つい時間に追われ、焦りがちになる時期――師走。
「早くしなきゃ」という気持ちが強すぎると、
「せっかくの努力」が、かえって「二度手間」や
「非効率」につながりかねません。
たとえば、
・せっかく良いアイデアを思いついたのに、
焦って進めたために、前提条件を見落としてしまった。
・せっかく時間を作ったのに、焦りからミスを連発し、
結局やり直しに追われてしまった。
こんな経験はありませんか?
今回は、この「せっかちな心」を鎮め、
せっかくの努力を最大限に活かすための習慣、
「心の余白」をつくるヒントをご紹介します。
現代では「タイムパフォーマンス(タイパ)」が重視され、
「早いことは良いことだ」という意識が強くなりがちですよね。
しかし、このスピード至上主義は、
ともすると「心のゆとり」を奪いがち。
心に余白が無い状態とは、
まるでアクセルとブレーキが壊れた車のように、
常に「次の行動」「次の結果」へと急いでしまい、
肝心な「目的」を見失う危うい状態です。
この心の余白が無いことが、せっかくのあなたの能力を
活かせない最大の原因となり得るのです。
実は、これは私自身の戒めでもありますが、
今から10年ほど前のこと。
年内の完了をめざし、スケジュールに追われながら
月刊誌の編集を急いでいた時のこと。
とにかく「早く記事を完成させること」が目標になり、
連日の残業・・・
しかし、いざ編集長に提出する直前で、同僚から
「特集企画の一番重要なテーマから、なんかズレてない?」
と指摘が入ったのです。
図星でした。
ただ瞬間的に、「時間がないから仕方がない」と
自分を守るモードが前に出てしまい、同僚が指摘した
「テーマのズレ」を、すぐに受け入れることができませんでした。
急ぐあまり、本来の「誰のために、何のために」という
目的が、自分の中で「記事を体裁よく完成させること」に
すり替わっていたのです。
その時は同僚が、私の頑なな態度に憤慨することもなく、
逆に温かいコーヒーを淹れ、一息つける時間をつくってくれました。
そのおかげで、冷静に自分を見つめの直し、
誤りを受け容れる少しの余裕を取り戻すことが出来たのです。
もし、あのまま「誰のために、何のために」の目的を
無視して突き進んでいたら、こだわりの強いインタビュー
相手だっただけに、土壇場で根本的な修正が必要になり、
要らぬ摩擦や労力が、必要になっていたかもしれません。
行動の質を高める鍵は、
「行動する前に立ち止まる勇気」を持つこと。
そして、その立ち止まった瞬間に心のコンパスを
「目的」に向け直します。
この「心の余白」を作るためには、以下の3つの小さなステップで
実践し、習慣化することがカギです。
★「心の余白」を作る3つのスモールステップ★
<ステップ1>「焦りのサイン」を客観視する
誰かから頼まれたり、急かされたりした瞬間、
「胸がドキドキする」「つい『早く!』と口走る」など、
自分の体のSOSや口癖を意識的にキャッチしましょう。
これが立ち止まるべきトリガーです。
<ステップ2>「3秒間の強制停止」を行う
焦りのサインに気づいたら、次の行動に移る前に、
意識的に「3秒間、深呼吸」または「席から立ち上がり、
水を飲む」といった強制停止ルーティンを挟みましょう。
物理的な行動で、心のせっかちな流れを断ち切ります。
<ステップ3>「問いかけ」で目的へ意識を向け直す
停止した瞬間に「この行動の本当のゴールって何だっけ?」と
心の中で問い直します。
「早く終わらせること」ではなく、
「質の高いアウトプットを出すこと」や「誰かの役に立つこと」
といった、本来の目的に意識を向け直しましょう。
行動の完了はできても、またすぐに次の焦りが
生まれてしまうのが師走です。
忙しさの中でこの習慣を実践し、
本当に大切なものを見失わないために、
この口癖をそっとつぶやいてみてください。
「今、心に余白はある?」
この一言が、急いでいる自分を客観視させ、立ち止まり、
本当に大切な目的へと意識を向け直す「心のスイッチ」と
なるでしょう。
「早いことはいいことだ」という思い込みを手放し、
一見遠回りに見える「ゆとり」を意識的に作ること。
それが、せっかくの努力を最大限に活かす、最も確実な道です!
いかがでしたか?
焦りや忙しさに流される前に、ほんの少し立ち止まるだけで
見える景色や選べる行動が変わります。
せっかちな性格が生まれる要因や、その性格を改善しつつ
メリットを活かすための具体的な方法について、
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