情報に流される?使いこなす?――思考力があれば情報の海に溺れない

ECブログ

スマートフォンを開けば、さまざまなニュースや情報が次々と表示され、更新される昨今。何が正しくて、何が自分にとって良いのかを判断する暇もなく、情報に翻弄されてしまっているという人も多いのではないでしょうか。

そうした中、自分の考えを整理し、正しく情報を判断する「思考力」がますます重要になっています。思考力は、ただ知識を持つだけでなく、それをどう使うか、どう考えるかを決めるための力です。

ここでは、思考力の中でも特に重要な4つの力と、それぞれの役割や鍛え方について解説します。情報に流されて生きるのか、情報を使いこなして生きていくのか、思考力の有無がその分かれ目になります。

目次△▼△

 

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思考力とは?

思考力とは、物事を正確に理解し、分析し、自分なりに考えて解決策を導き出す力のことです。単に知識を得るだけではなく、得た情報を基にして何かを判断したり、新しいアイデアを生み出したりする力が含まれます。

たとえば、問題に直面したとき、その原因を考え、解決策を見つけるプロセスでも思考力が発揮され、新しい発想を生み出す際にも重要な役割を果たします。「今何をすべきなのか」「もし、今試している方法がうまくいかなかったとしたらどう切り替える?」など、先を読んで常に考え続ける力ともいえるでしょう。

もし思考力がないとしたら、先が読めないため環境や情報の変化に振り回されやすく、今やるべきことが定まらずふわふわと人生を漂うことに……。

4つの思考力

一口に思考力といってもさまざまな種類がありますが、ここでは特に重要な4つの思考力について紹介します。

1. 論理的思考力

論理的思考力は、物事を順序立てて考え、筋道を立てて結論を導き出す力です。具体的には、原因と結果の関係を理解し、どのような手順で物事が進んでいくかを明確にする力といえます。

論理的思考力が高いと、複雑に絡まった問題の糸をときほぐし、解決策を見つけることが得意になります。また、感情に左右されず、冷静に物事を判断する力でもあります。

 

2. 批判的思考力

批判的思考力は、与えられた情報をそのまま受け入れるのではなく、「これはどういうことだろう?」「この点は違うのでは?」と矛盾や疑問を見つけ出し、客観的に考える力です。

ニュースやインターネットで得られる多様な情報の中には信頼性に欠けるものや、誤った情報も含まれています。批判的思考力があれば、そうした情報に対して慎重に判断を下し、信頼できる情報を選び取ることができます。この力は、特に情報が氾濫している現代においてとても大切です。

 

3. 創造的思考力

身の回りに、どこからそんな柔軟なアイデアが次々と湧いてくるのだろうと感心してしまう人はいませんか。
そうした人が身につけているのが、創造的思考力。今までの枠にとらわれずに新しいアイデアや方法を生み出す力です。

従来のやり方にこだわらず、自由な発想で物事を捉えることで、革新的な解決策やプロジェクトを進めることができます。創造的思考力が高い人は、「そんな視点があったのか」と他の人が思いつかないようなユニークなアイデアを提案することができ、新しい価値を生み出す力があります。

 

4. 多面的思考力

多面的思考力とは、1つの問題をさまざまな視点から考える力です。例えば、円柱は真上から見ると円形ですが、真横から見ると長方形になりますよね。人間は、今見えているものや自分が見たもの聞いたことで物事を判断しがちです。単に自分の立場だけで物事を捉えるのではなく、他の人の立場や異なる視点からも考えてみることで、気づくことのできなかった問題やアイデアを発見でき、より深い理解が得られます。

多面的思考力を持つことは、問題の本質を見極め、バランスの取れた解決策を見つけることに役立ちます。

なぜ思考力が大切なのか?

情報革命とも称される昨今の変化の中で、AIやテクノロジーの進化により、単純な作業は機械が行うようになりました。そこで、人間に求められるのが思考力です。

思考力を鍛えることで、複雑な問題に対して柔軟に対応し、新しい価値を生み出すことができます。また、情報化社会では、誤った情報や偏った見解が広がりやすいため、自分で正しい判断を下す能力が必要です。

思考力がなければ、情報に流されるだけで、自分の意見や考えを持つことが難しくなるでしょう。だからこそ、今の時代において思考力はますます重要な力となっているのです。

思考力がある人の7つの特徴

ここからは思考力がある人の7つの特徴をみていきましょう。

1. 複雑な問題を解決するのが得意

思考力がある人は、物事を順序立てて考える力があり、複雑な問題を整理して解決することが得意です。何か問題が起こった際に、場当たり的な対処をせず、きちんと原因を分析し、具体的な解決策を導き出すことができます。

 

2. 一歩引いた批判的な見方ができる

与えられた情報を鵜吞みにせず、一歩引いた視点から疑問を持って考える習慣をもっています。例えば、ニュースやインターネットの情報に対しても、内容を一方的に信じることはせず、裏付けを取ることも忘れません。

 

3. 創造的な発想が得意

既存の枠にとらわれず、自由な発想で今起きている問題にアプローチします。新しいアイデアを生み出すことが得意で、チームやプロジェクトにいつも新たな風を吹き込んでくれます。

 

4. 1つの視点にとらわれない

思考力がある人は、1つの視点に固執することがありません。さまざまな視点から物事を捉えることが得意なので、何か問題に直面したときも異なる立場や考え方を理解するための努力を惜しまず、バランスの取れた解決策を見つけることができます。

 

5. 正しく効果的に情報を活用する

多種多様な情報の中から、正しく情報収集し、それを効果的に活用することが得意です。情報を整理し、必要なものだけをピックアップすることで、より正確な決断を下します。

 

6. 問題解決の幅を広げる柔軟さ

刻々と変化する状況にも焦らず柔軟に対応し、さまざまなアプローチを試みようとします。「この方法がだめなら次はこれ」といったように、思考力があると1つの方法に固執しないので問題解決の幅が広がります。

 

7. 客観的に自己評価できる

思考力がある人は、客観的に自己評価ができるので、自分の強みや弱みを冷静に捉えられます。感情の波に支配されず自分の考えや行動を振り返り、必要に応じて修正したり、より磨きをかけたりすることで成長をめざしています。

今日からできる!思考力を鍛える10の方法

思考力は筋トレと同じで、意識して日々の考え方や習慣を変えることで鍛えることができます。自分の興味のあることやできるところから始めてみてはいかがでしょうか。

1. 読書

読書は思考力を高める最も基本的な方法です。さまざまなジャンルの本を読むことで、新しい知識や異なる視点に触れ、自分の考え方を広げることができます。特に、論理的な構成がしっかりしている本や批評的な視点を持った書籍を読むと、思考力が鍛えられます。

 

2. 数学やパズルを解く

問題を見つけて解決するプロセスを繰り返すことで、論理的思考力が鍛えられます。例えば、数学の問題やパズルは解決までに論理的なステップを踏むため、思考力を伸ばすことに役立ちます。

 

3. 批判的に情報を見てみる

クリティカルシンキング(批判的思考)は、情報や主張に対して疑問を持ち、はっきりとした理由や根拠を求める練習を繰り返すことで養われます。新聞記事やインターネットで見かける情報に対しても、その情報の根拠は何か、本当にその情報が正しいのか、自分の頭で考えることが大切です。

 

4. ディベートに参加する

自分と立場の異なる人と意見を交わすことは、思考力を効果的に向上させます。

ディベートの目的は口論で相手を言い負かすことではなく、異なる立場の者同士が論理的に議論すること。相手の言い分をいったん受け止め、批判的に思考し、自分の意見を発言しなければいけません。ディベートを通じて、異なる視点や意見に触れることは、自分の考えをより深めたり修正したりする練習になります。

 

5. 絵や文章を書く

創造的な活動――例えば絵を描いたり、文章を書いたりすることでクリエイティブな思考力が養われます。

特に絵を描くことは、感覚やインスピレーションを司る右脳が鍛えられるので、描けば描くほど発想力が豊かになるといわれています。上手い下手を意識せず、手を動かして目の前の真っ白な紙に新たな表現を生み出すだけで立派な創造的な行為です。

 

6. 論理的なゲームに挑戦する

チェスや将棋のようなゲームは、論理的思考力を鍛えることができます。次の一手を考えたり、相手の出方を予想したり、複数の選択肢を比較したりすることが、論理的な思考を育てることにつながるのです。

 

7. 書く瞑想「ジャーナリング」

日々の出来事や頭に浮かんだことを紙に書きだす「ジャーナリング」は、自分の思考を整理する良い方法です。紙に書きだすと自分の考え方や感情を言語化し客観的に見ることができ、自己理解が深まると同時に、思考力の向上に役立ちます。

自分は今何に悩んでいるのだろう、この悩みの原因は何だろうと思考がまとまらないときにもおすすめです。

 

8.「自己反省」で前を向く

「自己反省」は、思考力を伸ばすために不可欠なプロセスです。

反省という言葉のイメージからは、単に過去を振り返り、良くできなかった点を悔いたり、悩んだりする印象を受けますが、本当の反省は少し意味が違います。自分がどのように思考し、どのように行動したかを振り返り、それを改善する方法を探ることが「自己反省」です。

常に思考し続けることで失敗を失敗で終わらせず、次のステップに活かすことができます。

 

9.日本文化を深く学んでみる

東大名誉教授で工学博士の月尾嘉男さんは、情報革命ともいわれる現代の急激な情報社会に淘汰されないためには、ある「視点」が必要だといいます。

 

この情報革命を踏破していくために持つべき視点はなんでしょうか。それは「情報」よりも「情緒」をめざすという視点です。

出典:月尾嘉男『AIに使われる人 AIを使いこなす人』

 

新型コロナウイルスの影響により、あらゆるビジネスの現場にAIをはじめとする情報技術がものすごいスピードで流導入されました。同時に、乾燥した情報交換では充足されない情緒という人間同士の交流の価値が見直されたのも確かです。
月尾さんは、「情緒」はAIが奪うことのできない人間の聖域だといい、情緒のヒントは日本文化、そして日本固有の大和言葉にもあると同書で説いています。

 

「たおやか」という大和言葉は、「柔軟」では代替できない意味を包含していますし、また「グレースフル」と翻訳しても、日本人が実感する感覚とは程遠いでしょう。このほかにも「あでやか」「しめやか」も「派手」「静粛」では置き換えできず、他国の言語に翻訳することも困難です。こうした日本の伝統文化や精神は、情報革命に遭難しないために必要な「情緒」、そして「多様」の視点を現代の私たちに提供してくれます。(前掲書)


改めて足元にある日本文化を見つめ直してみると、そこにはより深い思考力を養うヒントが転がっているかもしれません。

まとめ

思考力は、私たちが日々の生活やビジネスで直面する問題を解決するために欠かせない力です。論理的思考力、批判的思考力、創造的思考力、多面的思考力の4つをバランスよく鍛えることで、情報の波に流されず、より的確な判断ができるようになります。その力は、自分という信頼できる拠りどころをより確かなものにしてくれるはずです。あふれる情報とじょうずに付き合い、より良い未来を築いていきましょう。



\ この記事の監修者 /


ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。


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