固定観念とは?固定概念との違いやメリット・デメリットを解説

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「自分の意見が正しいと思い込みがち」「あの人はああいう人だと人を決めつけてしまう」「新しいやり方に抵抗を感じる」、こうしたあまり好ましくない心のクセは誰の中にも存在します。心のクセをつくる原因の一つが固定観念です。
固定観念は、私たちの判断を助けることもあれば、行動や人間関係を狭めてしまうこともある両刃の剣です。この記事では、固定観念とは何か、固定概念との違い、メリットとデメリット、さらに固定観念にとらわれないための具体的方法まで解説します。

* この記事の要点 *
・固定観念は判断を助ける一方、思考や人間関係を硬直させる両刃の剣。
・固定観念と固定概念は別物で、正しい用語は固定観念のみ。
・視点を増やし小さな挑戦を重ねることで、固定観念は柔軟に手放せる。
目次△▼△

固定観念とは?

固定観念とは、物事を一定の枠組みで捉え続けてしまう先入観や思い込みを指します。男性はこうあるべきとか、仕事とはこうするものといった、根拠が曖昧でも強く信じ込んでいるイメージが典型例です。
こうした固定観念は、家庭や学校などの生育環境、文化的背景、教育や社会的価値観、過去の成功体験や失敗体験、メディアからの情報、他者からの評価や期待など、さまざまな要因によって形づくられます。固定観念は行動の判断基準となるため便利な側面もありますが、過度にとらわれると柔軟な発想ができなくなり、視野が狭くなる危険性もあります。

固定観念と固定概念の違いとは?固定概念は言い間違い?

「固定観念」と「固定概念」は似ていて混同されがちですが、正しい日本語として存在するのは「固定観念」のみです。固定観念は先入観や偏った思い込みを指す言葉である一方、「固定概念」は誤用として使われるケースが多い言い間違いとされています。誤って「固定概念」と表記される場面は少なくありませんが、正式な用語はあくまで「固定観念」です。文章として発信する立場にある場合には、特に注意しておきたいポイントといえるでしょう。

固定観念の類語

固定観念と似た意味を持つ言葉には、先入観、思い込み、偏見、ステレオタイプなどがあります。先入観は、物事を見る前から持っている予想やイメージを指し、思い込みは、事実を十分に確認せず自分で決めつけてしまう考え方です。偏見は、十分な根拠がないまま特定の対象に対して抱く否定的な判断を意味し、ステレオタイプは、国籍や性別、年齢などの属性をもとに一般化されたイメージを指します。これらはいずれも物事の見方が固定されるという点で共通していますが、固定観念はそれらを含む、より広い概念として扱われます。

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固定観念があることによるデメリット

固定観念が役立つ面もありますが、過度にとらわれると思考や行動、人間関係にさまざまな悪影響を及ぼします。ここではデメリットをみていきましょう。

柔軟な思考が妨げられる

固定観念が強いと、新しい情報を素直に受け取れなくなり、状況の変化に対応しづらくなります。結果として成長や創造が止まり、同じ問題を繰り返したり、挑戦を避けたりする原因にもなります。

人間関係に摩擦が生じる

「この人はこういうタイプだ」と決めつけると、相手を正しく理解できず誤解が生まれやすくなります。価値観の違いを受け入れられないことで、関係がぎくしゃくしやすくなります。

変化への適応が難しくなる

社会や環境は目まぐるしく変化しているのに、思考が古い枠組みに留まると適応が遅れます。仕事のスタイルや技術が急速に進化する現代では、固定観念にとらわれる過ぎることは大きなリスクになります。

ストレスを感じやすくなる

「こうあるべき」という固定観念と現実にギャップがあると、人はストレスや怒りを感じます。完璧主義的な固定観念を持っている場合、その観念が否定されると自己否定につながりかねません。

他者の可能性を否定してしまう

過去の失敗や普段の態度を知っているだけに「どうせこの人には無理だ」と決めつけることはありませんか。無理と決めつけて役割を与えないことは、相手の成長を阻害することになります。 家庭や職場のいずれでも、関係性が弱まり組織全体のパフォーマンス低下につながります。

固定観念があることはメリットにもなる?

固定観念は悪いものとして語られがちですが、メリットも存在します。

判断を迅速に行える

過去の経験から形成された固定観念は、瞬時の判断を助けます。特に危険回避や緊急対応ではプラスに働きます。

ルーチンや習慣の維持が容易になる

「これはこうするもの」という観念は生活の安定を生み、無駄な判断を減らします。
アップルの共同創業者の一人、スティーブ・ジョブズといえば、生前は黒のタートルニットにジーンズ、スニーカーというスタイルを貫いていました。彼が毎日似た服を着いていた理由は、毎日服を選ぶことに意思決定のエネルギーを使いたくなかったからだといわれています。選択の回数を減らすことで心理的な負担を減らし、彼にとってより重要で大きな判断のためにエネルギーを残していたのでしょう。

社会的規範に適応しやすい

文化的、あるいは社会的な暗黙のルールとも一致しやすいため、他者と円滑な関係を築く助けとなることがあります。

専門知識を活用できる

専門分野では、繰り返しの経験から得た判断枠組みが効率性を高めます。医療、教育、経営などでも経験則として生きます。

自信を持って行動できる

自分の中の一定の判断基準があることで、不安や迷いが減り、行動しやすくなります。

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固定観念にとらわれない方法

固定観念を手放すことは、単に柔軟に考えましょうという精神論ではありません。視点を増やし、行動パターンを刷新し、思考の土台をアップデートするトレーニングです。
そのため、この記事では「今日からできる」かつ「小さなステップで実践できること」にこだわってご紹介します。

新しい視点を取り入れる

固定観念は、ほとんどが過去の経験から生まれています。つまり、新しい経験を足すほど、古い固定観念は弱まるという仕組みです。

日常でできる視点を増やすトレーニング

いつもと違う道で帰る。たったそれだけのことでも見える景色が変わると、脳が一時的に固定観念の支配から外れます。あるいは、世代が違う人と10分話してみると価値観の違いに固定観念を揺さぶられるはずです。慣れた感覚、慣れた手順という無意識の思い込みに気づくには料理もおすすめです。作ったことがない料理に挑戦することで、「こういう味もあるのか」と新たな視点が増えることでしょう。

職場での「視点拡張」例

あなたが会社におけるベテランの場合、若手社員の提案をまず一度受け止めてみることです。ベテランの経験から生まれる「こうすべき」「昔はこうだった」をグッと飲み込んでいったん横に置き、若手や他部署の仕事の進め方を観察するなど、自分と違う考えに触れるだけで脳は固定観念の支配から外れます。

自己反省を習慣化する

固定観念は当の本人にとっては当たり前であるため、自分では気づきにくいものです。そこで有効なのがメタ認知、つまり自分の思考を一歩引いて観察する習慣です。反省というと、ミスや悪いことをした時にするものと思いがちですが、冷静に自分を省みる習慣としての反省もあります。よい時も悪い時も自己を省みて、次に自分が進むべき方向ややるべきことを見つめる自己反省の習慣を取り入れてみましょう。

1日5分でできる「固定観念チェック」

手帳やスマホに今日決めつけた場面、本当にそうだと言える根拠、他の可能性はなかったか、もし友人に同じ考えを言われたらどう返すかを書きます。
たとえば職場で「後輩はやる気がない」と感じた場合、その根拠は表情や返事か、仕事量は適切だったか、疲労や家庭の問題など他の理由はないか、自分が同じ状況ならどう感じるかを振り返ると、感情論ではなく冷静に相手を見ることができます。これを1週間続けるだけで思考のクセに気づく力が圧倒的に高まるでしょう。

本を読んで知識を広げる

固定観念は、狭い情報の世界にいるとさらに強くなります。逆にいうと、知識が増えると自然に固定観念はほぐれていくのです。

固定観念をゆるめるジャンルの例

例えば文化人類学では「世界にはこんな価値観があるのか!」という驚きが得られ、歴史では時間軸で世界を見る力が養われ、心理学では自分の思考パターンを客観視でき、哲学では物事の捉え方そのものが揺さぶられます。たまには、いつも手が伸びるものとは違うジャンルをあえて選んでみるのもおすすめです。

固定観念を揺らす読書法

読んでいて違和感があった部分に線を引き、「なぜ自分はそう思ったのか?」を3行で書き、その理由が固定観念かどうかを振り返ります。この違和感を言語化するプロセスそのものが、固定観念を緩める装置になります。

他者からのフィードバックを受け入れる

他者からはよく見えている固定観念も、自分では見えないことがしばしば。だからこそ、他者からのフィードバックが最も効果的です。

実践ステップ

信頼できる同僚や家族に「私に偏ってる考えがあれば教えてほしい」と伝え、指摘や反論をせずメモをとります。それを一晩置いて冷静になってから事実に照らして吟味してみましょう。

職場の例

「Aさんはこういう人だ」という決めつけ、「この作業は絶対こういうやり方だ」という固執など、他者に気づかせてもらうと、見えていなかった思考の壁が浮かび上がることがあります。

チャレンジ精神を持つ

固定観念を手放す一番の方法は、自分のいつものパターンを小さく壊してみることです。

今日からできるチャレンジ例

普段選ばない服を着る、新しいカフェに入ってみる、好みではないジャンルの音楽を聴く、ネガティブな状況で「3つの良い点」を探す、SNSの自分と違う意見をあえて読んでみる。

なぜチャレンジが固定観念に効くのか

脳は「いつもと違う刺激」を受けると、過去のデータに頼らず今この瞬間で判断を始めます。これにより固定観念が弱まり、心は柔軟な状態に。固定観念から自由になるには小さな挑戦を続ける姿勢が大切で、いつもと違う選択をする、反応を振り返る、読書や他者の視点を取り入れる、新しい体験を増やすといった積み重ねによって、こり固まっていた価値観が徐々に柔軟になっていきます。

まとめ

固定観念とは経験や環境の中で形成された「思考のクセ」であり、判断を助ける反面、柔軟性を奪う側面もあります。とらわれすぎることでときに人間関係に摩擦を生むこともあるでしょう。
固定観念を完全に消すことは難しいですが、まずは自分の中にどんな固定観念があるかに気づくことが大切です。それから新たな視点を加えることで固定観念を弱めていくことはできます。「こうすべき」「こうあるべき」にとらわれて心の余白をなくさないよう、新しい価値観や世界に触れることで思考をアップデートしていきましょう。

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\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ

ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

ニューモラルブックストアでは、よりよい仕事生活、よりよい生き方をめざす、すべての人に役立つ本や雑誌、イベントを各種とりそろえています。あなたの人生に寄りそう1冊がきっと見つかります。

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