2024年02月21日
普段、何気なく使っている「品がある」という言葉。上品な雰囲気や所作が美しい人などを指し、誉め言葉として「あの人、品があるよね」と表現することがあります。そもそも「品」とは一体何を指しているのでしょうか?「品がある」と言われる人の共通点を考えてみましょう。
「品がある」とは、行動や振る舞いに洗練された美しさや上品さが感じられることを指し、内面の成熟度が外見や態度に表れることを意味しています。優雅で余裕があり、落ち着いた雰囲気をたたえる際に「品がある」と表現することが多いようです。
どちらも頭に「品」のつく言葉ですが、「品性(ひんせい)」は個人の道徳的・精神的な資質を指し、それらが充実した人を「品性が高い」と表現します。私たちが充実した人生を送るためには、財力や学力、権力や技術力などの目に見える力も大切ですが、ニューモラルブックストアでは、そうした力を本当に活かし、自分だけではなく周囲や社会に役立たせようとする道徳性こそが、充実した人生の土台だと考えます。その道徳性こそ「品性」なのではないでしょうか。
また、「品格(ひんかく)」はその人の全体的な人格や風格を示します。気高さや上品さを持つ人を表現する際、「振る舞いに自然と品格が備わっている」などと使います。
品がある女性は、約束をきちんと守り、真摯な態度で人に接します。人や仕事に対して「誠実でいる」ことを念頭に行動するため、ビジネスでも他人からの信頼を得やすいタイプです。相手によって態度を変えることもありません。
他人の気持ちを考慮し、優しさと配慮を持って人に接する人が多く、そこに存在するだけで人間関係を円満で円滑にしてくれます。品のある人は、善いことをする際に、見返りや他者からの評価を期待せず、自分の良心に応じて行動することが多いため、いつも内面が豊かに磨かれていて、その生き方には深みを感じられます。
予期せぬ出来事にも冷静に対応するなど、感情のコントロールが得意です。ネガティブな気持ちに振り回されることなく、臨機応変に適切な判断ができます。その落ち着いた物腰から、安心を感じる人は多いようです。
品のある女性は、礼儀を重んじ、丁寧な言葉づかいを大切にします。目上の人を敬い、礼儀やマナーを通じて相手に尊重と尊敬の気持ちを伝えます。それでいて必要以上に仰々しくなく、人に気をつかわせない自然な振る舞いができるのも品のある女性の特徴です。
品がある人を「凛として美しい」と表現することもありますが、それは見た目や表面的な魅力にとどまらず、その人がまとう雰囲気や内面からあふれる美しさを指しています。精神的に豊かでいるために、自分の内面を磨くことを怠りません。
自己成長のための学びをおろそかにせず、広い知識と深い教養を持ち合わせています。その人の知性は会話や態度に表れますが、品のある人は決してそれらを自分からひけらかすことはありません。むしろ目の前の相手を尊重し、人の話に真摯に耳を傾けることができる「聞き上手」が多いようです。
自立した精神を持ち、精神的にも経済的にも他人に頼りすぎません。自己決定能力が高く、誰かに頼ることはあっても依存しすぎることはなく、自ら人生を切り開こうという前向きで強い意思を持っています。たとえ困難に直面した時でも、その前向きな意思は揺らがず「心を磨くチャンス」と捉え、真正面から向き合うことができます。
内面には芯の強さがありながら、いつも謙虚な姿勢を忘れません。見栄を張らずにありのままの自分を受け容れながら、人が見ていないところでの努力も惜しみませんが、本人はそれが「当たり前」と思っているため、周囲に努力を自慢することもありません。一方で、人に手助けを求められた際には謙遜せず、自然と手を差し伸べられる心の余裕を持っているのも特徴です。
トレンドを問わないシンプルで清潔感がある服装、上品なファッションセンスは外見からも品のよさが伝わってきます。TPOに合わせて適切な服装を選ぶことができるため、どこに行ってもその場に馴染み、老若男女すべての人に「感じがいい」と好感を持たれます。
ビジネスコンサルタントで作法家の三枝理枝子さんは、「日常の些細な心の動きこそが、私たちの人生を形づくっています。目に見えない心の働きが、私たちの行動や感情、人間関係に影響を与えているのです」と述べています。
(『幸せを感じる人間力の高め方』モラロジー道徳教育財団刊より)
「品性」や「品格」とは一朝一夕で身につくものではなく、日々の意識と行動がその人の「品」として表れるため、普段から自己研鑽の意識を持つことが大切です。
ここでは、品がある人になるための具体的な方法についてみていきましょう。
「これでよかったのかな?」「こうすれば、もっとうまくいったかも」などと、日々の自身の行動や態度を振り返り、できるだけ問題や改善点を見つけることを習慣にしてみましょう。自分自身への理解を深めることにもつながります。
基本的なマナーや礼儀を身につけ、日常生活に取り入れてみましょう。食事の作法やビジネスシーンでの適切な振る舞いは他人への配慮から生まれるものです。うわべだけでなく、型に心が伴うことで初めて相手の心に届く作法となります。
前述の三枝理枝子さんは、礼儀の本質はハウツーではなく「人間として生きる基礎力」であり、「相手を大切にする思いが形として表に出る」ものと伝えています。また、茶道や生け花など日本の伝統的な文化を学ぶことも、自国の歴史やおもてなしの精神を磨くために役立ちます。
円滑な人間関係を構築するには、他人を尊重し、相手の立場に立って考える共感力が求められます。誰でも取り組めて、他人を尊重した重要なコミュニケーションツールの一つが「挨拶」です。自分から先に声をかけ、そこに「気持ちのいいお天気ですね」「今日もよろしくお願いします」などポジティブなひと言を添えて“私はあなたを大切に思っていますよ”という気持ちを伝えましょう。
精神的な成長は品格を高めることにつながります。大人になっても学び続けようという気持ちが大切です。読書や芸術鑑賞、語学などの習得は内面を豊かにするとともに、見える世界を広げてくれます。また自分と違う文化や立場の人と接することも多様性の理解につながります。
特別な場所や誰かに見られるシチュエーションでなくても、ほんの少しだけ言葉づかいや立ち振る舞いを意識してみましょう。日常の習慣こそがその人の人生の軸をつくります。丁寧な生活をしているか否かは、周りの人にも不思議と伝わってしまうものです。「こんな人になりたい」と具体的なイメージを持ち、普段から品位を高める努力が大切です。
一方で「品がない」とみなされがちな人にも、いくつかの共通した特徴があるようです。あなたは当てはまっていませんか?
他人への尊重や尊敬に欠けた無礼な態度を取っていませんか?たとえその日、自分にとって嫌なことがあったとしても、それは相手には関係のないこと。人と接するときは、礼儀や気持ちのいいコミュニケーションを心がけましょう。他人を見下したり自慢話を延々としたりするなど、傲慢な態度も避けたいものです。
他人の気持ちを考慮せずに自分本位の行動に走り、問題が起こった際も自らを省みることなく「誰かのせい」と決めつけていませんか?そんな人の周囲からはいつか人が離れていきます。他人への配慮に欠けた言動をしていないか意識することが重要です。
感情の起伏が激しく冷静さを失いやすい人は「品がある」とはいえません。特にネガティブな感情を周囲に不用意にまき散らす人は、未熟で幼稚な印象を与えます。感情コントロールの習慣を身につけることが大切です。
清潔感がなく身だしなみにも無頓着。外見は他人には関係ないように思えますが、身なりを整えないことは、会う人や同じ空間にいる人に対して無礼であることを忘れないようにしましょう。周囲の人に対して気持ちのいい印象を与えられるよう、適切な外見の手入れも欠かせません。
芸能界には「品がある」と称される女性たちがいます。品があるイメージで人気の女優を5名ピックアップしました。テレビやスクリーンの中で輝く彼女たちから学べることがあるかもしれませんね。
自然体で親しみやすい人柄と、どのような役にも真摯に取り組む姿が評価の高い綾瀬はるかさん。スタッフにも気づかいを欠かさず、現場での好感度が抜群に高いことでも有名です。ふんわりと柔らかい雰囲気ですが、控えめながらも確固たる品格が感じられます。
独特の存在感と深い演技力で知られ、品のある振る舞いが魅力の黒木華さん。古風な雰囲気を持ち、着物姿で時代劇に多く出演しています。黒木さんが醸し出すしっとりとした品のよさは、出演する作品全体の印象を引き締めます。
映画やドラマで卓越した演技力を発揮し、落ち着いた物腰と品のある佇まいの天海祐希さん。芯の強い女性を演じることが多いイメージですが、バラエティー番組などで見せるコミカルなキャラクターとのギャップも魅力です。多くの女性にとって憧れの存在です。
可憐で優雅な雰囲気を持ちながら、作品以外の場所で率直な人柄が垣間見える北川景子さん。作品に対してストイックに取り組むことで知られますが、私生活では夫のDAIGOさんとの間に2人の子供がいるママでもあります。仕事と家庭に向き合う姿が共感を呼んでいます。
エレガントな雰囲気で同性からの支持が高い石原さとみさん。演技だけでなく美容に対しても努力を怠らないことで知られています。自分をよく知り、成長しようとする姿が品のよさにもつながっています。
品がある人に共通する特徴を見てきましたが、ポイントは、「内面の美しさを磨く努力」「他者を尊重する心のゆとり」にあるようです。私たちはつい、分かりやすい表面的な魅力に目を奪われがちですが、「品がある人」になるためには内面の充実をめざすことが最も重要といえるでしょう。自らの人生の軸をしっかりと持ちながら、目に見えない些細な心の働きに注視して磨き続ける。磨かれた心はいつしか行動として、習慣として目に見える形に表れ、あなたの人生を形づくります。品のある女性をめざして、外見を磨く以上に心磨きの努力を大切にしたいものです。
\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。
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