「共感を意識すれば人間関係はもっと深まる」とはいうけれど……。
そう思うだけで終わっていませんか?
無理はありません。
共感力の重要性を説く本は数あれど、
残念ながら、高める手順や道筋まで示しているものは
ごくわずかしかないからです。
「こうすれば共感力は高まるはず!」
そう思って努力を重ねてきたのに、
人間関係は改善せず、ストレスは増えるばかり……。
こんな後悔の日々は、避けたいですよね。
共感力を高めることができている人には、
共通点があります。
それは、
高める努力を始める前に「きちんと考える」こと。
きちんと考えられる人は、
エンパシー(共感)とシンパシー(同情)の
違いを理解し、混同しないように意識して、
行動できる人です。
例えば、友人が病気になったと聞いた場合。
「かわいそう」
「気の毒に」
と思う同情的な気持ち、これはシンパシーです。
自分の経験に基づいて、
相手の気持ちを想像しますが
想像したその時だけ、「ああ、気の毒に」という
一時的な感情で終わりがち。
一方の「エンパシー」は、
自分の経験にとらわれず「相手の立場」に立って、
相手の感情をわが事のように捉えます。
友人が病気になったと聞いて、
相手が今、置かれている状況を想像し、
どんな気持ちでいるかを深く考えようとするのが「エンパシー」。
一時的な同情に終わらず、
相手の苦しみや悲しみを少しでも和らげるために、
何らかの力になりたいと思い続ける。
そして、その思いが態度や行動に表れる。
あなたが身につけたい「共感力のイメージ」は
どちらに近いでしょうか。
先日、私自身がシンパシーとエンパシーの違いに
揺さぶられる経験をしました。
朝、職場に向かう道の端っこで、
小学生二人が座り込んで泣いていたのです。
一人はおでこ、一人は唇から血が出ていました。
ぶつかったようでした。
「かわいそうに……」
まず最初に浮かんだのは、この気持ちです。
さらに、ケガの状況を自分の過去の経験と照らして
「この程度なら、救急車は必要なさそうだな」と思い
いずれ駆けつけるであろう先生に任せて、
先を急ごうかどうしようか、と葛藤しました。
今も思うと、この時点の私はシンパシーでした。
その後、その場にとどまって、
泣く子の気持ちに寄り添ったり、
今できることをやろうと思えたのは、
自分の行動を選択する前に、考えたからかもしれません。
「まずシンパシー、さらにエンパシー」
この法則に、
今の自分の行動は合っているのか?と
ちょっと考え、心を働かせてみる。
それまで「自分は共感力があるほうじゃないか」と
うぬぼれていましたが、いざ現場で出会ったのは
意外と葛藤してしまう自分でした。
いかがでしたか。
相手の立場に立っているつもりでも、
実はシンパシーで終わっていた。
そんなことありませんか?
人間って、いつも考えていることが、
表情や態度に表れ、それが相手に伝わるもの
ですよね。
考える道筋、心の働かせ方を意識しながら、
少しずつ共感力を高めていきましょう。
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