毎月1冊、ニューモラルブックストアのスタッフがおすすめする「道徳」に関連する良書をご紹介しています。
デジタルの時代、ネット書店で本を買う方が多くなりました。ネット上では、自分の興味や関心、検索履歴をもとに「好きそうな本」がピックアップされます。効率的で便利な反面、好きなものばかりが並ぶと、新たな発見が少なくなりがちではないでしょうか。
ここでご紹介する本はジャンルも発売年もさまざま、ご紹介するスタッフもさまざまです。知的好奇心を刺激する本との出合い、普段は買わないジャンルの本との偶然の出合いをお楽しみください。
著者は、世界に開かれた視点で日本の国柄を明らかにし、史実をしっかりと踏まえながら、現代の私たちが忘れかけている日本人の真髄や美徳を訴えます。
本書は、本誌で連載していた「語り継ごう日本の心」を単行本化したものです。当時は、今のような良き日本の歴史や文化に光を当てるテレビ番組などが少なく、そのアンチテーゼとして始まった連載だったと記憶しています。著者の名越二荒之助(なごしふたらのすけ)先生は、本書発行の4ヵ月前に亡くなられており、本誌連載時に担当を務めた私は、それが残念でなりません。名越先生はそのお名前とは違い、荒いところがない方でした。ソ連に抑留されたときの体験談を「社会主義を勉強させてもらった」と笑顔で話す一方、韓国をたびたび訪問され、日本に良い感情をもたない人に対しても、はっきりと意見を述べる芯の強さをもった方でもありました。名越先生は「どの国も自国は正義だと信じている。日本も尊敬されるようになるには、自国の立場をもっと主張することが大切だ」とおっしゃっていました。自国の立場を主張するには、自国のことをもっと知る必要があります。本書には日本の良き歴史と功績が詰まっています。そこには、私たちがあまり教わってこなかった日本の魂があると感じるのです。
(元編集担当 忍足卓行)
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