T君の卒業式の思い出 ~学校のちょっといい話~

 毎年担任が替わっても、彼は学校の中で生き生きと学び、遊び、喧嘩し、感動し、働きました。担任はもちろん、担任以外の教職員、特に校内にある肢体不自由学級の教員や専属の理学療法士・作業療法士も通常学級在籍の彼を支援してくれます。
 また、彼も、自分の学級だけでなく、肢体不自由学級の仲間に自分から関わりました。卒業式には、フロアから壇上まで長さ十二メートルのスロープを設置しました。そこを花道として卒業生全員が壇上に進み、卒業証書をいただくのです。T君も本校の一員として誇りをもって電動車椅子で花道を進み、壇上で証書をいただきました。そして、周囲の予想に反し、自分の意思で特別支援学校への進学を決めたのです。

自分のすべきことは精一杯努力するT君から、本校の子供たちも周囲の大人もたくさんの学びとやさしさをもらいました。

(『学校のちょっといい話』より)