みなさんは「相手の話をよく聞くことが大切」
そう思い込んではいませんか?
もちろん、それは真実です。
問題は、多くの人が「聞く」という行為を、
自分の頭の中で次の質問や返答を準備しながら、
相手の言葉をただ受け流すことと混同している点にあります。
このような聞き方で、
相手は本当に気持ちよく話せているでしょうか?
インタビュー技法のレッスンで講師を務めた際のこと
受講者の多くが、この「聞いているつもり問題」に
悩みを抱えていました。
本当は、相手が話した言葉に耳を傾け、
その表情や口調もよく観察すべきだけれど、
次にどんな質問をするべきかを考えることに
頭が一杯になり、聞いているつもりになってしまう、
という問題です。
もし、あなたが誰かに熱心に話をしているとき、
相手が上の空で、あなたの言葉が終わるのを
待っているような態度だったら、
どのように感じるでしょうか?
「この人は私の話に興味がないんだな」
「早く話を終わらせたいのかな」と感じて、
話す気が失せてしまいますよね。
聞き手の態度によって、相手の口は重くなる。
そうなると、なおさら聞き手は焦って
次の質問を考えることにやっきになる・・・
こうなると悪循環です。
これはインタビューに限らず、
普段の会話にも同じことが言えます。
「自分の話したい話題に早く切り替えたい」
とばかりに、自分の都合や思惑第一に
「聞いているふり」をしている。
それって、相手にとっては
心地のよくない「不快話」ですよね。
では、会話ならぬ「快話(かいわ)」上手の人は、
何が違うのでしょうか?
【快話上手】が行っている3つのこと。
1)誠実な関心を持って「相手を観察する」
2)相手が聞かれて心地よい「問いを投げかける」
3)心を込めた「アイコンタクト」を欠かさない
以前話を伺った、
限界集落寸前の村を見事再生させたリーダーが
「命令せずに人に動いてもらう」ために行ったのが
この快話術でした。
そのリーダーは集落300人のフルネームを覚え、
会う人会う人に笑顔で自分から声をかけます。
それも、ただ声をかけるのではなく、
相手の興味や関心を引き出し、楽しい快話を意識する。
これを毎日、地道にやり続けたことで、
希望を失いかけていた集落全員の顔が
確実に上向き始めたといいます。
ここで大切なのは、いかに相手が
「つい話したくなるような興味や関心を把握するか」です。
それをつかむために、
事前にそのリーダーは皆の近況や家族構成を
頭に叩き込んでいました。
その上で、集会や行事で会う際には、
一人ひとりとアイコンタクト。
「この集落にとって、あなたは大切な人財ですよ」と
無言のメッセージを視線に込める。
「自分は大切にされている」
その温かな実感が広がり、やがて絆となり、
再生の原動力となりました。
リーダーに限らず、周囲に信頼され好かれる人は必ず
「快話」を心掛けているものです
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