人と関わりたくないと感じるのはなぜ?原因や対処法について解説!

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SNS上においては、そのフォロワー数でインフルエンサーの価値が決まるように、つながっている人が多ければ多いほど「充実した人生」のように錯覚しがちですが、果たして本当にそうでしょうか?
アリストテレスが人間を「社会的動物」と呼んだように、人は集団の中で言語やルールといった複雑なシステムを構築しながら存在しています。ですが、置かれた状況や気分によっては「人と関わりたくない」と感じることがあるのもまた事実です。
今回は、人と関わりたくないと感じる要因について考えてみましょう。

* この記事の要点 *
・人と関わりたくないときは「傷つきたくない」と心の防御が働いている。
・この時代、人のつながりから“完全に降りる”のは難しい。
・すべての人と「深く関わり合う必要はない」と割り切ると、心が軽くなることも。
目次▽▲▽

人と関わりたくないと感じる5つの理由

まずは、人と関わりたくないと感じる理由について考えてみましょう。

人間関係で傷ついた経験がある

人間関係で傷ついた経験があると、なかなか人と関わることに積極的になれないものです。たとえ当時の記憶が薄れても、ネガティブな感覚やトラウマが残っていて、「もうあんな思いはしたくない」と他人と一定の距離を置きたくなっても不思議ではありません。
逆に、悪気なく人を傷つけてしまった経験から、人と近づくことが怖くなってしまったという人もいるでしょう。とはいえ、人間関係を築く方法や他人との距離感などは、失敗や試行錯誤を繰り返すことでしか身に付けることができないのが難しいところです。

他人に気を使いすぎて疲れる

気の置けない仲間との集まりだったはずが、他の人と別れてひとりになった途端になぜかグッタリ。次の約束をするのもおっくうになる。そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。このように、人と関わる際に優しくて気遣いのできる性格の人ほど気疲れしてしまいがちです。
相手に合わせようと自分の本音を後回しにすることで、その場の空気は一時的には良くなるかもしれません。ですが、「自分の気持ちを抑えた」という経験は知らず知らずのうちにストレスとして積み重なっていくもの。その結果、本人も具体的な理由が分からないまま、人と接することに苦手意識を持つようになってしまいます。

孤独が平気、むしろ心地いい

特にネガティブな理由もなく、「ただひとりでいるのが好きなだけ」という人もいるでしょう。他人と一緒にいるよりも自分ひとりで過ごす孤独な時間に心地良さを感じる人々は、親しい関係や人付き合いを必要とせず、むしろ「煩わしい」と感じています。
人によって食べ物の好みが違うように、自然体でいられる場所や人間関係のあり方も人それぞれ。仕事や家庭に支障がなく、本人も特に問題を感じていないのであれば、無理に自分を変えたり周囲に合わせたりする必要はないでしょう。

自己肯定感が低い

人と一緒に何かをするのが苦手というわけではないけれど、自己肯定感の低さゆえに心のどこかで「自分なんかと関わる価値はない」と考えてしまう人がいます。さらには「一緒にいる相手に申し訳ない」「そのうち嫌われてしまうに違いない」と人に嫌われるのが怖くて交流を避けるなど、負のループに陥っている人も少なくありません。本人は謙虚なつもりかもしれませんが、実はその考え方自体が相手を傷つける可能性を含んでいます。

社会のルールやノリが合わない

小学校の頃、いつも友達に取り囲まれていて担任の先生からの信頼も厚い「人気者」がクラスにひとりはいたでしょう。社会人になってもコミュニケーション能力や社交性、人脈の広さは大きなアドバンテージです。
とはいえ、すべての人が彼らのように「うまく振る舞える」わけでもなく、集団生活の中で求められる密な人間関係や同調圧力に違和感を覚える人も少なくありません。そのような人にとっては、型にはまった会話やその場の空気を読むことは苦痛でしかなく、無理に周囲に合わせるよりも「ひとりでいるほうがラク」と感じてしまうのです。

人と関わりたくないと感じやすい人の5つの特徴

人と関わりたくないと感じやすい人が持つ特徴についてもお伝えします。

内向的な性格

大人数が集まるところに行くよりも、ひとりで静かに過ごす時間を好む内向的な性格の人々がいます。自分の内側に興味や関心が向かう人にとっては、外からの刺激が強すぎる社交的な場は楽しさよりも居心地の悪さが上回ります。内向的だからといって必ずしも「人付き合いが苦手」というわけではありませんが、広く浅い付き合いよりもせまく深い関係を大切にする人が多いようです。

感受性が強い

感受性が強い人は他人の感情やその場の雰囲気の影響を受けやすく、些細な出来事にも敏感に反応してしまいます。ちょっとした言葉使いや人との距離感など、他の人であれば受け流すようなことが気になってしまうのです。それゆえ、人と関わると疲れてしまって「人間関係=煩わしいもの」という印象を抱きがちです。

完璧主義

人と関わるときも「ちゃんとしたことを言わなくちゃいけない」「人から好かれる振る舞いをしなければ」と気を張ってしまうのが完璧主義の人です。自分自身に高いハードルを課しているため、常に緊張状態にあり、自然体で振る舞うことができずにいます。そのような雰囲気はだいたい周囲にも伝わるもので、陰では「あの人と話すとなんか疲れる」と思われている可能性も。

過去にいじめやハラスメントを経験している

学生時代のいじめや職場でハラスメントを受けるなどの経験があると、他人への警戒心が強まり、人間関係に前向きになることができません。拒否感が先行して、無理に人と関わろうとすること自体がストレスになる人もいます。新しい環境や出会いがきっかけで人間関係へのイメージが変わることもあれば、時間が解決してくれる場合もあるでしょう。

一人で物事を完結できるタイプ

趣味や仕事、研究など、ひとりで没頭する対象がある人は、それとは関係ない人間関係にはあまり重きを置かないようです。興味があるものについてはどこまでも熱中しますが、そうでないものに対しては徹底的に興味がないなど、良い意味でも悪い意味でも「自己完結」しています。アイドルやキャラクターなどを応援する「推し活」をする人などはその典型かもしれません。

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人と関わりたくない人の心理

人と関わりたくないと感じる際、どのような心理が働いているのでしょうか。

傷つきたくないという防御本能

人から否定されることに強い恐怖を感じる人は、人と積極的に関わるのを避ける傾向があります。無意識のうちに「傷つきたくない」と自分を守ろうとする防御本能が働いている状態です。
本来、人は「家庭」という小さな集合体からスタートして、成長するにつれ学校や社会へと徐々に自分の世界を広げていきます。その意味では「人と関わりたくない」という感覚は成長を逆戻りさせているようにも見えます。『7つの感情』や『私、合ってますよね?』などの著書を持つ臨床心理士の玉井仁さんは、この状態を「世界を小さくする」という言葉で説明しています。

強いストレスにさらされるということは、「自分を守れていない」という認識につながりますから、世界を小さくして自分を守ろうとします。引きこもるというのもそのひとつの表れです。
その際は自己中心的になりがちですし、人に「なんとかしてほしい」という欲求を持つ傾向が強くなります。ある程度育った子どもが“赤ちゃん返り”をすることがあるように、発達を逆戻りさせることはままあるのです。

出典:私、合ってますよね?しちゃう、できない、やめられないの正体

他人に期待しない方が楽だと感じている

周囲の人と一定の距離を置いたり、あえて無関心を装うなどの態度を取ったりするなど、「期待をすると裏切られるかもしれない」と考えて、最初から他人に期待をしないことを選ぶ人がいます。過去に人間関係で傷ついた経験がある人ほど、相手に踏み込むことなく“一歩引いた”コミュニケーションを好むようです。これには「関わりを持たなければ傷つくことはない」という思いが影響しています。

自己肯定感を保つための手段

自分と他人を比べてしまうと自信が失われてしまうように感じて、あえて「人と関わらない生活」を選ぶ人もいます。これも自分の心を守るひとつの方法と言えるでしょう。
確かに自分の内にこもっていれば、横並びになって評価されるような場面は避けられますし、直接に否定的な言葉を投げかけられることもありません。とはいえ、現実的には誰もがインターネットで常時つながっているこの時代において、人と比べることから“完全に降りる”のは無理な話でもあります。

人と関わりたくないときの対処法

ここからは、人と関わりたくないときの対処法についてもお伝えします。

無理に社交的になる必要はないと諦める

人生のどこかで人と関わりたくない時期があるのは、決して異常なことではありません。「今はひとりでいたい」という自分を認め、社交的に振る舞うことをいったん諦めるのもひとつの方法です。そのような状態の人に「普通ならこうする」という押し付けはあまり意味がないようです。前出の玉井さんも、それぞれの人のあり方に「正解はない」と伝えています。

社会・他者などの現実世界からの刺激(インプット)、その捉え方や受け止め方(処理)、そして表現の仕方(アウトプット)などのあり方に正解はありません。人や社会に対して、なじめないと感じて距離を置いている人に対して、多くの人が社会で許容されていると考える常識や「ふつうはこうでしょ」という態度を押しつけても、お互いの交流ができないのです。

前掲書

自分が安心できる人とだけ関わる

「すべての人と深く関わり合う必要はない」と割り切ると、少しだけ心が軽くなります。親しい相手は多ければ多いほどいいという類のものではありませんから、まずは家族や友人など身近な相手との人間関係を大切にしてみましょう。無理なく“ゆるくつながるからこそ長く続く関係性もありますし、オンライン上で行われる匿名でのやり取りが孤独感をやわらげてくれることも少なくありません。

ひとりの時間を充実させる

ひとりで過ごす時間をネガティブなものととらえるのでなく「自分を整える時間」と考えてみませんか?目の前のことに集中しようとすると雑念が消えて、心のバランスが整えやすくなります。
考えてみれば、読書や筋トレ、勉強などは基本的に個人で取り組むものですし、ひとり時間が充実させると心の余裕が生まれ、自然と「人と関わろう」という気持ちが生まれてくるはずです。

自己理解を深める

心に余裕があるタイミングで、自分が「なぜ人と関わりたくないのか」について考えてみるのもいいでしょう。もしかしたら、自分でも忘れているような些細なきっかけや幼少期の体験に原因が隠れているかもしれません。
ノートでもチラシの裏でも頭に思いついたことを紙に書き出してみましょう。書き出すことで物事の全体像がつかみやすくなり、自身の気持ちを客観的に見られるようになります。自分の知らない一面や無意識の行動パターンに気付くなど、自己理解を深めていくことで他人との付き合い方が変わっていく可能性も期待できます。

心理カウンセリングを受ける

学校や職場など最低限の人付き合いさえ難しいと感じた場合は、すでにメンタルヘルスが不調をきたしている状態かもしれません。その場合は自分でなんとかしようとするのではなく、できるだけ早めに専門家や医療機関に相談してください。最近は比較的安価にオンラインで受けられるカウンセリングもありますから、深刻な状況になる前に必要なサポートとつながっておくことが大切です。

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人と関わりたくない人に向いている仕事

多くの仕事は相手あってのものですから、まったく関わらないのは難しいとしても、そこまでコミュニケーション能力や社交性を求められず、最低限のコミュニケーションで済む仕事や環境を選ぶことはできるはずです。近年はオンライン上のやり取りで完結できるシステムやフローを採用する企業が増えるなど、リモートワークをしながら自分のペースで働きたい人には追い風です。
たとえば、データ入力や倉庫作業、製造ラインでの作業など、モノやデータと向き合う仕事はひとりで淡々と作業するのが好きな人に向いています。専門的なスキルが前提になりますが、システムエンジニアやライター、イラストレーター、ウェブデザイナーなどの仕事もあります。
人とは会いたくないけれど運転や体を動かすことが好きな人であれば、トラック運転手や清掃の仕事、夜勤の警備員なども条件が整っています。

人と関わりたくないと感じるのは病気の可能性もある

気分の落ち込みが長く続いたり、「すべての関係を断ちたい」などと極端な思考に傾いてしまっていたりする場合は、背景に社会不安障害やうつ病などの病気やメンタルの不調、「繊細さん」と呼ばれるHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)などの特性が関係していることも少なくありません。
日常生活に支障が生じているのであれば、早めに専門機関に相談して適切なサポートを受けましょう。ネットの情報を鵜呑みにするのは危険です。
どこに相談したらよいか分からないという方は、以下の厚生労働省の相談窓口を利用してみましょう。
https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/(働く人のメンタルヘルス·ポータルサイト「こころの耳」)

まとめ

無理して人と関わる必要はありませんが、新しいチャンスや人生の転機もまた「人」が連れてくるもの。人との関わりを徹底的に避けるような毎日では、大切なものを見失ってしまう可能性があります。
俳優のショーン・ペンが監督を務めた映画「イントゥ・ザ・ワイルド」は、アラスカを放浪して亡くなった青年を描いたノンフィクション「荒野へ」をもとにしたストーリーです。
映画の最後、死を前にした主人公は、ノートに「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合ったときだ」と書き記します。人とのつながりとは何か、幸福とは何かについて深く考えさせられる言葉です。

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\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ

ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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