休日に動けない、何もしたくないのはなぜ?休日無気力症候群の可能性も

ECブログ

せっかくの休日なのに何もやる気が起こらない。外に出て人に会うこともなく、スマホの小さな画面を眺めて1日が終わってしまい自己嫌悪……。どんよりした気分のまま、休日明けの朝を迎えてしまったという経験はありませんか?なぜか休日に限って無気力になってしまう理由を考えます。

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何もやる気がしない?あなたの休日の過ごし方は?

いつもどのような休日を過ごしているでしょうか。次の中で思い当たることがありませんか?

  • ・朝起きても体がだるくて、布団から出たくない
  • ・お昼過ぎにならないと起き上がれない
  • ・予定があっても気分が乗らない、人と会いたくない
  • ・目的なくスマホやテレビを長時間見てしまう
  • ・食欲がない、または過食に走る
  • ・1日中なにもしたくない
  • ・簡単な家事や掃除をやる気すら出ない
  • ・どれだけ寝ても疲れが取れない気がする
  • ・趣味や好きなことにも興味が湧かない
  • ・心身が重たい
  • ・休日を無駄にしたような気がして自己嫌悪に陥る

ひとつでも思い当たることがある人は、休日に無気力になりやすい傾向があると考えられます。平日は問題なく仕事や勉強に取り組めるのに、せっかくの休日に限って、朝からグッタリしてしまうのはなぜなのでしょうか?

休日に何もしたくない原因

休日に無気力になってしまう大きな原因は「睡眠不足」と「慢性的な疲労」です。

睡眠不足が続くと、体の不調だけではなくメンタルにも影響を及ぼします。疲労は慢性化することで「自分が疲れていることにさえ気づかない(気づけない)」というやっかいな状態になりやすいので注意が必要です。

睡眠不足

働き盛りの世代は慢性的な睡眠不足の人が少なくありません。会社員でなくても、受験生や子育てや介護など家族のケアを担っている人は、しっかりと寝る時間が確保できていない人も多いでしょう。

日本人の平均睡眠時間は世界の平均よりも約1時間も短いといわれ、なかでも30代から50代女性は睡眠時間が「6時間未満」の割合が高いとされています。

しかし、6時間睡眠を2週間続けると、脳は酩酊(めいてい)と同じような状態になり、集中力や注意力がいちじるしく落ちることが知られています。

メジャーリーガーの大谷翔平選手が睡眠を重要視し、毎晩10時間寝ていることはよく知られていますが、実際、20~30代の健康な人でも1日8.5時間の睡眠が必要だとされています。

睡眠習慣とそのサイクルがうまくまわらないと、常にジェットラグ(時差ボケ)のような状態が続き、眠気や疲労感が解消されません。

週末や休日に「寝だめをしているから大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、近年は寝だめは意味がないどころか、平日の睡眠不足と休日の寝だめを繰り返す習慣は、健康に悪影響を与えることが知られています。

慢性的な疲労

現代人は大人も子供もみんな時間に追われています。

ミヒャエル・エンデの児童文学「モモ」は、主人公の女の子モモが灰色の男たち(時間泥棒)に盗まれた人々の時間を解放するために奮闘しますが、これだけみんなが時間に追われていると、逆に1時間や2時間くらい盗まれたところで「誰も気づかないのでは?」と思ってしまうほどです。

その上、人と人がインターネットとオンラインでつながることが日常となった世の中では、プライベートであってもつながりを完全に遮断することができません。幸か不幸か、どこにいても仕事や情報と離れることができなくなってしまったのです。

そのため職場を出ても気持ちをオフにできず、人によっては緊張感が長く続いている状態です。

適度な緊張は仕事や運動のパフォーマンスを高めてくれますが、それが長時間や長期間となると話は別です。長く続く緊張は慢性的な疲労につながります。

休日は頭と身体を休め、心をリフレッシュして再び活動するための英気を養うために大切な時間ですが、疲れすぎているとリフレッシュをする気力さえ残らないのです。

休日に何もしたくないのは休日無力症候群かも?

平日に仕事や勉強で疲れ切ってしまい、休日になると何もする気が起きず、特に具合が悪いわけではないのに体がぐったりと重い。ベッドの上から動けない――。

休日に限ってこんな症状が現れ、それが続く場合は休日無気力症候群の可能性があります。

平日に学校や職場で緊張状態のなかで気を張っているため、平日にその反動がきているとも考えられますし、平日にエネルギーを使い果たして“充電が切れた”ような状態を、休日の活動をとめることで回復をしようとしているとも考えられます。

どちらにせよ、心と体の疲労が限界に達しているサインです。

医学的な病名ではありませんが、うつや燃え尽き症候群の前触れともいわれ、放置してしまうと「朝起きあがれない」などの急性の症状があらわれ、本格的な治療や長期の休養が必要となるケースもあります。

働き方や勉強のスケジュールを見直したり、疲労やストレスの要因となっている環境からできるだけ離れたり、適切な休息を取りながら自分自身をケアすることが大切です。

休息を取っても回復の兆しがみられない場合は、早めに専門の医療機関に相談してください。

誰に相談したらよいか分からないという方は、以下の厚生労働省の相談窓口を利用してみましょう。

https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/ (働く人のメンタルヘルス·ポータルサイト「こころの耳」)

休日無力症候群になりやすい人の特徴

仕事とプライベートの境目が曖昧で気持ちの切り替えが苦手な人は、平日の疲労をためがちです。頑張り屋で完璧主義なタイプの人も、平日に目の前の仕事に全力投球をして休日は息切れしやすいかもしれません。

人との集まりやコミュニケーションが苦手な人にとっては、集団生活を送ること自体がストレスになっている場合があります。平日に人と会って疲れた分、週末に“引きこもって”しまうのです。

休日の無気力を防ぐ方法

休日に無気力になることを解消するには、規則正しい生活や適度な運動、リラックスタイムを確保することが大切です。

1.規則正しい生活(睡眠と食事)

寝だめは睡眠不足の解消に効果がないことがわかっていますから、休日だからといって夜更かしをしたり夜遅くに食事をしたりするのは避けて、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。

1日5時間未満の睡眠不足が続くと肥満リスクが大幅に上がることが知られています。休日に無気力になる人は食欲がないからといって食事を抜き、逆にスナック菓子やカップ麺などの味が濃いものを一気にたくさん食べてしまうなど、極端な食生活の人が少なくありません。

作家で現代アーティストの坂口恭平さんは自身の躁うつ病を公表していますが、料理をすることを通じて回復し「さぁ、明日どうする?」と考えられるようになったと語っています。

料理における本来の目的は自分や家族のお腹を満たすため。それは生活であり、日常ですが、同時にキッチンは創作と創造の場でもあります。

手を動かせば、必ずなにかが完成する――という事実は、普段であれば当たり前のことに思えますが、気持ちが弱っているときにはそんな“当たり前”に救われます。

2.デジタルデトックス

前述の通り、現代人は誰しも時間に追われています。その大きな要因となっているのがインターネットであり、SNSであることは明白です。

仕事だけでなくプライベートの人間関係でも、常時つながっている状態がストレスの原因や無意識な心の負担になることは少なくありません。

ですから、ときには意識してスマホやSNSから離れてみましょう。あらかじめ、「今週は連絡つきません」と伝えておいてもいいですし、完全に遮断することが難しければ、通知をオフやミュートにして、自分の目の入らないところにしまっておくだけでも構いません。人間は常に“オンライン”でいる必要はないのです。

3.ゆるい居場所を持つ

無気力になると人と会うのがおっくうになります。ひどい場合は顔を洗ったり、身支度をしたりするのも面倒に感じる日もあります。

親しい人と話したり、心の内を相談したりすると気分が晴れるという人は少なくありませんが、人と会うのは意外とエネルギーを消耗するもの。そんな気力も湧かない……ということもあるでしょう。

そんなときは無理に人と会う約束を入れず、「行けたら行く」くらいの心持ちでいたほうがいいかもしれません。

その際に“ゆるい居場所”をいくつか持っていると、休日のちょっとしたハイライトになります。行きつけの店とまではいかなくても、ときどき顔を出して、カウンターで世間話をする程度の関係は気軽で楽しいものです。

事前に上演スケジュールを調べず、映画館にふらっと入って、そのとき上演している映画を観るのもおすすめです。意外とそんなタイミングで人生を変えるような作品と出合ったりするものです。

4.適度な運動

散歩やストレッチなどの適度な運動をすると、自然とポジティブな気持ちになります。深呼吸をしながらのストレッチは筋肉をほぐすだけでなく、気持ちをリラックスさせる効果もあります。

朝起きてすぐに太陽の光を浴びると、セロトニンが分泌されて幸福感や安心感をもたらす効果があるといわれますが、午前中に起きられない場合は午後に少し外を歩くだけでも気持ちが晴れるものです。

どうしても家から出たくない場合は、リビングに落ちているものを拾ったり、窓枠のホコリを拭いたりするなど家の中を少しだけ片づけてみるのもいいかもしれません。家事は立ったり座ったりする動作をともなうので、意外といい運動になります。

5.断ることを恐れない

心理カウンセラーでメンタルコーチの長谷静香さんは著書で、心地よい人間関係を築くためには「自分自身の心地よさが大切」と伝えています。そのためのポイントとして「自分と相手との境界線に意識を向けること」についても説明しています。



「親切にされるのはうれしいことですが、場合によっては相手から境界線を越えられてしまう可能性があります。相手は境界線を越えたとは気づいておらず、それが分かるからなおさら断れない。断ってはいけないと思ってしまう――。もし、今後も同じようなことが起こると、ますますあなたの領域に踏み込んでくることが多くなるかもしれません」

出典:長谷静香「周りを優先しすぎる お疲れママのためのご自愛レッスン



人間関係において、断ることを過剰に恐れる必要はありません。断るときはもっともらしい理由がないといけないのでは?などという考えも思い込みです。

多くを語らずとも「今回はごめんね」とシンプルな言葉でさらりと伝えれば、相手は案外わかってくれるものです。

休日に「どうしても人と会う気分じゃない」と感じたときは、早い段階で約束をした相手に相談すれば必ずしも無礼にはなりません。連絡なく遅刻やドタキャンをするよりは印象がいいはずです。その際はキャンセルを謝罪し、違う日を提案するなど真摯な態度を心がけましょう。

まとめ

休日に起き上がれなかったり、外に出かけられなかったりするくらい無気力になるのは、心と体がSOSを出しているサインです。

それだけ平日に無理をして、頑張っていたということでもありますから、まずはそんな自分を労ってあげたいものです。そのうえで、これ以上症状が悪化しないよう、十分な睡眠時間と休息をとることを心がけましょう。

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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ご自愛レッスン
7つの感情
心を育てる言葉366日
『れいろう』令和6年8月号
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