防災対策として家族で決めておくべきことはある?決めておくメリットも!

ECブログ

もうすぐ進級・進学の春ですね。ピカピカのランドセルや文房具、去年より一回りサイズアップした体操服。お子さんの成長を眩しく感じながら、入学や進級グッズの準備に追われている親御さんも多いのではないでしょうか。
しかし、この時期に防災の準備までするご家庭は、驚くほど少ないのが現実です。子供は学年が上がれば、放課後にお友達と遊んだり、一人で習い事に通ったり、お留守番をしたりする機会がぐんと増えます。親の目が届かない、子供が一人きりの時間が日常の中に確実に増えていくのです。もし、わが子が一人の時に大きな地震が起きたら?
株式会社タフ・ジャパン代表で、消防庁消防大学校の講師である鎌田修広さんは、著書『親子で備えて生き延びる おるすばん防災』(ニューモラル出版)の中で、こう語っています。

入学グッズを揃えるように、この春は「生き延びるための約束」を家族で決めてみませんか。鎌田さんの『親子で備えて生き延びる おるすばん防災』からそのヒントを探ります。

* この記事の要点 *
・災害時の混乱やパニックを防ぐため 「もしもの時の約束」を決めておく。
・子供をお客様扱いせず、自分で判断して行動する力を育てよう。
・防災は物の準備だけでなく、使い方と置き場所まで家族全員で共有しよう。
目次△▼△

防災対策として家族で決めておくべき内容

防災対策というと「非常食を買い足さなきゃ」と、物の備蓄に目がいきがちです。もちろん大切なことですが、もしもの時に生死を分けるのは、非常食よりも家族の間での約束事です。具体的に見ていきましょう。

災害時の集合場所

大地震が起きた瞬間、私たちはパニックになります。命が無事だったとして、もし一人で外出中であれば、真っ先に家族の無事を確認したくなるでしょう。しかし、鎌田さんは「災害時は家族の愛が悲劇を招くこともある」と言います。

「お母さんは大丈夫かな」
「子供を迎えに行かないと」
災害の混乱の中、危険を顧みずに家族を探しに行き、命を落としてしまうケースは後を絶ちません。(中略)家族を思う気持ちが被害を招いてしまうのです。

(前掲書)

これを防ぐために大切なのが、災害時の集合場所を決めておくこと。
地震の後でも家に大きな被害がなければ、そのまま家で待つのが基本です。自宅が危険な場合に避難所へ避難する場合は、「〇〇小学校の校庭の鉄棒の前」など子供でも迷わないようピンポイントで場所を指定するといいでしょう。また、避難所では「〇時と〇時に〇分間待ったら、いったん安全な場所に戻る」といった具体的なルールを決めておくのもおすすめです。

連絡が取れない場合の連絡手段

「スマホがあるから大丈夫」という過信は禁物です。災害時は電話がつながりにくくなるのはご存知の通り。何度かけても電話がつながらないと余計に不安が募ります。普段から非常時の電話以外の連絡手段を決めておきましょう。

連絡手段1. 災害用伝言ダイヤル(171)
公衆電話からも使える「声の伝言板」です。いざという時に初めて使おうとすると慌ててしまいます。毎月1日と15日に体験利用ができるので家族で一緒に練習しておきましょう。

連絡手段2. 三角連絡法
被災地以外の遠方の知り合いや親戚を連絡拠点にする方法です。災害時、家族への電話はつながりにくくても、遠くへの電話はつながりやすいことがあります。離れて暮らすおじいちゃんやおばあちゃんなどを経由して安否を確認し合います。

連絡手段3. アナログなメモ
避難するために家を離れる際、玄関ドアの裏側に「どこへ避難したか」「誰と一緒にいるか」などを書いたメモを貼っておく方法です。外側ではなくドアの裏に貼るのは、家に誰もいないことを知られないため。空き巣などの防犯対策です。

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避難場所と避難経路

自宅から避難所までの道を実際に歩いたことはありますか?
大地震の後は道がめちゃくちゃになっていたり、瓦礫や倒壊したブロック塀でふさがっていたりするかもしれません。自治体が発行するハザードマップを家族で見ながら、以下の点を確認しましょう。

確認ポイント1.複数のルートを確認
避難所へ通じる橋が落ちたら?火災で通れなかったら?最低でも2つ以上の経路を親子で散歩しながら確認しておくと安心です。

確認ポイント2. 災害の種類による使い分け
地震なら小学校、津波ならより高い場所、洪水なら浸水しない区域の建物などリスクに合わせた場所を把握しておきましょう。

家族それぞれの役割分担

鎌田さんは家族の防災力を上げるために、子供を単なる守られる存在、つまりお客様として扱うのではなく、家族というチームの一員としての役割を与えることを強くすすめています。子供が小さいうちは親があれこれ手助けしたくなりますが、普段から子供ができることを見つけて、どんどん挑戦させてみましょう。ある程度のことは自分でできるという体験が子供の自信になり、親の安心につながります。

家にいる時・外出中の行動ルール

地震は起きる場所や状況を選んではくれません。家にいる時であろうと、通勤中や子供が一人で留守番をしている時であろうと、いつもの中で起きるのが地震です。どこで地震に遭ったかによって取るべき行動も変わるのでチェックしておきましょう。

家にいる時
まずは命に関わる頭、特に延髄を守ること。人間の背中の筋肉はぶ厚いので、丸くなって急所を守るのが基本です。「ダンゴムシのように丸くなる」と覚えるといいですね。

公園などの外出中
倒壊しそうな遊具や建物、電柱などから離れます。自転車に乗っていたらまずは降りて身の安全を確保しましょう。何がなんでもすぐに家に帰らないといけないということはありません。めちゃくちゃになった道路でコントロールを失った車が突っ込んでくることもありますから、慌てて帰宅しようとせず、まずは広い場所に留まって安全を確保するのも選択肢です。

塾や習い事の教室にいる時
残念ながら災害対策に力を入れている塾や習い事は、それほど多くありません。その場では先生の指示に従うのが基本ですが、日ごろの対策が十分ではないなと感じているのなら、自分でもある程度備えておく必要があります。特に外出先で被災した場合、しばらくは今かばんの中にあるもので生き延びなければいけません。いざという時に頼りになる小さなサバイバルポーチを常備するのも立派な防災です。

火や電気・ガスの扱い方

二次災害を防ぐため、避難時のルールを徹底しましょう。
まず火の元は調理中なら火を消します。ただし大きな揺れの最中に無理に火を消しに行くのは危険ですから、揺れが収まってから行いましょう。
次にブレーカーは通電火災(停電復旧時に発生する火災)を防ぐため、家を離れる場合はブレーカーを落とすことを徹底します。
最近では、強い揺れを感知するとガスの供給が自動停止する安全機能がついていますが、念のためガスの元栓を閉める方法も全員で確認しておきましょう。
大切なのは家族の中の誰かが操作方法を知っているのではなく、全員が操作方法を知っていること。家族全員で確認しておくといいでしょう。

防災グッズの保管場所と使い方

防災グッズはどこに置いてありますか?その置き場所は家族みんなが知っていますか?「防災グッズはお母さんだけが知っている押入れの奥深く」では宝の持ち腐れです。

防災グッズや備蓄をしっかり準備しても、子供がその保管場所を知らなければ使えませんね。大人が一方的に「ここに入れとくね」と決めてしまうのではなく、子供の意見を取り入れながら進めることが大切です。

(前掲書)

防災グッズの保管場所と使い方についてのポイントは2つ。
1つ目は、大人だけではなく子供の目線で配置してみること。いざという時に子供は手が届かない、置き場所が分からないでは役に立ちませんよね。「ここなら届く?」「持ち上げられる?」と確認しながら、どこにあったら便利か家族みんなで決めるのがおすすめです。
ポイントの2つ目は、使い方のリハーサルをしておくこと。特に携帯トイレは備えているけれど使ったことがない人が多いのでは。携帯トイレでするのが恥ずかしいという子供もいますが、一度やってみるとなんてことはありません。
人は3時間もすればトイレに行きたくなります。実は水や食料よりも重要なのがトイレ対応なのです。衛生面のみならず、人としての尊厳にもかかわるトイレ対応、普段からいざという時の抵抗感をなくしておきましょう。

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子供が一人でいる時の対応ルール

まずは命を守る行動をとること。鎌田さんは「セーフティーゾーンの見える化」を推奨しています 。セーフティーゾーンとは「ここに逃げ込めば安全」という場所のことです。家の中に、何も落ちてこない、何も倒れてこない、閉じ込められない、窓ガラスから離れている、そんな場所を見つけて目印になるシールを貼ったり、ぬいぐるみを吊り下げたりておきましょう。
大人でも緊急地震速報が鳴っても本当に揺れるのかその場で様子を見ている人や、揺れてもそのうち収まるだろうとその場でじっとしている人は少なくありません。子供の場合、地震発生時その場に立ち尽くして何もできない子は少なくありません。大きな地震が起こるとわかった瞬間、あるいは起こったその瞬間にすばやく身を守る行動をとれるかどうかは、日頃から身を守る練習をしているかどうかにかかっています。

ペットがいる場合の対応

ペットがいるご家庭にとって気になるのが「避難所で一緒に過ごせるのか」という点ではないでしょうか。
実は避難所のペット対応は全国で統一されているわけではなく、自治体や施設ごとに異なります。そのため、避難しようと決めている避難所はペット可かどうか、事前確認しておくことがとても大切です。多くの場合、ペット可とされていても人と同じ室内で過ごせるとは限りません。屋外や別スペースでの待機になるケースやケージの使用が必須となることもあります。また、鳴き声やアレルギーへの配慮から対応が変わる可能性もあります。まずは、自治体のホームページやハザードマップを確認し、ペットと一緒に避難できる場所を把握しておきましょう。その際は、避難可能な避難所を2〜3か所確認しておくことが大切です。災害の状況によっては最寄りの避難所が使えない可能性もあるためです。

定期的な見直しと話し合いのタイミング

一度決めたルールも、子供の成長とともに変えていく必要があります。
「去年までは保育園に避難しようと決めていたけれど、もう1年生。家族の避難場所を変えないと」といったアップデートが必要です。とはいえ、防災は今生きるために必要なことではないので後回しになりがち。そこで鎌田さんは「『いつかやろう』では忘れてしまうので、家族の誕生日や8月末から9月にかけての防災週間など、年に一度の恒例行事にしてみてください」と提案します。

家族で防災対策を決めておくメリット

防災対策はやろうと思えばどこまでも対策できます。だからこそ「こんなに多くのことに取り組むのは大変だ」と感じるかもしれません。しかし、家族で防災対策を行うことで得られるメリットもあります。

災害時の混乱や不安を減らせる

災害現場で冷静な判断を狂わせるのが、自分は大丈夫という思い込みや焦りです。
普段から「あるかもしれない」「そうなったら自分はどうしようか」という気持ちの準備がとても大事なのです。
災害時、一人きりで冷静でいられる子供はいません。事前に決めた家族のルールがあることで、子供はたとえ恐怖の中でも「お母さんとの約束通りに動けばいいんだ」と判断することができます。それが極限状態でのパニックを防ぎ、命を守る行動へとつながるのです。

家族全員が同じ認識を持てる

お父さんは「会社で待とう」と思い、お母さんは「小学校に迎えに行く」と動き、子供は「家で待っている」。こうしたすれ違いが「家族探し」という危険な行動につながってしまいます。
普段から家族共通のルールを見える化して共有していれば、家族それぞれが離れた場所にいても「今、家族はきっとあそこにいるはずだ」と互いを信頼して、自分の安全確保に集中できるのです。

日常の防災意識が高まる

話し合いの過程で家の中の危険な箇所に気づくことができます。

「この棚、地震が来たら倒れてきそうじゃない?」
「廊下に物を置くと、逃げる時に邪魔になるね」

こうした気づきが家具の固定や整理整頓といった具体的なアクションにつながります。
鎌田家では、日常と非日常の垣根をなくすフェーズフリーの考え方から、非常用のポータブル電源をあえてリビングに置き、そこで携帯電話の充電をしているそうです。このように防災を日常のこととして取り組めば、家族の防災意識も自然と高まります。

まとめ

災害はいつどこで起こるかわかりません。だからこそ大切なのは「その時どうするか」を家族で決めておくこと。いざという時に命を守るのは親ではなく、その場にいる自分自身。日頃からの約束と準備がもしもの時の判断を支えてくれます。進学や進級の準備とともに、防災についても家族で見直してみてはいかがでしょうか。

おるすばん防災の紹介動画はこちらから!
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\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ

ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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