毎月1冊、ニューモラルブックストアのスタッフがおすすめする「道徳」に関連する良書をご紹介しています。
デジタルの時代、ネット書店で本を買う方が多くなりました。ネット上では、自分の興味や関心、検索履歴をもとに「好きそうな本」がピックアップされます。効率的で便利な反面、好きなものばかりが並ぶと、新たな発見が少なくなりがちではないでしょうか。
ここでご紹介する本はジャンルも発売年もさまざま、ご紹介するスタッフもさまざまです。知的好奇心を刺激する本との出合い、普段は買わないジャンルの本との偶然の出合いをお楽しみください。
当代一流の各分野の碩学が、四大聖人の教えや思想を分かりやすく紹介します
本書はモラロジー(道徳科学)の研究対象でもある孔子、釈迦、イエス、ソクラテスの4人の聖人の思想と、その現代的な意義について書かれています。その特徴は何といっても、執筆陣がおのおの聖人研究の第一人者であることです。一般向けの講演会の内容をもとに編集されているため、非常に読みやすい仕上がりになっています。また、昨年(令和5年)惜しくも亡くなられた比較文明学の大家・伊東俊太郎先生(麗澤大学および東京大学名誉教授)が、人類史の視点から総括的な文章を書かれているのも注目のポイントです。私は晩年の伊東先生から直接ご指導いただいた経験があるのですが、先生の語り口はいつも平易であり、なおかつ本質に切り込むもので、聴衆(読者)をあっという間に古代の聖人が生きた時代に連れて行ってくれます。また、全体を通して、先生自身の世界に対する「愛」にあふれた文章に触れていると、心地よさを感じるとともに、この世界に生かされていることに自然と感謝の気持ちが湧いてくるのです。皆さまにも、ぜひ先生の「愛」に触れていただきたいと思います。
(編集担当 竹中信介)
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