鈍感力があれば楽に生きられる?ストレスを上手にスルーするヒント

ECブログ

仕事や人間関係、情報過多の世の中で、繊細に物事を受け止めてしまうと、心身に大きな負担がかかることがあります。そのようなときに役立つのが「鈍感力」です。鈍感力とは、自分が傷つきそうな出来事や言葉に対して過剰に反応せず、必要以上に気にしない力のことです。

例えるなら「のれん」。ストレスを感じることをふわっと軽く受け流して元通り

この力を持っていると、ストレスを減らし自分のやるべきことに集中しやすくなるだけでなく、ポジティブな人間関係を築くことも可能になります。
さっそく、鈍感力とは何か、そのメリットや特長、そして身につけ方についてみていきましょう。

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鈍感力とは?

「デリカシーがない」「自分のことだと気づかない」「能天気」。鈍感という言葉そのものからは、どちらかというとマイナスなことをイメージします。
それが「鈍感力」になると、心を穏やかに保つ力を意味するポジティブなものになります。鈍感が「何も感じない」を意味するのなら、鈍感力は「感じすぎない」ことを意味します。
例えば、職場で誰かに厳しい意見を言われたとき、それを正面から真に受けて悩むのではなく、修正や改善に必要な部分だけを冷静に受け止めて他は受け流すのが「鈍感力」。日々の生活やビジネスの場面でも、鈍感力を持つことで感情に振り回されずストレスを軽減し、冷静な判断を下せるようになります。

鈍感力の3つのメリット

では、鈍感力があると日常生活や仕事においてどのようなメリットがあるのでしょうか。

1. ストレスを引きずらない

些細なことに心を乱されてイライラしたり、他人の意見や予期しないトラブルに過剰に反応して強いストレスを感じたりするときに鈍感力は役立ちます。一時的に強いストレスがかかったとしても、受け止めつつ引きずらない鈍感力があれば、心身の健康を保ちやすくなります。

2. やるべきことに集中できる

例えば、あなたが新しい挑戦を始めようとしたとき、求めてもいないのに「やめたほうがいい」「うまくいかない」とネガティブな反応やアドバイスをされたとしたら、腹立たしく感じたり、やる気がそがれたりするかもしれません。
周囲の批判やネガティブな意見を過度に気にしすぎると、やるべきことに集中できず、ときに信念がブレてしまうことも。挑戦を成功へ導く鍵は、ゴールに向かって一歩ずつ着実に努力を積み重ねることにあります。鈍感力があれば、ネガティブな意見に敏感になりすぎず、自分のペースで物事を進めることができるのです。

3.人間関係を上手にスルーできる

気持ちを察しない上司、いつも自分のペースで物事を進める同僚、分かっていても人間関係が面倒だなと感じてしまうことはありませんか。
鈍感力があると、他人の小さな言動に一喜一憂することが少なくなります。人の気持ちに敏感に気づくことができるすばらしい才能はそのままに、「相手の気持ちを分かったうえで上手にスルー」できるのが鈍感力のメリットです。

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鈍感力がある人はどんな人?

鈍感力がある人と聞いて、どのような人物像を思い浮かべるでしょうか。その特長をみていきましょう。

精神的にタフである

他人からの批判やネガティブな意見に対してうろたえることがありません。批判に対してイラっとすることはあっても、言われたことと感じたことをうまく切り分け、自分に必要なフィードバックは取り入れつつ、それ以外の批判は受け取りません。精神的にタフであるといえます。

情報を客観的に見られる

昨今はソーシャルメディアが普及し、ショッキングな事件や心の痛む映像を目にする機会が増えました。不安をあおるようなニュースも少なくありません。そうした情報をあたかも自分がその現場にいるかのように敏感に共感しすぎてしまうと心は疲れてしまいます。また、人には損をしないためにリスクを回避しようという「損失回避」の心理が働くので、不安や心配をあおるニュースを過剰に受け止めすぎると、情報に振り回されることになりかねません。
鈍感力がある人は、同じ映像やニュースに触れても、客観的に捉えることができ、必要以上に深刻に受け止めません。このバランス感覚が精神的な安定を支えます。

自分をしっかり持っている

「自分ファースト」でないと気がすまない人は、周りの人がどれだけ自分を尊重しているかを常に気にしているため、他人の意見や感情に過度に反応しがちです。
鈍感力のある人は、そもそも他人から自分がどう見られているかを気にしすぎず、また他人を自分に都合のよいように操作しようという執着もありません。周囲の意見を尊重しつつも、「自分は自分」という考えを持っています。

こだわらず受け容れる柔軟さ

環境の変化に敏感すぎたり、自分への視線に繊細すぎたりすると、全体を見渡す心の余裕がなくなり、視野が狭くなりがちです。大局的な視点から物事を「受け容れられる」のは鈍感力のある人の大きな特長です。

ビジネスコンサルタントで作法家の三枝理枝子さんは、著書『幸せを感じる人間力の高め方』で、受け容れる力について次のように語っています。

そもそも困ったと思うのも、不都合だと感じるのも感じないのもすべては自分の心が決めることです。人は困ったときほど自分をごまかしたくなります。自分に都合よく物事を見る心の癖があります。心の癖は習慣になり、日々の行動を左右して、人生そのものに影響します。

大切なのは自分自身に向き合って素直になること。自分の中に問題や苦しみを生み出している要因を見つけることです。そして起こってしまったことにこだわり過ぎないことです。どんなにこだわったところで、問題が起こる前に時を戻すことはできませんし、未来に何が起きるかは誰にもわかりません。

「意味があるから起きている」

そう受け容れると心がスッと楽になり、納得がいきます。

(出典:三枝理枝子『幸せを感じる人間力の高め方』

ビジネスの世界にこそ鈍感力は必要

ビジネスの世界は変化がつきもの。その変化に柔軟に対応でき、ふりかかるストレスにも負けない鈍感力はビジネスパーソンにこそ求められる力です。ビジネスの世界で鈍感力のある人が求められる理由を見ていきます。

1. 冷静な判断が下せる

ビジネスの現場では、さまざまなプレッシャーがかかる場面もあり、予期せぬトラブルが発生することもあります。こうした状況に動じず、ストレスを感じにくければ、プロジェクトの進行やチーム運営においても冷静かつ効率的な判断を下すことができるでしょう。鈍感力はリーダーに求められる力でもあります。

2. チームワークが高まる

他人の意見にたやすく左右されて企画の方向性を見失ったり、周囲に気をつかって会議で自分の意見を言えなかったり。そうした人にも鈍感力は役に立ちます。
他人のネガティブな意見に左右されずに、自身の意見をはっきりと伝えることができる力は、一見周囲と壁をつくることのように思うかもしれません。しかし、実際にはお互いに本音で仕事に取り組むことで仕事の質はあがります。鈍感力はチームでの協力や信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。

3. 固定観念にとらわれない発想力

新たなチャレンジをする際には、過去の失敗や実績に基づく冷静な視点も必要ですが、「昔からこのやり方だから」「これはこういうものだから」といった経験からの先入観は自分を縛る鎖となります。常識や固定観念にとらわれず新しいアイデアを生み出し、チャレンジ精神を持って試行錯誤を繰り返すためにも鈍感力は必要です。

鈍感力はこうして身につく

周囲からの働きかけに対して無反応でいることは単に「鈍感」であり、周囲からネガティブなレッテルを貼られてしまいます。ここでは意識して「鈍感力」を高める3つの方法をご紹介します。

1. 批判には「なるほどね」と返す

他人からの批判や指摘をすべて「自分への攻撃」ととらえてしまうと、周囲は敵ばかりに感じられ、精神的に追い詰められてしまいます。さらに、有益なアドバイスまで失うことになりかねません。
相手からの批判や指摘は攻撃ではなく「建設的なフィードバック」であり「自分の成長の機会」としてポジティブに受け止めてみましょう。納得して受け入れるまではいかなくても、「なるほどね」「そういう考え方もあるんだね」と、感情的にならず、客観的に受け止めてみる。この態度をとれるようになると、否定的な意見に対しても動じることが少なくなります。

2. ネガティブな情報から距離を置く

情報社会の今、日常生活でネガティブな情報との接触は避けられない場合もありますが、意識的に距離を置くことを心掛けましょう。
この時間はネット接続を切る、アプリの通知を停止するなど情報を強制的に遮断するのも一つの手です。もしも何かしらの事情でネガティブな情報にアクセスしなければならない場合は、公的な機関など信頼できる情報源を選ぶことも大切です。
そうした努力が心の疲れを減らし、自身の精神的な健康を守ることにつながるでしょう。必要な情報だけを選び、ネガティブなものからは適度に距離を置く。心のバランスが、鈍感力のベースとなります。

3. ポジティブな言葉を口癖にする

「自分は冷静に対処できる」「他人の意見に動じない」。そうしたポジティブな自己暗示の言葉を繰り返し、自分に聞かせる習慣をもちましょう。

前出の三枝さんはネガティブな出来事も「ありがとう」に置き換えることをおすすめしています。

「こんなことさえなければ幸せだったのに」

そうやって不運を嘆くのではなく、人間力の高い人は「あの経験を乗り越えたからこそ、今の自分がある」「あのことがなければこんなよろこびは感じられなかった」と難を受け容れ、逆に「ありがたい。なぜならば……」と置き換えることができます。

素直に歓迎することができない難儀に対し感謝することで、心の平和ははじめて得られるものです。「困った、無理だ」ではなく、にこにこ顔で「ありがとう。で、どうする?」を口癖にして生きていきましょう。

(前掲書)

ネガティブな出来事さえも鈍感力を磨くチャンスに変えてしまいましょう。

4. 見たくないもののフタをあえて開けてみる

「自分には関係ない」と自分とその周囲だけの閉じた世界の中で生きていると、周囲の変化や意見に対して頑なになりがちです。
見たくないものにフタをすることで自分を守れる場合もありますが、変化への耐性がないと、未知の状況や予期せぬ批判にも冷静に対処する鈍感力は育ちません。さまざまな経験が自分の世界や対応能力を広げます。

5. 感情のコントロール方法を学ぶ

いま自分は怒りを感じているのか、不安なのか、焦っているのか……。感情を理解し、コントロールする技術を身につけることで、客観的に状況をみきわめ、ネガティブな感情に引きずられない自分をつくることができます。
感情が強すぎると過剰な行動にもつながり、人間関係に問題を引き起こします。ネガティブな感情をないものにするのではなく、認めてしっかり対処することも鈍感力につながるのです。

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鈍感すぎには注意!

鈍感力はストレスをため込まず受け流すことで心を守る役目を果たしますが、発揮する場面を間違えたり、鈍感すぎたりすることにはリスクもあるので覚えておきましょう。

無意識に人を傷つけることも

鈍感力は、ストレスになりそうな場面を見極めて使うスキルです。
すべての場面や人に対して鈍感力が強すぎると、「単に空気が読めない人」になり、他人の繊細な気持ちの変化をくみ取れない、微妙な関係性の変化に気づけないことがあります。それによって無意識に人を傷つける態度や、その場で必要な対応まで見逃してしまうことも。

自己成長のチャンスを逃す

批判に対して鈍感すぎると、自己成長に必要なフィードバックまで見落としてしまう可能性もあります。
適切な批判は自己成長のチャンス。ストレスになりそうな要素すべてを受け流すのではなく、反省や改善の機会を逃さないよう、批判の内容を見極め、必要なものはしっかりと受け止めるバランスが大切です。

まとめ

鈍感力は、発揮する場面と発揮しない場面を見極めれば、情報過多な現代社会においてストレスを軽減し、目標達成や人間関係の向上に役立つ力です。ストレスは受け止めすぎず、「のれん」のようにふわりとかわし、心を軽く、賢く生きていきましょう。

\ この記事の監修者 /

ニューモラル 仕事と生き方ラボ ニューモラルは「New(新しい)」と「Moral(道徳)」の掛け合わせから生まれた言葉です。学校で習った道徳から一歩進み、社会の中で生きる私たち大人が、毎日を心穏やかに、自分らしく生きるために欠かせない「人間力」を高めるための“新しい”考え方、道筋を提供しています。

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