毎月1冊、ニューモラルブックストアのスタッフがおすすめする「道徳」に関連する良書をご紹介しています。
デジタルの時代、ネット書店で本を買う方が多くなりました。ネット上では、自分の興味や関心、検索履歴をもとに「好きそうな本」がピックアップされます。効率的で便利な反面、好きなものばかりが並ぶと、新たな発見が少なくなりがちではないでしょうか。
ここでご紹介する本はジャンルも発売年もさまざま、ご紹介するスタッフもさまざまです。知的好奇心を刺激する本との出合い、普段は買わないジャンルの本との偶然の出合いをお楽しみください。
心の生涯学習誌『れいろう』創刊50年を記念して、開催されたシンポジウムの内容を単行本化。家族の絆に気づき、その大切さに目覚めるとき、生きる力がわいてくる。
今から13年前に娘を産んで以来、私が子育てをする上で、ずっと大事にしていることがあります。「子育ては親の恐怖政治で」「親は教育のプロではないから力みすぎずに」。これは、まだ結婚間もない頃、友人に連れられて参加したあるシンポジウムで聞いた言葉でした。と、職場の同僚に話したところ、そのシンポジウムなら講演録になっているよ、と教えてもらったのが本書です。「しつけは愛の強制力で教えること」「学校には免許をもった教師がいるが、家庭教育には教科書がない」など、当時の私に強烈な印象を植えつけた田下昌明先生、野口芳宏先生の言葉がいくつも掲載されていました。先生方のお言葉は活字になっても明快で痛快。これまで私が読んできた子育て本にはなかった視点の連続で、夢中になって読み終えました。最後に一点、勘違いしていたことがあります。お二方とも〝恐怖政治〟などという言葉は使っておられませんでした。恐らく「家族の中には序列が必要」「価値ある強制」といったキーワードから、私の中で勝手に意訳していたようです。
(『れいろう』編集担当 T)
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