私たちは日々、家族や友人、同僚と多くの時間を過ごします。
人は元来おしゃべりな生き物。
自分の話を聞いてもらえると、心が満たされて、
なんだかホッとしますよね。
でも、私たちは「話す」ことには意識が向いても、
「聞いてくれる人の存在」を、どれだけ意識できているでしょうか?
今回は、この「話す人」と「聞く人」の関係をもっと
豊かにするための「聞く」と「聴く」がテーマです!
「聞く」と「聴く」は、同じように見えますが
その意味合いは大きく違います。
「聞く」= 耳から入ってきた音を無意識に
受け取る行為 。
「聴く」= 相手の言葉の背景にある感情や心を
理解しようとする、積極的な姿勢 。
なぜ、この違いが重要なのか?
自分の立場で話を聞いていると、
いつの間にか関心のある部分だけに焦点を当てたり、
自分の価値観で相手の話を判断しがち 。
これじゃ、本当の意味で相手を理解することは
難しいですよね。
でも、相手の立場で「聴く」ことを意識すると、
相手の感情に共感し、
相手と同じ状況で物事を考えられるようになります。
その時に初めて、単なる「聞く」が、
相手の心を思いやる「聴く」に変わるんです。
私は編集者として、25年の間に約1000人の人に
インタビューをしてきました。
インタビューは、「話をきく」ができないと
成立しません。
ただ相手とは、9割のケースで初対面。
事前に質問事項を送ったとしても、
心理的に「この人には話したくないな」と思われたら
情報量の一部しか話してくれない、という事態になります。
駆け出しの頃は、何度やっても相手の話を引き出せません。
悩みに悩んで、傾聴のテクニック的な本は
片っ端から読みました。
ただある時、逆の立場になったらどうだろうと考えて、
ハッとしたんです。
私の「きく」は、自分中心の「聞く」だったのではないかと。
では、どうすれば相手の心に寄り添う「聴く」力を
身につけられるのか?
それは「心の容量を大きくすること」。
経験から、そう私は感じています 。
自分の心の容量が小さいと、
相手の悲しみや苦しみに向き合うことを忘れ、
つい自分の好奇心や自己満足のために話を聞いてしまいがち。
それでは、相手に安心や信頼を与えることはできません。
それに、無理して人の話を聞きすぎると、
かえって自分の中に大きなストレスを溜め込んで
しまうこともあります 。
だからこそ、日々の生活の中で
自分の心を整え、容量を広げる努力が必要です。
以前のメルマガでお伝えした
「心の余白をつくる時間」も、この心の容量を
広げるための大切なステップですね。
では、今からでもすぐにできる、
簡単なコツを3つご紹介します。
1)「オウム返し」で共感を示す。
相手の言葉を繰り返すことで、「ちゃんと聞いてるよ」というサインを送れます。
例)相手:「今日は仕事で疲れてさ…」
あなた:「疲れたんだね。」
2)「へぇ~」「なるほど」のバリエーションを増やす。
いつも同じ相槌ではなく、少し驚きや感心を加えるだけで、
相手は「もっと話したい」と感じやすくなります。
3)非言語メッセージを意識する。
話を聞くときは、相手の目を見て、
少し笑顔を見せたり、相槌に合わせて頷いたり
してみましょう。
目は口ほどにものをいう。見えない心が伝わることで
相手は安心して話せるようになります。
いかがでしたか?
日常の何気ない会話だからこそ、
「きき(聴き)方」ひとつに心を込めて、
相手の幸せを祈る習慣を身につけていきたいですね。
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