自己嫌悪に陥ってしんどい時に「嫌な面も含めて自分」と考える効果

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普段は自己肯定感が高い人が、ふとしたきっかけから自己嫌悪に陥ってしまう――。他人ごとではなく、普通に生きていれば誰にでも起こり得ることです。今回は自己嫌悪に陥ってしまう要因やその対処法について解説します。

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自己嫌悪とは?

自己嫌悪とは簡単にいえば「自分で自分が嫌になること」です。現状の足りなさや過去の行い、判断に対して強い後悔を感じることで生じる、自分自身をうとんじる心の動きです。
本来であれば、自分の味方であり“一番の理解者”はそれもまた自分自身のはず。ですが、何かのきっかけで自分に嫌気がさした人は、己の存在を尊ぶ気持ちを忘れて心の拠りどころを失い、まるで戻るべき港を失って暗い海をさまよう船のように不安定な状態に陥ってしまいます。
ふっと浮かんで、すぐに消えてしまうようなライトな自己嫌悪から、日常生活がままならないほどヘビーなものまで、その程度や深さはさまざまですが、「こうでありたい」「こうでなければならない」という気持ちが強い人ほど、期待した結果を得られなかった際のギャップや落ち込みが大きくなる傾向があります。

自己嫌悪に陥ってしまう要因

まずは、自己嫌悪が生じやすいシチュエーションやその要因について考えてみましょう。

1.自分の嫌な面をみた瞬間

人に優しくしたい、誰に対しても公平でありたい――。より良くあろうとするからこそ、人はそれぞれに「こうでありたい」という願望を持っていますが、常に理想通りの自分でいるのは不可能です。どんなに好人物のように見えても、少しくらいは嫌な面を持ち合わせていますし、だからこそ人間らしいともいえます。
しかしながら、理想に燃える人ほど、ふとした瞬間に他人よりも前に出ようとする自分のエゴイスティックな面を見て、ショックのあまり自己嫌悪に陥ることがあります。

2.過去の選択や失敗への後悔

過去の選択を後悔するのは誰にでもあることです。例えば、他人から攻撃的な気持ちを向けられた際、とっさに言い返すことができず、「ああ言ってやればよかった」と後から思うことや、逆に「あんなことしなければ……」と自らの行動を省みる場合もあるでしょう。
時間を巻き戻すことはできませんから、日常に戻るためにもどこかのタイミングで気持ちを切り替え、「この経験を今後に生かそう」と前を向く必要があります。ネガティブな記憶を繰り返し思い浮かべてしまうなど、必要以上に過去を引きずる行為は自己嫌悪をさらに深めます。

3.他人と比較してしまう

自分の美点はあまりよく見えないのに、他人の才能や持っているものがやたらとすばらしく思える――。それを素直に喜べるのなら問題ありませんが、必要以上に人と比べてしまうことは自己嫌悪につながります。
「すごい人」の放つ強い光を前にすると、否が応でも「そうではない自分」や「持っていない自分」の陰の部分が強調されます。それを成長の糧にすることができればいいのですが、劣等感やコンプレックスを長い間引きずったままでいると、自己嫌悪にどっぷり浸かった状態から抜け出せなくなってしまいます。
特に、同世代だけに囲まれた学生時代は、外見や性格などの簡単には変えられない要素が気になるものですが、それはあくまでせまい世界での優劣でしかありません。社会に出ると自分でも意識していなかった「人と違うところ」が注目されたり、意外な強みになったりするものです。

4.手の届かない高すぎる目標

どんなに手を伸ばしても、今の自分では届きようがない高い場所に目標を設定していませんか?自身を鼓舞するためにあえてやっている場合や、高いハードルをモチベーションに変えられる自信があるのなら問題ありませんが、どれだけ歩き続けても目標に近づけない状況はなかなかつらいものです。
まずは現在の立ち位置を冷静にとらえ、現状に合わせた目標を設定してひとつずつ実現させましょう。小さな成功体験を積み上げることは、いずれ大きな自信につながります。

5.環境の変化によるストレス

人が新しい場所に身を置き、そこで適応するまではそれなりの時間がかかります。小さな子供であればすぐに慣れるかもしれませんが、人によっては本人も自覚していないところで大きなストレスを抱えることも……。
知らない場所、知らない人々に囲まれた状況では、これまで培ってきた人間関係や経験を失ったように感じ、喪失感や無力感を抱くものです。新しい環境になかなか馴染めずに焦りと不安を感じ、自己嫌悪を募らせてしまうケースもあるでしょう。

6.人間関係での後悔や罪悪感

職場や学校などの集団生活において、周囲の人間関係が自己嫌悪のきっかけとなることがあります。どのような人にもコミュニケーションのすれ違いから意図せず他人を傷つけてしまったり、思ってもいないことを言ってしまったりする経験はあるはず。真面目な性格の人ほど「あんなことを言わなければよかった」と罪悪感を強く感じて自分を責めがちです。
過ちに気づいたら素直に謝罪すればいいのですが、自己嫌悪が強すぎて最初のひと言がかけられないという人もいるでしょう。

自己嫌悪に陥りやすい人の特徴

それでは、自己嫌悪に陥りやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか?

1.完璧主義な人

完璧主義な人は、自分に対しても他人に対しても高い期待を持っています。自分で決めた「こうでなければならない」の範囲が非常にせまいため、自らのレベルがそれに達しないと分かると、理想からはずれた自分を直視できずにポキッと心が折れてしまう……。かたくなで気持ちが弱いところがあります。
自分の実力を過大評価していたり、ひとつの考え方に固執したりして、それ以外のものを排除しようとする原理主義的な側面を持ち合わせている人もいるでしょう。一方、そのような性質は自分を磨くことに余念がない向上心の表れでもあります。自らの長所と弱点を認識してうまくバランスを取ることができれば、必ず次のステップにつなげられるはずです。

2.自己評価が低い

たとえ結果が出せなかったとしても、そこに至るまでの過程は確実に自分自身を成長させています。ですが、自己評価が低い人は自身を過小評価して、「私なんか」という言葉が口癖になっています。そのため、普通であれば難なく乗り越えられるような小さなミスで自己嫌悪に飲み込まれがちです。「今回はしかたない。次に生かそう」とドライに切り替えることも大切です。

3.責任感が強すぎる人

責任感が強い人ほど小さな失敗も許すことができず、自分で自分が嫌になってしまうことがよくあります。他人のネガティブな感情にまで責任を感じて、つらくなってしまうという人もいるでしょう。他人の感情に寄り添い、共感することは大切ですが、その範囲を広げすぎると生きづらさを感じることになります。

4.他人の評価に敏感な人

他人からの評価に重きを置く人は、目に見えて分かりやすい数字や営業成績などの結果を上げることに喜びを感じますが、その結果が思わしくなかったり批判を受けたりすると、たちまち自己嫌悪に陥ります。外からの評価で自分の価値をはかることを癖にすると、自分の中の軸がさだまらず「本当にやりたいこと」が見えなくなってしまいます。

しなやかな心をつくる「心の習慣」

自己嫌悪に陥らないためには、日ごろから自己肯定感を高める習慣を持つことが大切です。簡単に折れることのない、ポジティブでしなやかな心をつくる「心の習慣」を4つお伝えします。

1.「嫌な面も含めて自分」と考える

麗澤大学教授を務めた北川治男さんの講話をまとめた『品性は生きる力 生存の基盤を担う教育』(モラロジー研究所)から、北川さんが学生たちに伝えた言葉を抜粋します。

「学生に接していて感じることは、良い意味で自分に自信が持てる、自分を肯定できる学生は、しっかり目標を持って勉学に取り組んでいくことができる傾向にあるということです。ところが、自尊心が欠如している学生は、せっかく大学に入学したのに、“自分は大学で何をやりたいのかがよく分からない”というケースがとても多いように感じます。そして、そういう学生は自分探しの旅を続けていくわけです。(中略)
私は、学生諸君に『人間は皆、欠点も短所もある。確かに自分の嫌いな面もあるけれども、その欠点短所も含めて、そういう嫌な自分ともしっかり向き合っていけるようにしたいね』と話しかけ、自分をあるがままに受け止めていけるようにはたらきかけながら、授業に背を向けている学生にも、私のほうからはかかわりを断ち切らないように努めています」

 「嫌な自分」から目をそむけることなく、うわべを取りつくろうことなく、一旦そこに「あるがまま」を受け止める――。現状を正しく認識すれば、これから取り組むべき課題がおのずと見えてきます。

2. 今ある人間関係を大切にする

渦中にいると思い至らないかもしれませんが、言葉にはしていなくても、あなたの周りにはあなたのことを大切に思っている人がたくさんいるはずです。自分を否定する振る舞いは同時にその人たちの心を傷つけているということを知ってください。
これまでの人生で出会ったすべての人との関わりが、今のあなたを形づくっていると考えたら……。そんな人たちとの関係を大切にすることは、自分自身を見つめなおすことにもつながるとは思いませんか?

3.過去ではなく未来を考える

自己嫌悪に陥った原因について、もう一度思い出してみましょう。ふとした時に自分の嫌な面を垣間見たり、大切な局面で判断ミスをしたりしたことが、主な原因となっている場合が多いのではないでしょうか。
大きく分類してしまえば、それらの多くはすべて「過去」のこと。過去を変えることはできません。だからこそ、物事をより良くしたいと考えるのであれば、自己嫌悪にとらわれてばかりいるのではなく、その時間を「未来」について考える時間にあてたほうが有意義でしょう。

4.自分くらいは自分の味方で

自己嫌悪に陥っている状態では心からリラックスすることができません。そのような時はできなかったことや失ったことではなく、「できたことを数える」を習慣にしたいものです。
赤ちゃんは生まれてすぐはひとりでは何もできない無力な存在ですが、成長するにつれ徐々にできることが増えていきます。周りの人もそんな様子をほほえましく見守り、応援してくれます。私たちはもう赤ちゃんではありませんが、あなたが努力してきたことを一番知っているのは、誰でもないあなた自身。長い人生、時にはいいことも悪いことも起こるでしょうが、自分くらいは自分の味方でありたいものです。

まとめ

どのような人であっても、何かの出来事をきっかけに自己嫌悪に陥ることは珍しくありませんが、大切なのはそこから何を得て、どうやって立ち直るかです。自己嫌悪は向上心の表れでもあり、やり方次第では大きな成長につなげることもできるでしょう。一方、心のエネルギーが枯渇しているような場合は休息をとることが最優先です。心がポキッと折れてしまう前に、できるだけ自分のペースを保つことを心がけて、自分自身をねぎらう時間も大切にしてください。

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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