「あなたのためを思って言っているのに……」
心配して声をかけた。
良くなってほしくて助言した。
失敗しないように、先回りして教えてあげた。
それなのに、相手の表情が曇ったり、
返事がそっけなくなったり、
なぜか距離を置かれてしまったり……。
そんな経験はありませんか?
相手を困らせたいわけではありません、むしろ反対です。
大切だからこそ、放っておけなかった。
少しでも役に立ちたかった。
それなのに、なぜ??
「あなたのためを思って」という気持ちは、なぜ、
時に相手から重たく思われてしまうのでしょうか。
もしかすると、その理由は、
善意そのものではなく、善意の中に混ざっている「期待」にあるのかもしれません。
「私の気持ちを分かってほしい」
「言った通りにしてほしい」
「早く変わってほしい」
相手を思う気持ちの中に、あなたのそんな願いが
少しずつ混ざっていくことがあります。
もちろん、誰にでも起こることです。
けれど、相手が受け取っているのは、私たちが口にした言葉だけではありません。
表情、声の調子、話す速さ、相手の話を途中で遮っていないか。
言葉にはしていない「どうして分かってくれないの?」
という気持ちまで、相手には意外と伝わっているものです。
少し振り返ってみてください。
私たちは、相手のために何かを伝えようとした時、
「自分の思いを分かってもらうこと」と、
「相手の思いを分かろうとすること」のどちらを優先しているでしょうか?
実は、私自身にも忘れられない出来事があります。
後輩のためを思い、「こうした方がいいよ」と何度も
声をかけていた時期がありました。
私としては応援のつもりでした。
でも、ある時その後輩が、
「富田さんには相談しづらい」と言っていたと、人づてに聞いたのです。
応援していたつもりなのに、相手にはプレッシャーとして伝わっていた。
あの時、初めて「相手のため」と思う気持ちの中に、
「自分の期待」が混ざっていたのかもしれない、と気づきました。
本当に必要なのは、もっと上手に説明することでも、
正しい言葉を選ぶことでもないのかもしれません。
まずは、相手の話を聴き、その人が今どんな気持ちなのかを
受け取ろうとすること。
同じ言葉でも、そのひと手間があるだけで、
相手への伝わり方は大きく変わります。
コミュニケーション能力というと、話術や社交性を思い浮かべがちです。
しかし、本当に大切なのは、話す力よりも、
相手の言葉や表情を受け取る力なのかもしれません。
コミュニケーション能力とは?高い人・低い人の特徴と効果的な鍛え方を解説
【 https://ecmoralogy.jp/blog/ecblog/54772/ 】
いかがでしたか?
「あなたのためを思って」という気持ちは、決して悪いものではありません。
だからこそ、伝えることを急ぐのではなく、まず、相手の心に耳を傾けてみる。
相手を変えようとする前に、自分の心がどちらを向いているかを、見つめてみる。
その小さな心の選択が、あなたの善意を、
重たさではなく温かさとして、届けてくれるのかもしれません。
今週も、ご自身の心と上手に付き合いながら、穏やかな一週間をお過ごしください。
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