公開日:2026年02月27日
自己管理能力は、仕事でもプライベートでも「成果」と「充実感」を左右する重要なスキルです。時間、感情、健康、ストレス、行動を自らコントロールできるかどうかは、長期的な成功だけでなく、日常の満足感にも直結します。近年では、リモートワークや多様な働き方が広がったことで「個人が自分をどう管理できるか」がこれまで以上に求められています。本記事では、自己管理能力の一つひとつの側面、高い人・低い人の特徴、具体的な鍛え方まで、丁寧に解説します。
自己管理能力とは、自分の行動・感情・思考・健康・時間をコントロールし、目標に向けて計画的に行動する力のこと。計画通りに動ける、感情に振り回されない、生活リズムを整えられる、誘惑に負けずに継続できる、ストレスを適切に処理できる、といった能力が総合的に伴って、日々のパフォーマンスや人間関係にも大きな影響を与えます。
仕事だけでなく、学業、家事、健康維持、趣味の継続など人生のあらゆる場面で求められるスキルであり、まさに「生きる力」と言えるものです。
自己管理能力は、いくつかの種類に分けて理解すると、自分の得意、不得意や改善のポイントが見つけやすくなります。自分を厳しく律するというよりは、「自分を上手に乗りこなす」ようなイメージで捉えてみましょう。
タスクの優先順位をつけ、スケジュール通りに進める力です。単に予定を詰め込むのではなく、今、本当に大切なことは何かを見極める知恵でもあります。
睡眠・食事・運動・休息といった心身の維持に大切な力です。日々高いパフォーマンスを発揮するための土台を作るスキルともいえます。
怒り、不安、焦りなどの感情を受け止め、適切に調整する力です。感情管理が得意な人は、ネガティブな感情を感ると、それを押し殺すのではなく「今、自分ははこう感じているんだな」と、自分の心の波を客観的に眺めることができます。
ストレスを自覚し、適切に発散・処理して心の安定を保つ力のことです。何に対してストレスを感じているかを早めに察知し、心の重荷をこまめに降ろす力といってもいいでしょう。
「やるべきこと」を先延ばしせず、計画的に行動する力です。つい後回しにしてしまう自分を責める代わりに、どうすればスムーズに動けるかという仕組みを整えていく力のことを指します。
長期、中期、短期の目標を設定し、PDCAで進めていく力です。この力に長けている人は、自分がどこに向かいたいのかという道しるべを確認しながら、日々の歩みを振り返ることができます。
これらの力は孤立したものではなく、それぞれ影響し合っています。例えば、睡眠不足(不十分な健康管理)は感情管理に悪影響を与え、結果として行動力も下がってしまいます。

自己管理能力が近年これほどまでに注目されているのは、時代そのものが「個人」に多くをゆだねる構造に変わったためです。従来のように、会社、上司、組織に守られながら働くモデルは大きく変わり、自分のコンディション、判断、行動を自分でコントロールできるかが仕事の成果、健康、キャリアの継続可能性を左右するようになりました。自己管理能力が必要とされている理由を詳しく見ていきましょう。
コロナ以降、働き方は大きく変わりました。在宅で働ける、上司が近くで見ているわけではない、会議もオンライン中心、勤務時間も柔軟化するなどの変化は、自由であると同時に、自分で自分を管理できないと一気に崩れる環境ともいえるでしょう。
出勤という外的強制がなくなると、朝起きる時間が乱れたり、メリハリのある休憩を入れられなかったり。あるいは、気づいたら1日中誰ともしゃべっていなかった、ということもすくなくありません。それにより孤独感が高まって精神的負荷がかかると、仕事の成果にも影響します。
リモートが主の現代は、外側が管理してくれる世界から自分が自分を管理する世界へ移行した時代といえます。
AI、DX、産業構造の変化、グローバル競争などにより、今の仕事を一生続けられるかは分からない時代になりました。だからこそ、スキルを磨き続け、心身の健康を維持し、新しい環境に適応するといった自己管理力が必要不可欠になります。
特に重要なのは変化に柔軟に対応する力です。自己管理能力が高いほど、学び直し(リスキリング)を継続できる、新しいツールや働き方に適応できる、変化に過度に不安を感じず落ち着いて判断できるので、キャリアを守ることにつながります。
厚生労働省の調査では、現代人は過去10年でストレス量が増加傾向にあるといわれています。背景には、情報過多、SNS疲れ、仕事量の増加、境界線のあいまいさ(仕事とプライベートの混在)、人間関係の複雑化などがあります。
ストレスが蓄積すると、集中力は低下するのででミスが増えたり、感情的になりやすいため人間関係のトラブルが起きたりと、結果的に成果が下がります。
現代では、ストレス管理にこそセルフマネジメント能力が必須という認識が広がっています。
かつてのように、会社がキャリアを用意し、評価し、守ってくれるという時代は終わりつつあります。早期退職制度、副業解禁、転職市場の活性化、企業寿命の短期化などの要因から、キャリアの舵を個人が握る必要性が高まりました。
自己管理能力が高い人は、健康を維持しながら長く働けます。また、計画的にキャリアを積みながら、ときには転職や学び直しをするといった柔軟な決断ができるので、自分の人生を主体的に運転できていると実感できるのです。
SNS、YouTube、オンライン記事、ニュース、広告など、代の情報量は20年前の数十倍といわれています。ありとあらゆる情報にあふれたこの世界で必要なのは、自分に必要なものを選び、不要なものを遮断する「情報管理能力」です。
自己管理能力が低いと、スマホ依存、比較による自己否定、集中力の低下、時間の浪費などの影響が出ます。自己管理ができない人は、情報の海で溺れてしまうかもしれません。
寿命が伸び、老後の期間も長くなり、長く働くことが一般化してきました。すると、50代からの学び直し、70歳まで働く前提、健康寿命の重要性などが避けられないテーマになります。こうした課題を解決する鍵は生活管理や健康管理、さらにはモチベーション管理を統合した自己管理能力でしょう。
次に、自己管理能力が高い人の特徴をいくつか見ていきましょう。
自己管理能力が高い人は「何を」「いつまでに」「どの順で」やるかを最初に整理します。さらに、タスクの優先順位付けも適切であり、緊急ではないかつ重要な仕事ほど丁寧に扱う傾向にあります。
物事を計画的に進めるためには、ToDoを細分化したりカレンダーやアプリを活用したりして締め切りを設定してみましょう。計画が明確であるほど実際の行動はぶれにくく生産性が高まります。
睡眠や食事および運動といった生活習慣を安定させることは、自己管理の土台です。生活リズムが整うと集中力が持続しやすく、判断力も安定する傾向にあります。
リズムを整える工夫には、就寝時間と起床時間を固定したり、朝食を欠かさず食べるなど当たり前のことから取り組んでみましょう。
自己管理能力の高い人は、ストレスを単に悪いものとして捉えるのではなく、自分の状態を知らせるサインとして認識しています。だからこそ、抱えきれないストレスを抱えてしまう前に、適切に取り扱うことができるのです。
短期的なやる気より、日々の小さな積み重ねを大切にします。習慣化の力が高く、一度ルーティンを作ると長く続けられます。
不安、焦り、怒りなどの感情に飲み込まれず適切に対処できます。深呼吸で自律神経を整えたり、状況を俯瞰したり、相手の意図を想像して受け取り方を調整するといった感情の扱い方は、自己管理能力が高い人に共通しています。

それでは、自己管理能力が低い人の特徴も見ていきましょう。
決めたことを実行に移せず、ギリギリになって焦るタイプです。後回しにする理由には、面倒、失敗が怖い、タスクが大きすぎて手をつけられないなどさまざまありますが、とにかく理屈よりも感情を優先してしまいます。
夜更かしや食生活の偏りや運動不足など、健康管理ができていません。結果として疲れが抜けず、集中力が続かない、イライラしやすいという悪循環が起こります。
感情を処理するスキルが低いため、ストレスを溜めるだけ溜めてしまいます。気持ちの切り替えが苦手です。
途中で投げ出したり、計画倒れになることが多いタイプです。最初は高いモチベーションでスタートするのですが、詰め込みすぎた計画が負担になり、三日坊主で終わってしまう傾向があります。
怒りや不安に流され、人間関係のトラブルを起こしやすくなります。自分の内側から湧き出るネガティブな気持ちをうまくコントロールできず、つい言葉や態度に出してしまいます。
自己管理能力は才能ではなく、正しい方法で鍛えれば誰でも伸ばせるスキルです。ここでは、実践しやすい順番で、効果の高い鍛え方を紹介します。
自己管理においてまず必要となるのは「なぜ自己管理が必要なのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なままだと、人は行動を継続させることが困難になります。そこで、最初に達成したいこと、その理由、期限の3点を紙に書き出してみましょう。この3要素が揃うことで行動の軸が生まれ、自己管理の成功率は飛躍的に向上します。
生活リズムが乱れていると脳の前頭前野が疲弊しやすくなるため、自己管理能力は必ず低下してしまいます。特に重要なのは、毎日同じ時間に起きることや睡眠を削らないこと。朝の光を浴びて脳を活性化させることも欠かせません。生活がベースとなり自己管理能力の枠は広がるので、まずは自分自身の状態を整えましょう。
自己管理が苦手な人の多くは、頭の中だけでタスクを管理しようとします。ところが、脳は同時に多くの情報を保持できないため、脳内のみの管理には必ず限界が訪れます。おすすめの手法は今日やることを5つ以内に絞ること。そして優先順位をつけた上で終わったら消します。この3ステップにより決断疲れを減らして集中力を温存できるため、生産性は大幅に向上します。
ストレスが溜まると意志力は急激に低下し、後回し癖や暴飲暴食さらには感情的反応やスマホ依存といった望ましくない行動につながります。
自己管理能力を高めるためにはストレスケアを通じて心の余裕を確保することが不可欠です。入浴時間を1分長くする、通勤中に深呼吸を3回したりするといったちょっとした行動の変化も効果的です。また1日15分だけスマホのない時間を作ることや、週に1回自分を褒めるノートを書くといった小さな工夫を重ねることで、気持ちが整った状態を維持できるようになるでしょう。
最後の方法は、続けられる小さな目標を設定して成功体験を重ねること。
自己管理が苦手な人ほど大きすぎる目標を立てたり、完璧を求めたりするためのでそれが挫折の原因となります。本を読みたいのなら、毎日本を開く、1ページだけ読んでみるといった、できる前提の目標設定をすることが継続のコツです。続けることで自分にはできるという自己効力感が育ち、自己管理能力の核となります。
自己管理能力とは、よい人生を形づくるための土台となる力であり、誰でも高めることができる力です。現代社会のように変化が激しく、生き方が多様化している時代だからこそ、すべての人にとって不可欠なスキルであるともいえるでしょう。
自己管理という言葉には自分を厳しく律するイメージを持つかもしれませんが、その本質はまったく逆であり、自分の力を最大限に活かすための知恵だといえます。自己管理能力が高まれば習慣や行動が変わり、思考や感情が整うだけでなく人間関係の改善やキャリアの選択肢が広がるなど、人生全体の満足度向上につながるでしょう。

\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ
ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。



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