怒られるのが怖いと思うのはなぜ?克服することはできる?

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「また失敗したらどうしよう」「怒られたくないな」
そんなふうに思って、一歩踏み出すのをためらってしまうこと、誰にでもありますよね。
怒られるのが怖いという気持ちは、真面目な人ほど抱きがちです。ときには怖さが壁になって、本当の自分らしさを発揮できなかったり、大切な人との間にちょっとしたすれ違いを生んだりすることも。
この記事では、人はなぜ怒られることを怖いと感じてしまうのか、その理由をお伝えします。
さらに、怖い気持ちを克服し、成長のエネルギーに変えるヒントもお伝えします。

* この記事の要点 *
・怒られても自分の存在までは否定されていない。期待の裏返しであることも。
・過度に怖がり過ぎると成長の機会を逃してしまうこともある。
・怖い気持ちを克服するには、小さな成功体験と冷静になる練習の積み重ねが有効。
目次▽▲▽

怒られるのが怖いと思う理由

人はなぜ、怒られるのが怖いと思ってしまうのでしょうか。そこには次のような理由が考えられます。

過去の経験が影響している

幼少期に厳しく叱られた経験があると、「怒られる=怖いこと」として記憶に刻まれてしまいます。それは、脳が危険から身を守る反応として働くためです。
子供の頃の記憶が整理されないままでいると、大人になっても、怒られたときに同じように身構えてしまうことがあります。

否定されるのが怖い

「次はミスをしないように、手順確認を徹底してください」
業務の改善点を伝えるだけのこんな上司の一言を、自己否定にすり替えてしまう人もいます。
「ミスをした自分はなんて役立たずなんだろう」というように、怒られることを「自分の存在そのものが否定された」と受け取ってしまうのです。
特に承認欲求が強い人ほど、「もうダメだ」「信頼を失った」と不安が膨らみます。

自信が持てない

「怒られる=自分はダメだ」と感じるのは、自己肯定感の低さと深く関係しています。
小さなミスが過剰な恐怖につながるとき、必要なのはできたことに目を向ける練習です。失敗は「学びの素材」として捉えると、少しずつ怖さが薄れていきます。

相手の怒り方が強すぎる

大声や威圧的な言葉で怒られると、それ自体がトラウマとして心に残ることがあります。何を言われたかの内容よりも、厳しい表情や高圧的な声に恐怖を感じてしまうのです。
現代では、威圧的な言動はパワーハラスメントと見なされ、職場での許されない行為として厳しく対処されるべきという認識が広がっています。心に残った恐怖は、自身の弱さのせいではなく、相手の行為に問題があった可能性もあります。
相手の強すぎる伝え方がその人のクセであれば、感情に巻き込まれず「何を伝えようとしているのか」を冷静に切り分ける練習は有効です。しかし、そうでない場合は、自分の心の安全を守ることも大切です。

完璧主義の傾向がある

「間違ってはいけない」「常に正しくなければ」という完璧主義の人ほど、怒られることを怖がります。小さな指摘にも過敏に反応してしまうため、思考と行動の幅が狭まってしまうのです。

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怒られるのが怖い人の特徴

次に、怒られるのが怖い人の特徴を見ていきましょう。

人の目を気にしやすい

怒られるのが怖い人は、「自分は周りの人からどう見られているだろう?」と、いつも人の目を気にする傾向があります。
そのため、怒られたり、意見を否定されたりすると、「嫌われてしまったかも」「もう私の居場所はないんじゃないか」と不安になってしまいます。
これは、自分の価値を他者の評価や承認に預けてしまいがちな心理からきています。つまり、他人に認められている自分でいなければ価値がないと感じているのです。

自分を責めやすい

怒られた後、うまく気持ちの切り替えができず、「全部自分が悪い」と、必要以上に自分を追い詰めて深く落ち込んでしまうタイプです。真面目で責任感が強い人ほど、この自己批判のループに陥りやすいようです。
本来、怒られるような失敗やトラブルであったとしても、そのときの状況や、コミュニケーションの仕方、準備不足など、さまざまな要因が関わっているもの。しかし、このタイプの人は、失敗した行為は一から十まですべて自分の責任だと抱え込んでしまいます。こうなると、冷静に状況を見極めて、次はどうしたらいいのかという改善策を見つけることができません。

プレッシャーに弱い

「絶対に怒られないようにしなければ」という意識が強すぎてガチガチに緊張してしまい、本来持っている実力を出すことができません。いわば、心も体も常に戦闘態勢のような状態です。
人は、強いプレッシャーやストレスにさらされると視野が極端に狭くなり、冷静な判断ができなくなります。これは「トンネリング効果(視野狭窄)」と呼ばれる心理的な反応で、この状態が怖いのは、他の選択肢や視点が見えなくなり、判断ミスが続いてしまうこと。焦るほど小さなミスを繰り返し、また怒られるという負のスパイラルに巻き込まれてしまうことも。

相手の表情や声色に敏感

怒られるのが怖い人は、とても繊細で、実は人の気持ちを察するのが得意な人。だからこそ、相手の小さな表情の変化や、声のトーン、ほんの少しの間(ま)にさえ、「何か気にさわることをしてしまったかも」と、すぐに不安のセンサーが反応してしまいます。

挑戦を避けがち

怒られることや失敗を避けるため、新しいことには手を出さないほうが安全だと思い込んでいます。そのため、あえて新しい挑戦や難しい課題から距離を置いてしまう傾向があります。
失敗がないので怒られることもありませんが、裏を返せば成長もありません。成長のチャンスを逃すことで「自分は何も変わらないダメな存在」と、自己肯定感の低下につながってしまいます。

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怒られるのが怖いことによるデメリット

怒られないにこしたことはありませんが、過度に怖がると、人間関係や心の健康を損なうデメリットにつながってしまいます。
特に近年、職場におけるハラスメント対策やメンタルヘルスを守ることが社会的に重視されています。心を健康に保つことは、個人の問題ではなく、誰もが守られるべき大切な権利なのです。

本来の力を発揮できなくなる

恐怖心によって心が萎縮してしまうと、本来の能力や前向きな意見を出すことは難しくなります。
「間違えたらまた怒られる」という不安が常につきまとい、どうしても積極的になれないのです。
この状態をたとえるなら、ブレーキをかけながら自転車を運転しているようなもの。
本来100%でチームや職場に貢献できるはずが、怒られるかもしれないという見えない恐怖によってブレーキをかけられているのです。結果として「自分は役に立っていない」と感じてしまいます。

人間関係がぎくしゃくする

怒られたくない一心で相手の顔色をうかがい、必要以上に相手に合わせてしまうと、心からの信頼関係を築くことは難しいでしょう。
相手の気持ちをまったく考えない自分勝手な人も人間関係はうまくいきませんが、いつも「相手にどう思われるか」を基準に行動する人もまた、人間関係に悩むもの。
素の自分でいられない人間関係が長く続けば疲れますし、相手にも「あの人は本心で話してくれないから」と思われ、いずれ距離を置かれてしまうかもしれません。相手を怖がる関係では、対等な人間関係が築けず、表面的な付き合いで終わってしまいます。

成長の機会を逃す

失敗したら怒られるという恐れが強いほど、私たちは無意識のうちに挑戦よりも逃げることを選びがちです。新しいことや、少し難しそうなことには手を出さず、無難な道を選ぶことが安心だと分かっているからです。
しかし、失敗は自分自身の未熟な点を教えてくれる貴重な学びの機会です。その扉を閉ざしてしまうことは、自身の可能性を自分で閉ざしてしまうのと同じこと。成長したいという自分の心の声にふたをして、聞かないふりをしてはいないでしょうか。

ストレスや疲労を抱える

いつも「今度は怒られないだろうか」と気にしながら過ごしていると、心の休まる時間がなくなってしまいます。まるで目に見えない重りをずっと背負っているような状態です。
この緊張状態が続くことで、慢性的な疲労や不眠といった心身の不調を招くこともあります。

自己肯定感が低下する

怒られることを怖いと感じる人の中では、怒られるたびに「やっぱり自分はダメだ」と自己否定の悪循環が起こります。
このネガティブな気持ちが積み重なると、心の土台である自己肯定感がどんどん削られていってしまいます。
自己肯定感とは「自分には価値がある」と感じる心のこと。自己肯定感が低い状態では、「失敗しても大丈夫、次がある」と思える強さを持てないので、やがて仕事や人生に対する自信も意欲も失ってしまうことに。

怒られるのが怖いのを克服する方法

ここからは、怒られるのが怖いという状態を克服する方法をいくつかご紹介します。最初の一歩は怖いかもしれませんが、焦らず、ご自身に合う方法から試してみてください。

怒られることの意味を整理する

怒られたり注意を受けたりすることで、あなたの存在そのものが否定されたわけではありません。
それはあくまで、行動や方法へのフィードバックであり、より良くなるためのアドバイスです。
受け取り方を変えるだけで、「怒られる=怖い」という心の反応はぐっとやわらぎます。厳しいメッセージを受け取ったら、これは自分への期待のメッセージだと捉え直す練習をしてみましょう。

小さな成功体験を積む

怒られることへの耐性を持つためには、日々の生活の中で、「これはできた」「挑戦してみた」という小さな成功体験を積み重ねていくことをおすすめします。
「できる」が積み重なれば少しずつ自信が育ち、たとえ怒られるような出来事があっても、「今回は失敗したけれど、次こそは」と立ち直る力が湧いてくるはずです。

臨床心理士の玉井仁さんは著書『私、合ってますよね? ―― しちゃう、できない、やめられないの正体』で、「自分はできない」と思い込む人へ、次のようにアドバイスをしています。

「自分でできる」という自律感、「自分でやっていこう」とする自発性を土台として、目先の目標にとどまらず、少し先にかなえられる大きな目標に向かう力を身に付けていくのです。目標を達成できるという実感は、「自分はなかなかに有能でいいね」という感覚へとつながっていくのです。

いつも完璧にできるわけではないのですから、ある程度のことは「まいっか」と受け入れて、「できているところもあるじゃないか」と考えられることが大切です。
できていないことばかりに目を奪われてしまうと、ネガティブな感情にとらわれがちになります。(中略)
ちゃんと継続的に取り組む。同時に適度に力も抜いて「まいっか」もできる――。人によってバランスの取り方は異なります。

玉井仁『私、合ってますよね? ―― しちゃう、できない、やめられないの正体』

信頼できる人に相談する

不安な気持ちは、一人で抱え込んでいるとどんどん大きくなってしまいます。心の中にあるモヤモヤや、「どうしよう」という気持ちを信頼できる友人や家族、先輩など、受け止めてくれる誰かに話すだけで、心は軽くなります。
人に話すことで、怒られるのが怖いと思い込んでいる自分をいったん頭の中から取り出して、冷静かつ客観的に見つめる視点を取り戻すこともできるでしょう。

怒られたときに冷静になる練習をする

怒られたり、強い口調で注意されたりするとパニックになってしまう場合は、感情の波に飲み込まれないための練習をしましょう。
怒られたと感じた瞬間に、深呼吸をする、あるいは一拍置く(数秒間黙る)だけでも、パニックは抑えられます。
さらにできるようになれば、「怒られたけれど否定はされていない」とか「冷静に、落ち着いて」と心の中で唱えてみてください。この間(ま)を持つ練習を繰り返すうちに、「怒られた=怖い」という反射的な反応は少しずつ弱まっていきます。

専門家の力を借りる

怒られることへの恐怖が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、心理カウンセラーや医療機関への相談をおすすめします。
客観的な視点を持った専門家の支援を受けることは恥ずかしいことではありません。むしろ「自分の人生を良くしたい」という勇気の表れです。専門家の力を借りることは、心の健康を取り戻すための近道となるはずです。

怒られるのが怖いのは病気の可能性もある?

怒られることへの恐怖が極端で、仕事や学業にまで支障をきたす場合、社交不安障害や強い不安症が背景にあるケースもあります。「自分が弱いせいだ」と決めつけず、専門的に相談することをおすすめします。
どこに相談したらよいか分からないという方は、以下の厚生労働省の相談窓口を利用してみましょう。
働く人のメンタルヘルス·ポータルサイト「こころの耳」

まとめ

怒られるのが怖いという気持ちは、誰もが心の中に持っている、ごく自然な感情です。ただし、その裏には「認められたい」「わかってほしい」という切実な願いが隠れています。怖さを克服するには、その願いに耳を傾け、満たしてあげる必要があります。
「怒られた」という出来事は、決して「あなたがダメだ」というサインではありません。それは、自分の心のクセに気づくためのヒントだったり、「こうすればもっと良くなる」という成長へとつながるチャンスだったりします。
このブログをヒントに、怒られたという出来事を、次への糧として受け止められるようになったときには、周りの評価に左右されない、しなやかな自分に出会えているはずです。

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\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ

ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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