今回は「叱る」と「怒る」について一緒に考えてみましょう。
最近、誰かを「叱った経験」はありますか?
もし「叱った」という感覚で思い浮かばない場合は
「怒りをぶつけた経験」だといかがでしょう?
一見、似た言葉ですが、実は大きな違いがあります。
その違いを理解せずにいると、自分は相手のためを思って「叱った」つもりなのに、
相手には「怒りをぶつけられた」としか思われなかった…。
という事態を招いてしまいがちです。
しかし、仕事においては部下の成長を、家庭においては子供の成長を促すうえで、
気づいた点や改善点を指摘することは、とても大切です。
でも、その指摘の方法が良くなかったがために「理不尽に怒られた」「否定された」と
相手にはネガティブに受け取られ、関係にヒビが入るのは、避けたいですよね。
逆にあなたが「怒りをぶつけられた」と思った相手も
本当はあなたを「叱る」つもりだったのかも!?
では、なぜ「叱る」が「怒る」になってしまうのでしょうか。
叱っているつもりが、怒っている人の共通点を挙げてみましょう。
叱り下手な人は、ついその場の感情や気分、
あるいは「普通はこうでしょ?」という
自分の価値観に当てはめて指摘しがち。
しかし、それでは「なぜ自分が叱られているのか」を
相手は理解できず、納得感も得られません。
私の子育ての失敗談です。
子供が小さいころ、よくご飯を残したことがありました。
私の心に余裕ある日は、「お腹いっぱいなら、無理しなくていいよ」と言い、
余裕が無い日は、「全部食べなさい!もったいないでしょう」と言っていたのです。
気分次第でした。
子供から「この前は残していいって言ったのに…」と言われて、
自分に基準がないことに気づきました。
そんな経験ありませんか?
叱り上手な人は、必ず「次はこうしてほしい」という
具体的なリクエストを伝えます。
例えば、部下が資料の提出を忘れた場合。
「なんでいつも忘れるんだ!」という言葉をぶつけても、相手は委縮するだけでしょう。
「次は忘れないでほしい」というリクエストが入ってないから、
相手は怒られたとしか受け止められないのです。
「資料の提出が遅れると、プロジェクト全体に影響が出るから、期日までに提出しよう。
もし間に合わない時は、前もって相談してほしい」
こんな風に具体的なリクエストと、理由を添えると部下の行動の改善につながり、
「怒られた感」がなくなります。
あなたの指摘には「リクエスト」が入っていますか?
叱り下手な人は、発する言葉自体が感情むき出しだったり、攻撃的です。
こんな言葉、使っていませんか?
「何度も言っているけど」 =過去を持ち出すと、相手は不信感を抱きます。
「なんでできないの?」 =相手は「責められてる」と感じるでしょう。
「いつも」「絶対」=過度な表現は相手の反発心を引き出します。
一呼吸おいて、言葉選びにも気をつけましょう。
「叱る」ことは、相手の成長を促し、よりよい未来を
ともに築くためのポジティブな行為です。
そこには、「思いやり」や「共感」も含まれます。
つまり「叱り上手」をめざすことは、自己成長にもつながるのです。
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