2023年11月28日
きっかけはちょっとしたことだったのに、イライラした気持ちを引きずってしまう……。
誰しも、たまにはそういうときがありますよね。とはいえ、小さなイライラも積み重なれば、仕事や勉強に集中できなくなったり、人に当たりたくなったりして、日常生活に支障を来すことにもなりかねません。
今回はイライラを抑える方法、イライラが抑えられないときの対処法について考えてみましょう。
「あの人って、いつも楽しそう……。イライラすることなんて、ないのだろうな」
皆さんの周りにも、そうした「いつも上機嫌な人」がいるかもしれません。
その人たちの日常は「うれしいこと」「楽しいこと」に満ちあふれているのでしょうか。「イライラするような出来事」は一つもないという、特別に恵まれた境遇なのでしょうか。……実際は、そうとも言い切れないかもしれません。
同じような出来事に直面しても、その受け止め方や感じ方は人それぞれに異なるものです。つまり、世の中には「イライラしやすい人」と「イライラしにくい人」がいる、といえるのではないでしょうか。
イライラしやすい人は、さまざまな物事に対して「こうあるべき」「こうでなければならない」と思っていることが多いようです。
例えば、「職場の後輩の態度を見ていると、イライラが抑えられない! 社会人として、仕事の取り組みは当然こうあるべきでしょ!」
「団体競技の部活なのに、きちんと練習しない子にイライラする! みんな頑張っているんだから、真面目にやるべきでしょ!」
……というように。「子育てのイライラ」「旦那へのイライラ」なども、同じように「自分の思いや考えとは異なる事態」に直面したときに湧き起こるものではないでしょうか。
一方、イライラしにくい人は寛容で、自分が想定していなかったことが起きたとしても「まあ、そういうこともあるよね」と、穏やかに受け止めることができるようです。
とはいえ「イライラしやすい」というのは、もともとの考え方の癖や性格のみに問題があるわけではないようです。いつもよりイライラしやすくなっているように感じたときは、次のような点に注意してみましょう。
最近、疲れやストレスがたまってはいないでしょうか。
心身の疲労やストレスがたまっているときは、普段ならイライラしないような出来事にもイライラしてしまうようです。常日頃から「疲労やストレスをため込まない習慣」をつくっておくことが大切です。
このところ、食生活が乱れてはいないでしょうか。
私たちのメンタルは、栄養状態にも影響を受けます。食生活が乱れて、必要な栄養素が正しく取れていないときは要注意。普段からバランスの取れた食事を心がけましょう。疲労やストレスがたまっているときは「きちんとした食生活」を意識するのも大切なことです。
現在の体調は万全でしょうか。
健康状態が良くないことも、イライラの原因になり得ます。特に女性の場合、生理前や更年期などのホルモンバランスの変動が「イライラしやすい」という状態につながっていることもあるようです。
普段から「イライラ対策」を十分にしていたとしても、何かの拍子にイライラが湧き起こることもありますよね。そうした場合の対処法も、ぜひ知っておきたいもの。ここからはイライラを抑える方法、イライラの解消方法について見ていきましょう。
まず「いつでもどこでもできる簡単な対処法」としておすすめなのは、深呼吸をすることです。
ゆっくりと大きく息を吸って、ゆっくりと息を吐き出す。そうしてみるだけでも、イライラした気持ちが少し落ち着いてくるのではないでしょうか。
新鮮な空気を肺にしっかり取り込むと、酸素が血液によって体のすみずみまで運ばれ、脳にも行き渡ることになります。また、深呼吸には副交感神経を刺激して、体をリラックスさせる効果もあるようです。イライラを感じたときは、腹式呼吸によって胸の奥まで空気を取り込むことを意識してみましょう。
イライラした気持ちをそのまま表に出して、人に当たったりするのは考えものですが、かといって自分の中に抱え込み過ぎると、イライラがますます増幅していくことになりかねません。そうしたとき、信頼できる相手が自分の思いに耳を傾けてくれたら、それだけでも気持ちが少し落ち着いていくのではないでしょうか。
ここには「話をすることで自分の頭の中が整理できる」という要素もあるのですが、心の安定を保つ上で「信頼できる相談相手の存在」が重要であることも見逃せません。また、自分一人で抱え込んでいた悩みについて、第三者の視点から客観的な意見をもらうことで、思いがけない解決の糸口が見つかることもあるでしょう。
「自分一人で手軽にできるイライラの解消方法」という意味では、ストレッチをしてみることもおすすめです。
筋肉の緊張がほぐれると、なんとなく心の緊張も解けていくようです。すると、イライラが収まっていくこともあるのではないでしょうか。「本格的な運動はちょっと……」という場合でも、首をゆっくりと回す、伸びをするなどの簡単なストレッチにも体をリラックスさせる効果がありますので、ぜひ試してみましょう。
適度な運動は、体の健康だけでなく、心の健康を保つ上でも大切なことです。
運動には、ネガティブな気分を発散させて心と体をリラックスさせ、睡眠のリズムを整える効果があります。精神を安定させるはたらきを持つ脳内の神経伝達物質・セロトニンの分泌を促す上では、しっかりと太陽の光を浴びることや、軽いジョギング・ウォーキングなどの有酸素運動が効果的ともいわれます。心身の健康のために、無理のない範囲で生活の中に取り入れていきたいものです。
睡眠不足のときは体調が優れないだけでなく、頭の中もすっきりせず、ちょっとしたことでもイライラしやすくなるというのは、おそらく多くの人に覚えがあることでしょう。
睡眠には、脳や体を休ませて疲労回復を図るだけでなく、感情の整理やストレスの解消など、さまざまな効果が期待できます。小さなイライラであれば、一晩しっかり眠っただけでも頭の中がリセットされて、翌朝にはイライラが解消していることもあるのではないでしょうか。
食事を抜いたり、栄養バランスの偏った食事をしていたりするときは、調子が今ひとつ上がらないものですが、体の不調はメンタルにも大きく影響します。普段からきちんとした食事を取るように心がけることは、ストレスを感じにくい体をつくっていく上でも大切なことでしょう。また、イライラしたからといって暴飲暴食に走ってしまうと、体への負担が大きいだけでなく、食べ過ぎた自分への嫌悪感も手伝って、さらなるストレスを抱えることにもなりかねません。
ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどの摂取は、ストレスへの耐性を高める上でも大切といわれます。肉や魚、野菜や果物、乳製品などもバランス良く取り入れた食事を心がけましょう。
笑うことには心身をリラックスさせる効果があるというのは、きっと多くの人が感じていることでしょう。
笑うと副交感神経が刺激され、ストレスホルモンの分泌を抑えられるといわれます。「大笑い」とまではいかなくとも、日々、できるだけ笑顔で過ごすことから始めてみませんか。とりわけイライラを感じたときは、表情が自然とこわばってしまうもの。まずは「意識して笑顔をつくる」という、形から入ってみることも有効といえます。
イライラとは「自分の思いや考えとは異なる事態」に直面したときに湧き起こるものではないでしょうか。だとすると、その根本にある「自分自身の考え方」を変えてみることも、イライラ対策としては有効といえるでしょう。
「こうあるべき」「こうでなければならない」といった「とらわれ」を捨ててみると、心にゆとりが生まれます。そこには「立場が異なる自分と相手とでは、物の見方や考え方も違って当たり前」という認識も必要でしょう。
私たちの視野は「自分が正しい」と信じているときほど狭まってくるものです。しかし「自分ほど熱心にやらない人が許せない」というように、何事も「自分」を基準に物事を測り、考え方や歩調の異なる人を責めていては、相手を傷つけるだけでなく、自分自身の心をも苦しめることになりかねません。自分とは立場が異なる人のことを思いやる「心のゆとり」を忘れず、何事も冷静に、穏やかな気持ちで受け止めていきたいものです。
「好きこのんでイライラしている」という人は、どこにもいないはずです。イライラしたくないのに、ついイライラしてしまう……。人間、そういうことがあっても仕方がない面もあるのではないでしょうか。
大切なことは、イライラしてしまいそうになったときに、それを抑える方法を心得ておくこと。自分なりの「イライラの解消方法」を見つけること。そうして日頃からイライラをため込まないように工夫していくことでしょう。
「イライラしてしまう自分」を責めるばかりでは、悪循環に陥ってしまいます。自分自身を追い込み過ぎることなく、自分のイライラとうまく付き合えるようになりたいものです。
\ この記事の監修者 /
ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。
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