前回は「選択」のスキルについてお話ししました。
情報が溢れる現代で、何をどう選ぶのか。
この「選択」の力は、実は日々の人間関係においても
とても重要な役割を果たします。
それでは一緒に考えてみましょう。
「この人、いつも自分が正しいと思っているな…」と
感じる相手とどう関わるか。
これって、私たちが日々直面する、
まさに「どう接するか」という「選択」を
迫られる瞬間ですよね。
あなたの周りにも、こんな人いませんか?
会議で自分の意見が通らないと不機嫌になる上司。
世間の常識を振りかざしてくる隣人。
「私のやり方が一番」と信じて疑わない同僚。
意見を言えば反論され、
少しでも違うことを示唆すれば、感情的になったり、
過去の成功体験を延々と語られたり…。
正直、「もう何を言っても無駄だな」と、
諦めや疲労を感じてしまうこともありますよね。
「結局、こういう人にはどう接するのがベストなんだろう?」
「反論したいけど、どう伝えれば角が立たないんだろう?」
「もう限界…距離を取るしかないのかな?」
そんなあなたのモヤモヤに、少しでも前向きな 「選択」をするためにはどうしたらいいのでしょうか。
「自分は正しい」と思い込んでいる人を変えることは
難しいかもしれません。
でも、そのような人と「どのように接するか」を選ぶことで、
あなたの心の負担はぐっと軽くなります。
1.「聞く」を選択
「でも」「いや、それは違う」と
すぐに反論したくなる気持ちをぐっとこらえ、
まずは、相手の言葉を最後まで聞くことから
始めてみましょう。
ポイントは、否定せずに耳を傾けることです。
すると、相手は「自分の意見が受け入れられた」と感じ
それだけで落ち着くことがあります。
話の途中で「なるほど」「そうなんですね」といった
相づちを打つことで、相手はさらに話しやすくなり、
感情的になりにくくなります。
2.「質問する」ことで、新たな視点を促す選択
相手の主張を頭ごなしに否定するのではなく、
「質問」という形で相手に考えてもらうきっかけを
作ることも有効です。
例えば、
「具体的にどのような経験から、そのようにお考えに
なったのですか?」
「もし、別のやり方だとどうなると思いますか?」
といった問いかけです。
相手自身に考えさせることで、視野が広がり、
これまでとは違う答えにたどり着く可能性も生まれます。
これは、相手を変えようとするのではなく、
「相手が自ら気づく」という選択肢を提示するアプローチです。
3.穏やかな「反論」を選択する勇気と、適度な「距離」を選ぶ賢さ
どうしても自分の意見を伝えたい時、
感情的にならず穏やかに反論を伝えることを選択しましょう。
「私はこう考えるのですが、いかがでしょうか」
「〇〇さんの意見も理解できますが、△△という視点もあるかもしれません」のように、
相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を並列に
提示するイメージです。
感情的な言葉は避けて、論理的に、
なおかつ冷静に伝えることで、
相手も耳を傾けやすくなります。
また、時には「適度な距離を保つ」という選択も大切です。
どうしても分かり合えない、精神的に疲弊してしまう
といった場合は、無理に関係を深めようとしないことも賢明な判断です。
仕事上の付き合いであれば、必要最低限のコミュニケーションに留めたり、
プライベートな関係であれば物理的・精神的に
少し距離を置いたりすることも、あなた自身の
心の健康を守るために必要な「選択」となります。
「自分が正しいと思っている人」との関係は、
時に大きなストレスになり得ます。
変えることにエネルギーを費やすのではなく、
あなたが「どう接するか」を主体的に「選択」することで、
状況は大きく変わる可能性があります。
傾聴する選択。
質問する選択。
穏やかに伝える選択。
そして、時には距離を置く選択。
これらの「選択」は、あなたの人間関係、
そしてあなた自身の心の状態を、
少しずつアップデートしてくれるはずです。
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