よかれと思って…が裏目に出る理由 ――「自分勝手な思いやり」になっていませんか?

「気配り」や「思いやり」は大切とわかっていても、

仕事や家庭で実践できているかというと、

首をかしげる方も多いのではないでしょうか?

特に日本では、言葉にならない部分を「察する」という

コミュニケーションが重んじられます。

よかれと思って気を配ったのに、うまく真意が

伝わらずに「余計なお世話」と受け取られたり、

かえって迷惑がられたり…。

そんな気まずい経験は、一度や二度ではないはずです。

なぜ、私たちは相手を思っているのに、

その思いやりが裏目に出てしまうのでしょうか?

今回は、相手に喜ばれ、自分もスッキリする

「気配り」の習慣について考えてみましょう。

「気配り」と「心配り」は何が違うのか?

まず、私たちが普段使う「気配り」と

「心配り」の言葉の違いを見ることで、

思いやりの本質を考えてみましょう。

多くの方は「相手に良いことをする」くらいに

ざっくりと捉えているかもしれませんが、

時間軸で違いを考えると整理されます。

「気配り」とは「事前準備(未来)」。

つまり、これから起こることを先回りし、相手のニーズを

予想して段取りすること。

例えば、会議室の空調を事前に調整しておくなどです。

それに対して「心配り」とは「現在進行形」です。

今、目の前にいる相手の感情を察して、

寄り添うような対応をすること。

例えば、会議中、寒そうにしている同僚に、

さっとひざ掛けを渡すなどです。

つまり、「気配り上手」に一番必要なのは、

「まだ起きていないこと」や「目の前にいない人」の

ニーズや感情を想像し、

そこに自分の感情を寄り添わせる共感力といえそうです。

「自分勝手な気配り」の代償

この「共感力」が欠けると、

思いやりは「自分勝手な思いやり」となり、

かえって人間関係を難しくする結果となることもあります。

実は、私にも失敗経験があります。

以前、チームで共有している重要な資料を、

私が担当した際のこと。

締め切りに追われるリーダー(上司)の負担を減らそうと、

私は「どうせなら後で確認されないように、結論だけでなく

背景もすべて盛り込もう」と考えました。

しかし、リーダーが本当に必要としていたのは背景ではなく、

すぐに会議で使える「要点だけを抽出した箇条書き」でした。

結果、ボリュームが増えすぎた資料は、

逆にリーダーの確認時間を増やしてしまい、

「気持ちはありがたいが、今回は簡潔さが欲しかった」と。

あの時、相手の「今」のニーズを想像せず、

自分の「親切」を押し付けたことを、今でも反省しています。

自分勝手な気配りとは、相手にとって負担になります。

相手に喜ばれないから、やったこちらもスッキリせず、

むしろストレスが増えてしまいますよね。

思いやりの質を高めるために・・・

心から相手に喜ばれる気配りとは、

「私は相手の立場に立っているつもりで、

自分の見たいものだけを見ていないか?」

という問いかけから始まります。

自己満足で終わらせず、質の高い思いやりを実践するために

ぜひ今日から、以下の2つの問いかけを意識してみてください。

問1: 気配りしているつもりで、自分に都合のいい手段や

    方法にこだわっていませんか?

問2:相手を思いやっているつもりで、自分の見栄や世間体を

    優先させた「形だけ」の気配りになっていませんか?

この問いかけを実践することで、

あなたの「気配り」は、真に相手の心を温める行動へと

アップデートされるはずです。


いかがでしたか?

ほんの少し意識を変えるだけで、

相手との距離はぐっと心地よくなります。

ぜひ今日から、1つだけでも「相手の今を想像する行動」を

取り入れてみてくださいね。


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