「いつも誰かとつながっていたい」とは考えていません。
人当たりはいいですが、常にグループに属している状態を望んでいるわけではないので、集団から離れても気持ちが安定しています。
それでは、明るい人は日常生活や人間関係に対してどのような考え方を持っているのでしょうか?
明るい人は日常の小さな喜びや幸せを見つけるのが得意です。何でもないように見える日々にも自分なりの楽しみを見出して過ごしています。
そのような様子はポジティブな感情の“自給自足”といえるかもしれません。「テストの点数がよかった」「上司から褒められた」などと、努力したことに対する好意的な評価や褒め言葉はもちろんうれしいものですが、どうしても他者ありきでシチュエーションが限定的になります。
もし、「おいしいコーヒーが入れられた」「夕日がきれいだった」と自力で幸せを見つけることができ、何気ないことで気持ちが満たされるのなら、毎日を明るく機嫌よく過ごすことができるでしょう。
良いことがあっても、それを表情や言葉、身振り手振りで表現しなければ、周囲の人は知りようがありません。喜びを自分の内に秘めておくのは奥ゆかしいですが、せっかくなら誰かと気持ちを共有すると、喜びが倍に感じられるというものです。
明るい人はポジティブな出来事があった際、自然とそれを周りと「分かち合おう」と考えます。明るい気持ちが連鎖し、人と人をつないでいい関係を築くきっかけになるということを知っているのです。
明るい性格の持ち主だからといって、人生で良いことばかりが起こるわけではありません。むしろ、つらい時期を乗り越えた経験を持つ人もいるでしょう。
そのような時にまで陽気に振る舞う必要はありませんが、明るい人はネガティブな気持ちや経験を切り替えるのが、そうでない人よりも早いようです。つらい時は落ち込むだけ落ち込み、悩むだけ悩む……。
しばらく悲観的な気持ちに浸った後は、気持ちを切り替えて前を向き、これからやるべきことについて考え始めます。初めのうちはつらいかもしれませんが、体を動かすと徐々に気持ちもついてきます。
ここまで、明るい人の特徴や考え方について考えてきましたが、具体的にどのようなことに取り組めばいいのでしょうか?
人は笑顔を作ることで脳が「楽しい」と勘違いをして、実際にポジティブな思考になりやすくなるといいます。楽しいから笑うのではなく、笑うことで楽しく明るい気持ちになる、というわけです。
近くに笑顔の人がいて、こちらもつられて自然と笑顔になってしまったという経験は誰にでもあるもの。恋愛で好みのタイプについて聞かれた際、「笑顔がすてきな人」と答える人も多いですよね。笑顔はそれだけ人を惹きつけるパワーを持っています。幸せなことや楽しいことがあった時は、ぜひとも遠慮せずに思い切り笑ってみてください。
性格を突然に変えるのは難しいもの。自分自身の思考の癖はもちろん、周囲も「この人はこういう人」というキャラクターのイメージができあがっているので、お互いにそこから抜け出すのは大変です。
ですから、今の自分を変えたい、明るい性格になりたいと考えているのなら、思い切ってこれまでの自分を知る人がいない「新しい環境」に飛び込むのも効果的です。
大学入学を機に、見た目や言動をガラッと変える行為について“大学デビュー”などと揶揄されることもありますが、これもひとつの努力のかたちです。最初はぎこちないかもしれませんが「こうなりたい」という理想の自分に近づくために試行錯誤した結果であり、恥ずべきことではありません。それをきっかけに新たな人間関係が広がることもあるでしょう。
明るくなりたいからといって、自分のもともとの気質を否定したり、消そうとしたりする必要はまったくありません。「明るくいられない」と感じているのは自分自身の問題ではなく、置かれた環境や周囲の人との相性が良くないだけの場合もあるでしょう。
「家族の前では明るいキャラなのに、学校で同じように振る舞えない……」という場合、友達に対しての遠慮があったり、クラスで仲間外れにされたりしないかという不安をいつも抱いているからかもしれません。
学生時代は「教室の中がすべて」のように感じることがありますが、それは間違いです。社会に出ると、学校や家庭だけではない、数多くの名もなき“居場所”の存在に気がつきます。恋人やバイト仲間、行きつけの店で顔を合わせる常連さん、ネット上でのつながりもまた“居場所”です。人によっては、新しい居場所を自ら作ってしまう人もいるでしょう。
そんな風に自然体でいられる場所がひとつでもあると「明るい」「明るくない」などの違いが些細なことのように思えてきます。ひとりでいるのが自分らしいと感じるのなら、それはそれでいいのです。
いつもと視点を変えて、「すでに与えられている幸せ」に目を向けてみると、毎日が少し違ったものに見えてきます。
誰かから親切を受けた際は、あれこれ考える前にお礼の気持ちを「ありがとう」と素直に口に出してみましょう。人に感謝を伝えたつもりが、不思議と自分自身の心の中にこみ上げてくる温かい気持ちに気づくはずです。また、「人の役に立つ」「誰かに喜んでもらう」のも人のためにやっているようで、同時に自分自身をも満たしてくれます。
もともと明るい性格ではない人が、すぐに「明るい人」になるのは難しいかもしれませんが、日々の習慣や考え方について知ることで、少しずつ「理想の自分」に近づくことは可能です。自分がもともと持つ気質とうまくバランスを取りながら、できる範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。
\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
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