2024年03月12日
まずはこの動画からご覧ください!
学校に登校できない状態にある”不登校”の小中学校児童生徒数は年を追うごとに増え続け、過去最高となっています(文部科学省『令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』)。
もしもわが子が登校できなくなったとき、どのような接し方をすればいいのでしょうか。その原因と対処の方法とは
原因を見ていく前に、ここでいう「不登校」とは、どのような状態のことをいうのかを確認しておきましょう。
文部科学省によると「不登校児童生徒」とは 「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者(ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く)」と定義されています。この定義によれば、学校に行くことができていない子供すべてが「不登校」と見なされるわけではない、ということになります。
不登校と一口に言ってもその原因は一つではなく、子供の性格や家庭環境、学校環境など、さまざまな要因が考えられます。
不登校の状態にある子供の多くは、どちらかというと内向的であったり、集団行動に苦手意識があったりする傾向が見られます。
このような子供は、学校生活において、周囲の子供とうまくコミュニケーションをとることができず、孤立感や疎外感を感じやすくなります。
また学習障害や発達障害の特性がある場合、不登校になりやすい傾向にあります。学校の授業についていけなかったり、いじめや嫌がらせの対象になりやすかったりするため、学校生活に苦手意識を持ち、不登校につながることがあります。
また、学校生活に興味や関心が持てないと、学校生活に楽しみを見いだすことができず、行きたくても行けないという気持ちになりがちです。
親の離婚や、経済的な困窮などといった家庭環境が子供の心理や情緒に影響を与え、不登校に結びつく場合があります。
親子関係がうまくいかず、子供が親に安心感や信頼感を得られずにいると、学校生活への不安を大きくなり、行きたくても行けない状態になりがちです。また、子供への過干渉や過保護な接し方が影響して、子供が親から自立できなくなると、学校でも周囲の子供と適度な関係を築くことが難しくなります。
親の期待に応えたいと思う一方、そうすることができない自分を受け容れることができず、自己肯定感が低下してしまうことで、不登校につながることもあります。
学校内におけるいじめや暴力などの問題は、不登校の原因となる最も大きな要因の一つといわれます。それによって子供は精神的に大きなダメージを受け、学校に行きたくても行けない気持ちになるためです。
また、学校の授業や校則についていけなかったり、周囲の子供とうまくなじめずにいたりすると、「学校に居場所がない」という気持ちが強くなり、そこから不登校になりやすい傾向にあります。
学校生活の中で、自分の存在意義や役割をどれだけ見出すことができるか。学校環境もまた、子供の心理や情緒に影響を与えます。
不登校の子供は、さまざまな葛藤や不安を抱えています。
「学校に行きたくても行けない」という葛藤、「周りから自分はどう思われているのだろう」という不安、「どこにも自分の居場所がない」という孤立感。そういった子供の気持ちを汲み取り、共感し、受容する姿勢が大切です。
子供の気持ちを尊重しつつ、そのペースに合わせて、少しずつ学校復帰に向けてサポートをしていきましょう。
子供の気持ちを尊重することは、不登校の子供への接し方において最も大切なことです。学校に行きたくても行けないという思いを否定したり、無理やり学校に行かせようとしたりすると、子供の気持ちがさらに追い詰められてしまいます。
子供の気持ちを尊重し、「学校に行きたい」と思ったときに、安心して学校に行ける環境を整えてあげましょう。
子供の気持ちを否定し、その心情に添わない行動を無理強いして、学校に行かせようとすると、子供の心を傷つけ、さらに状況が悪くなる可能性があります。学校に行きたくても行けないという心情を理解し、無理強いせずに、学校復帰に向けて焦らずじっくりとサポートしましょう。
親のペースだけで事を進めようとせず、子供のペースに合わせることも、不登校になった子供への接し方においては重要です。
いつ学校に行けるようになるかは、人それぞれです。周囲の子供との違いや世間からの視線を気にしすぎて、肝心な子供の気持ちを無視した対応にならないよう、子供のペースを第一に支えていきましょう。
子供の話にじっくりと耳を傾け、その気持ちを理解する時間をとりましょう。
「こうに違いない」「こうするべき」と親側の一方的な考えや答えにこだわって、話をしようとすると、子供は「自分のことを理解してくれない」と心を閉ざしてしまう可能性があります。
どうして学校に行きたくても行けないのか。学校に行くことができないことで感じている子供自身の葛藤や不安を、否定せず、答えを急がず、じっくりと共感を大切に聞き入れましょう。
不登校の子供には、子供の自己肯定感を高める接し方も大切です。学校に行くことのできない自分の存在意義に悩み、居場所がない孤立感にさいなまれている場合が多くあります。子供の良いところを認め、肯定してあげましょう。また、子供が自分の好きなことや得意なことを見つけられるよう、じっくりと話を聞きながら、サポートしてあげることが重要です。
家庭内だけで解決が難しい場合は、専門機関に相談しましょう。不登校の専門家は、子供の状況や親の悩みに寄り添い、適切なアドバイスや支援を受けることができます。それらを実践することで、状況を改善でき、学校生活に復帰するサポートにつながります。また、不登校解決のためには、親だけでなく、学校や地域の支援も不可欠です。
子供が不登校になることは、親にとって衝撃的な出来事かもしれません。それは子供にとっても同じこと。 子供の口から出た「学校へ行きたくない」というメッセージは、SOSの合図です。不登校の子供の多くは「行きたいけれど行けない」葛藤や不安を抱えているという前提に立ち、うまく言葉に言い表せない気持ちや心情を、共感的に理解し、寄り添う姿勢が大切です。
\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
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