余裕がないときの態度や行動とは?常に余裕を持つにはどうすべき?

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老いも若きも時間や仕事に追われ、将来への不安からお金の心配にさいなまれる。そのような社会の中で心の底から“余裕”を感じている人は一体どれくらいいるのでしょうか。今回は「余裕がないとき」に表れやすい行動や対処法についてお伝えします。

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余裕がないときの態度や行動

余裕という言葉には「ゆとりがある状態」「あまっていて豊かなこと」「ゆったりしていること」「残りがある状態」という意味があります。そのうしろに打消しがつくと「時間の余裕がない」「お金の余裕がない」「心の余裕がない」など、本来そこにあるべき要素が足りないことを表現する言葉に変化します。
スケジュール(時間)や空間、経済状況などの物理的なことだけでなく、人の内面や人間性の充実度を表す際にも使い、文脈によって微妙にニュアンスが変化する便利な言葉ですが、そんな余裕を失うと何が起こるのでしょうか。まずは、余裕がない状況で表れがちな態度や行動について考えてみましょう。

些細なことで怒る

人は余裕を失うと視野が狭くなります。これは比喩ではなく心理学や神経科学の観点からも確認されている事実です。強すぎるストレスに反応して見える範囲が狭まり、ある特定のことにしか集中できなくなってしまうのです。
また、理性をつかさどる前頭前野の働きが弱まることも知られています。前頭前野の働きが弱まると感情をコントロールすることが難しくなり、怒りなどの衝動が表に現れやすくなります。余裕がない状況で普段なら気にならない些細なことや、他人のちょっとした言動にイライラしてしまうのはこのためです。

言葉がきつくなる

いつもは言葉を選んで丁寧に話す人であっても、余裕をなくすと言葉がとげとげしくなります。相手の気持ちや周囲の反応を考えて、直接的な表現を避けながら相手に伝えるのは意外と大変なこと。心に余裕があるときは相手の立場に立って言い方を工夫したり、遠回しな表現で伝えたりすることができる人も「相手の気持ちよりも自分の意見を通したい」と自分本位な衝動が先立つようになってしまうのです。

他人を責める

余裕がなくなると注意力が散漫になり判断力が低下し“他責”の傾向が強く出るようになります。ちょっとしたミスを犯した際にも自己防衛が働き「これは自分のミスではない」「○○さんのせいに違いない」と他人に責任転嫁して、人間関係にひびが入ってしまうことも。親しい間柄の相手にほどこの傾向が強く出るのは、家族や友人であれば「許してもらえる」という甘えがあるからかもしれません。

ネガティブな発言が増える

心身が疲れ切った状態では前向きに考える余力を失い、不安や不満が表出しがちです。物事は受け取り手の心持ちや見る角度によってプラスにもマイナスにも変化するものですが、余裕がないと物事のネガティブな面がことさら気になるようになります。

自己管理ができなくなる

余裕がなくなると睡眠や食事などの生活リズムが乱れたり、身だしなみに無頓着になったりする人がいます。夜勤や長時間労働が多い職種の人に「自分の家が片づけられない」という人は少なくありません。掃除や片づけをする時間が捻出できないという理由もありますが、中には自分の生活を整えることに興味が向かず軽いセルフネグレクト(自己放任)状態になっている場合もありますから注意が必要です。

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余裕がない人の5つの特徴

余裕がない人にはいくつかの性格的な特徴があります。

完璧主義

同じ作業量であっても余裕をなくす人、そうでない人がいるのはなぜでしょうか。個人の能力や作業スピードの差もありますが、それぞれが考える「ここまでやれば大丈夫」の基準値が異なることが大きく影響しています。「すべての仕事を把握しておきたい」「いかなる汚点も許さない」と考えるのが完璧主義な人ですが、毎回そのような姿勢で仕事や人間関係と向き合っていては、自分で自分を追い込んでしまいます。

優先順位をつけるのが苦手

職場であれ家庭であれ、ひとつの作業だけで完結する仕事は多くありません。そのような状況では、できるだけ優先度の高いものからこなしていく必要があります。すべてが横並びの状態では、どの仕事(または家事)から終わらせたらいいのかわかりません。今すぐに終わらせるべきもの、少し寝かせておいても問題ないものと優先順位を付けておくと、メリハリをつけながら作業を進めることができます。

他人の目を気にしすぎる

誰もが自分に合ったペースを持っています。そのスピードは人によって異なり「ゆっくりだから悪い」というわけではありませんが、コスパやタイパが重視される社会において自分のペースを守るのは難しいかもしれません。
昨今は何をしていても「他人の目が気になる」という人も少なくありません。SNSにおいての“映え”という言葉に象徴される視覚的な見栄えを求める傾向は、他者からの評価(いいね)を意識したものですが、普段の生活でも「人からどう見られているか」ばかりを気にしていては、心の余裕を得ることは難しいでしょう。

感情のコントロールが苦手

前頭前野は「脳の中の脳」とも呼ばれ、感情のコントロールも担っています。感情のコントロールが苦手な人は前頭前野が弱く、感情をつかさどる扁桃体(へんとうたい)も過敏な状態。緊張やストレスを感じやすく些細なことにも反応してしまうため、心がいつも揺れて落ち着かないのです。

自分を後回しにする

自分よりも他人を優先しようとする思いやりは尊いものですが、そうすることによって自分自身が余裕をなくしてしまっては元も子もありません。自分自身のケアを後回しにしていると、気づいたときには心身が限界に達してしまっていることも。自らが望んでその状況にいるわけではなく、育児や介護など「待ったなし」な状況もありますが、余裕をなくしやすい人はできるだけ“自分優先”を心がけたいものです。

余裕がなくなってしまう3つの原因

人が余裕をなくす原因についても考えてみましょう。

過剰なストレス

どんなに屈強な人であっても精神的な負担を受けたり、ストレスにさらされ続けたりすれば心の余裕はいとも簡単に消えてしまいます。人間関係の悩みや長時間労働が引き金となることもあれば、就職や進学など環境の大きな変化が影響することもあるでしょう。人によっては「自分がストレスを受けていることに気づいていない」という場合もありますが、いずれにせよ放っておけば何かしらの心身の不調が表われます。

睡眠不足や体調不良

フィジカル的な疲れも無関係ではありません。睡眠不足が続くと判断力が低下して、いつもなら容易にできる仕事に難儀してしまうことも少なくありません。
お腹が減ったときにイライラしたり、妙に気が立ったりしている自分に気がついたことはありませんか。これは空腹になると血糖値が下がり脳にエネルギーが行きわたらなくなるから。血糖値の低下がストレスホルモンを増やすことで、さらに不安や怒りを助長することもあります。私たちが想像する以上に心と肉体は深くつながっているのです。

過剰な責任感

完璧主義な性格ともつながりますが、強すぎる責任感がかえって自分を追い込んでしまうことは珍しくありません。周囲の人に頼るという選択肢を持たず「なんとしても自分ひとりでやらなければ」などと自分で抱え込んでしまう状況では、どのような人であっても心の余裕を失ってしまうでしょう。

余裕がないときの5つの対処法

それでは「いま余裕を失っているかも」と自覚した際はどのような対応をすればいいのでしょうか。臨床心理士の玉井仁さんの著者『私、合ってますよね?』の内容を一部引用しながら、余裕がないときの対処法や気持ちの持ち方についてお伝えします。

深呼吸をしてリセットする

舞台に立つ前の演奏家や役者さんが深呼吸をしながら幕が上がるのを待つシーンを見たことがある人も多いでしょう。余裕がないときに呼吸が浅くなるのは、脳内の交感神経が優位になっている状態。深呼吸をすることで副交感神経が刺激され、緊張をやわらげることができます。

休憩をしっかり取る

脱水症状を防ぐために、のどが渇くよりも前に水分補給をする必要があるというのは、多くの人が知っていることです。これは、のどの渇きを感じたときにはすでに体内の水分が不足しているからです。ですから、疲れを感じてから休憩するのではなく「疲れを感じる前」にこまめに休むことも意識してみてください。
空いた時間があると何かしら予定を詰め込みたくなるかもしれませんが「何も予定がない時間」は欠かせません。仕事の納期にバッファー(時間のゆとり)をもうけるように、余白の時間こそが心の余裕を生み、その余裕が新しい仕事のアイデアやクリエイティブな発想を呼び込むのです。

優先順位を整理する

臨床心理士、玉井仁さんの著書『私、合ってますよね?』は発達心理学の視点を踏まえながら、人が無意識に身につけた行動パターンや考え方、それぞれが抱えた“生きづらさ”をひもとき、自分自身と上手に付き合うための一歩を後押しする1冊です。本書から「効率にとらわれたコスパ・タイパ至上主義さん」と呼ばれる人物の言葉を一部、引用してご紹介します。

「なんで、自分がこんなに仕事や自己啓発ばかりに気持ちが向くようになったのか、改めて考えてみたんです。最初は『ちゃんと家族のために稼がないと』という思いや焦りがあったんですよ。それなのに、いつの間にか家族のことから離れて、業績を上げようとコスト計算や効率ばかりに追われてしまっていたんですね。
いつの間にか、妻や子どもの話を聞くとか、すぐに解決もできない話を聞くような時間はもったいないと思うようになってしまって。そんな時間があればもっと仕事をしないと、と考えるようになっていました。ゆっくりと家族で過ごすとか、のんびりするという感覚を忘れていました」

出典:私、合ってますよね?しちゃう、できない、やめられないの正体

現代人は「より早く、より正確にできた方が『もっとたくさんいいものが手に入る』」つまり、「早いことはいいこと」という思い込みにとらわれているといいます。コストパフォーマンス(費用対効果)やタイムパフォーマンス(時間対効果)を優先するあまり、家族や大切な人たちと疎遠になってしまうことは少なくありません。自分にとって大切なことを忘れないためにも、人生の節目節目で「自分にとっての優先順位」について改めて思いをめぐらせてみましょう。

誰かに頼る

人に助けてもらうことは、必ずしも「甘え」や「悪いこと」ではありません。すでに限界にも関わらず「ひとりで頑張らなければ」という思い込みを手放すことができないと、さらに困った状況になります。適度なタイミングで信頼できる人に相談したり素直に助けを求めたりすることが大切です。

自分を責めない

うまくいかないときに自分を責めるのは明らかに悪手です。転んだ自分を否定し続けるばかりでは気持ちが落ち込んで、さらなるミスにつながることもあるでしょう。「失敗することもある」「できなかったけど、また頑張ろう」と自分自身に語りかけることで、再び立ち上がってトライをする気力が湧いてきます。

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常に余裕を持つためには

「気がつくといつも余裕がない」「そんな自分を変えたい」という人に向けて、気持ちの余裕をつくるための方法についてお伝えします。

スケジュールに余白をつくる

予定をぎっしり詰め込んでしまうと心にも体にも余裕がなくなります。ルーティンワークがメインの仕事であっても、ときにトラブルは起こるもの。「何もしない時間」や「余白の時間」をスケジュールに組み込んでおくことで時間と心の余裕が生まれ、想定外の出来事やトラブルにも臨機応変に対応できるようになります。

健康的な生活を心がける

睡眠不足や偏った食事、運動不足は心の余裕に大きく影響します。体調が万全であれば少しくらいの無理が効くこともありますし、規則正しい生活リズムを整えるだけでも、気分が安定してストレスに強くなります。まずは十分な睡眠とバランスの良い食事から意識するところから始めてみましょう。

小さな成功体験を積み重ねる

一度に大きな目標を達成しようとするのは負担が大きいもの。それが新しいことであればなおさらです。何かを始める際は「1日5分から」など小さな目標を定め、それらを一つひとつ達成していくことができれば「自分はやればできる」という自信にもつながります。

ポジティブな情報に触れる

人は知らず知らずのうちに周囲からの影響を大きく受けるものです。ネガティブなニュースや人の悪口ばかりが耳に入る状況に長くいると心がすり減っていきますし、身近にいる人や所属するグループの雰囲気の影響を受けることもあるでしょう。できるだけポジティブな情報を取り入れ、自分の心が「ほっとする」ところに身を置くことを意識して過ごしましょう。

自分に優しくする習慣をつける

忙しい日々の中で、ときどき自分の気持ちや体調に目を向けて自分の調子を確認してみてください。他の人が忙しく働いている中で自分だけが「休む」ということに罪悪感を覚える人も少なくありませんが、社会人として心身のコンディションを整えることは何よりも大切なことです。休むだけでなく、好きなものを食べたり映画や本、音楽などの好きなコンテンツに触れて気持ちをリフレッシュしたりすることも大切な自己管理の方法です。

余裕がない人への5つの対処法

家庭や職場にひとり余裕がないタイプの人がいると、イライラした気持ちが波及して周囲も居心地が悪くなります。余裕がない人が身近にいる場合、どのような対応をすればいいのでしょうか。

相手を責めない

余裕がない人に対して「どうしてそんなにピリピリしているの?」と責めたくなる気持ちが湧くこともあるでしょう。この場合、正論を伝えるのは逆効果です。相手は相手で苦しんでいる可能性もありますから、少し離れたところで「今はそういう状態なんだな」と見守ってあげましょう。

無理に助けようとしない

相手のためを思って手を差し伸べたくなることもあるかもしれませんが、本人にその気がないときに助けようとしても、かえって反発を呼ぶだけです。必要なときには手を貸す姿勢を見せつつも、相手のタイミングや気持ちを尊重することが大切です。

自分まで巻き込まれないようにする

余裕のない人のイライラや焦りに引きずられると、あなたまで疲弊してしまいます。距離を取る、話題を変えるなど、必要に応じて境界線を引くことも大切です。「自分は自分」と心の中で意識して、自分のペースや立ち位置を守ってください。

話を聞く姿勢を持つ

余裕のない人は、自分の状況をうまく言葉で説明できずにストレスを溜め込んでいることがあります。ときには具体的なアドバイスよりも、じっくりと話を聞いてあげた方がその人のためになる場合もあります。自分の気持ちを「わかってもらった」「受け止めてもらった」という実感が相手の心を少し軽くしてくれるはずです。

自分自身のケアをわすれない

誰かの不安定な状態に付き合っていると、ネガティブな雰囲気にあてられて自分の心と体にも影響が出てきます。相手のサポートをしながらも決して無理をせず、ストレスを溜めすぎないように注意しましょう。ときには相手からいったん離れるという選択が必要なこともあるかもしれません。

まとめ

不機嫌になったり言葉がきつくなったり、やたらとネガティブになったり。人は余裕がないと何かしらの影響が出てくるものです。環境や体調、思い込みなど原因はさまざまですが、もし余裕のない自分に気付いたら、それを“心や身体のサイン”と考えて、まずは休むこと。焦らず、無理せずに時間をかけて心のゆとりを取り戻していきましょう。

ニューモラル出版

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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